Piaキャロ2R 第6話「3つの願い」 |
普通サイズのパイプベッドに二人で寝るのは、当然狭い。 互いに体温と微動を感じながら眠るのは、他人同士なら苦痛でしかないだろう。 たとえ親しい相手でも、一晩中肌を触れ合わせているのは煩わしいものだ。 しかしそれ以上に、人肌の温もりが安堵を生むのも事実だ。 その相手が心を許せる恋人や肉親なら、尚のことだろう。 二人の少女・・・あずさと美奈の姉妹も、お揃いのパジャマに身を包んで、寄り添うように一つのベッドに就いていた。 彼女らの歳になると、肉親と寝るのは照れ臭さを感じてもおかしくないが、この二人は抵抗無く姉妹の温もりの心地良さに身を任せている。 ただ彼女らの場合の”一緒に寝る”には、文字通りの”眠る”というだけでなく、ある意味下衆な言葉での”寝る”という行為も含まれているのだが。 横になりながら美奈は、暗い天井を見上げていた。 このベッドは本来二段式で、以前はこの上に上段のベッドがあったが、今は取り外して姉が寮で使用している。 天井を見ながら眠るのはもう慣れたが、初めは違和感と共に寂しさを感じたものだ。 美奈にとっては、上段のベッドの敷板越しに姉の背中を見ながら眠るのが普通だったのだ。 それはたとえ布団は別々でも、一緒に寝ているという安心感を与えてくれた。 「(だから美奈は、いつまで経っても甘えん坊なのかな?)」 自分でも気付かないうちに、その安堵感に漬かっていないと眠ることも出来なくなっていたのかもしれない。 姉妹で使っていた頃は手狭に感じたこの部屋も、一人になると広すぎるように感じる。 「(だから寂しくて・・・失った温もりをお兄ちゃんに求めた?)」 それまでの自分からは考えられない程積極的に、当時好きになった年上の少年に近付いたのは、そういう理由があったのかも・・・美奈はそう夢想した。 「(でもまあ、理由なんてどうでも良いか)」 そう、その少年は自分の告白を受け入れて恋人となってくれたし、今は隣りに姉も居てくれる。 理由や経緯なんてどうでも良い・・・彼女は今、確実に幸せなのだから。 思考に結論が出た所で、隣りで寝ている姉に目を向けると、同じように天井を向いていた彼女もその気配でこちらを見る。 その瞳は、暗い部屋の中でも艶っぽく潤んでいるのが見て取れた。 おそらく自分も、同じような瞳をしているのだろう。 見詰め合っているだけで情欲に火が灯り、顔が紅潮して心拍が早くなってくる。 性の快楽を覚えた若い二人は、性対象となる者と一緒に安らかに眠るには、情欲の火を収めなければならない。 それは同性が対象では奇異なことだろうし、更に肉親同士では凄まじく希なことだろう。 自分達が異常と分かっていても、美奈は微塵も罪悪感を覚えなかった。 何故なら自分は心から相手を・・・姉を愛しているし、姉も自分を愛してくれていると確信しているから。 自分達は愛し合い、求め合っているのだ・・・たとえ世間に公言できるような事でなくても、後ろめたい事は何も無い。 それでもつい最近まで背徳と思っていたその行為は、数回しただけでは遠慮無く口に出して求められるほど慣れない。 「お姉ちゃん・・・」 実際には30秒と経っていないだろうが、感覚的には随分長い間見詰め合った後、意を決して美奈は甘えた声で姉を呼び、顔を近づける。 「ミーナ・・・んっ」 妹に答えて、あずさも顔を寄せて目を瞑り、そのまま姉妹は暗闇の中で互いの唇を重ねる。 「(いや・・・ちょっとだけ後ろめたい事はあったかな?)」 美奈は一瞬だけ、この場にいない恋人に想いを飛ばすが、すぐに目の前の姉へ意識を集中させた。 第6話「3つの願い」 一年の最後の日となる大晦日に、あずさは実家ともいえる叔父夫婦の家へ里帰りをしていた。 幼い頃から姉妹を良く知っている叔父と叔母は、何処に行くのもべったり一緒だった二人がここ暫く疎遠になっていたのを心配していたが、以前以上に仲の良い様子の美奈とあずさを見て、それが杞憂だったと安心する。 しかしその”仲の良い”が、普通の姉妹愛と多少違うという事など、彼らは全く気付いていない。 夜半を過ぎて新年を迎えた後、自分達が”姫初め”をしている間、同じ家の別室で娘達が同じ事をしているなどとは、義理とはいえ親である者が想像も出来ないのは当然かもしれないが。 「「ん・・・ちゅぷっ・・・」」 美奈の部屋のベッドの中で、美奈とあずさはキスをしながら抱き合っていた。 唇は軽く触れ合わせているだけだが、舌は淫靡に求め合い、吐息と混じって口の外で絡み合う。 二人の両手は相手の敏感な個所を刺激する訳でなく、パジャマの上から腰や背中を撫で回す。 互いに焦らすような愛撫を加え、性行為へのテンションを高めているのだ。 「「はぷっ・・・うんっ」」 愛欲と性欲が高まってくると、姉妹は口付けをより深いものにしていき、身体を弄る両手も腰から尻へ、背中から胸へと移動していく。 「はぁ・・・おねえちゃぁん・・・」 服の上から姉の手で尻を撫でられて、美奈は甘い声を出す。 「んっ・・・ミーナ・・・」 妹に求められるままに、あずさはパジャマとショーツの中に右手を差し込み、掌で美奈の滑らかな尻を確かめる。 「あふ・・・」 背筋を駆け上る刺激に身を震わせながら、美奈も姉の尻の中へ手を入れて撫で回し、更に空いている左手でパジャマのボタンを外して、前を肌蹴てシャツも捲り上げた。 「(お姉ちゃんの、おっぱい・・・)」 姉の白い乳房が闇の中に浮かび上がると、美奈は心の中で感嘆の声を上げる。 同性の裸には特に興味の無い美奈だが、早くに両親を亡くした彼女は姉の中に母親の記憶を求めている為、以前から姉の母性の象徴である乳房に執着していた。 それが愛情と絡み合って性欲と直結すると、男性である耕治以上に姉の乳房を求めるようになったのだ。 「ちゅっ・・・んちゅっ」 美奈は空腹の赤ん坊のように姉の乳首に吸い付き、しかし赤ん坊には有り得ない淫靡な舌使いで愛撫を加える。 「あんっ・・・」 妹の愛撫に乳首を尖らせながら、あずさもパジャマの上から美奈の未熟な乳房を揉み、尻の谷間から股間に手を伸ばして既に薄らと湿った秘裂に指を這わせる。 「んっくっ・・・!」 秘裂から湧き起こる快感に喘ぎながら、美奈も姉の秘裂に指を伸ばす。 「「はぁ・・・はぁ・・・ふぁ・・・あぁ・・・」」 指先で粘膜を擦っていると、その刺激で胎内から蜜が溢れてくる。 粘着質の音が聞こえるようになると、二人はほぼ同じに人差し指を秘孔に挿入し、互いの熱く濡れた胎内を浅く犯す。 感じる方法を知り尽くした同性の指は、男根より遥かに細くてもそれに劣らない繊 細な快楽を与えてくれる。 「あっく・・・!」 あずさが指先を曲げてGスポットを責めると、美奈は堪らず乳首から口を離して喘ぎ声を飲み込む。 「ここ、気持ちいい? ミーナ・・・」 「あぅっ・・・うん。気持ちいい」 素直に肯きながら、美奈も姉の同じ個所を刺激し、更に親指でクリトリスを転がす。 「ふぅっ・・・んっ!」 背筋を登る快楽に身体を跳ねさせるあずさも、お返しとばかりに美奈のクリトリスを擦り、姉妹は競い合うように互いの快楽を引き出していく。 同じ屋根の下に義父母達が寝ているので、快感に任せて派手な喘ぎ声を出す訳にはいかないが、それがかえって興奮を増加させる。 あずさが快楽に震える手付きで美奈のパジャマを肌蹴させ、小さな美乳を露わにすると、姉妹は左手で自分の乳房を握って尖った乳首同士を擦り合わせ、弾けさせ合う。 「ふぁっ・・・おねえちゃぁん・・・あふっ!」 「くぅっ・・みーなぁ・・・はぁっ!」 姉妹は額を突き合わせて互いを呼び、欲情した吐息を絡ませる。 愛撫の手が快楽で鈍ってくると、姉妹は身体を蠢かせて相手の指と乳首で自分の敏感な個所を刺激し、自慰のように快楽を貪っていく。 「あっくっ・・・! おねぇちゃ・・・あんっ! 美奈・・・もう・・・!」 姉の肢体に身体を擦り付けながら、美奈は限界が近いことを訴える。 「待って、私も・・・もう少しだからっ・・・あふっ!」 妹と同時に昇り詰めようと、あずさは更に激しく腰を振り、美奈の指で自分を追い詰めていく。 「うん・・・うん! 美奈と一緒に・・・イって! お姉ちゃん!」 美奈の方は快楽を貪る腰を何とか抑えて、姉も昇り詰めるのを待つ・・・が、限界近くまで来た肢体は、意志とは無関係に快楽を求め続ける。 「うあぅっ・・・ま、まだぁ? お姉ちゃん。美奈、もう駄目・・・我慢できないっ!」 あっさりと我慢の限界に達し、抑えた腰の動きでも絶頂を迎えそうになる美奈。 「もう少し・・・もう少しだから・・・あぁっ、イク!」 ひたすら昇り詰めようと腰を蠢かせていたあずさも、妹の狂態につられてか、いきなり限界を迎えた。 「あはぁっ! おねえちゃっ・・・うくぅっっ!!」 「みーなっ・・・みーなぁっ! ふうぅっっ!!」 許可を得た美奈はすぐに絶頂に達し、一瞬遅れてあずさも達する。 「んっ! んんんんんんっっっ!!」 「あっく・・・うぅぅぅっっ!!」 快楽の絶叫を上げそうになった姉妹は、互いの肩に口を押し付けて嬌声を押し殺し、肢体を震わせた。 「「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」」 全身に走る衝撃が収まった後も、姉妹は乱れた息と火照った身体を重ねていた。 性行為の後の気だるい余韻の中、情欲の火は消えたが、二人は何処か満たされないものを感じる。 姉妹で愛し合うのもそれなりに快楽を得られるが、女同士で肉体を繋げるには限界があるだけでなく、耕治も加え三人で愛し合った時の事を思い出すと、二人きりでの行為は何処か浅い快楽に思えるのだ。 姉妹同時に耕治に抱かれる時の、気の狂いそうになる程の快楽と深い充足感を覚えた肢体は、二人だけでは完全な満足感は得られないのかもしれない。 本当の性交を覚えた者は、自慰では満足出来なくなるように。 それでも愛する者と抱き合う充足は自慰とは比べ物にならなず、美奈とあずさは精神的に満たされたが、性的には完全に燃え尽きず、身体の芯に肉欲の火種が残っているのを感じているのだ。 「明日・・・楽しみだね」 姉の手を握りながら、美奈はぽつりと言う。 「うん・・・」 あずさも妹の手を握り返して、一言だけ肯く。 そう、明日・・・というより今日の昼は、二人の愛する少年と初詣に行く約束をしているのだ。 神社で待ち合わせをして、三人で一年の願い事をして、御神籤を引いて、その後は・・・ 別に確約した訳でない、しかし全員がそれを期待しているであろう明日の予定を思うと、二人は遠足を控えた小学生のように興奮して、眠れなくなってくる。 興奮を収めるために、二人はまた身体を重ねた。 国全体が活動を休止する元旦とはいえ、例外的に盛況な場所はいくつかある。 たとえばここ、市街地の一角にある小さな神社も、すし詰めになるほどは込み合っていないが、境内は初詣客で賑わいを見せていた。 この日以外で一般人があえて神社に立ち寄るのは祭の時くらいなので、閑散としている普段との落差が激しい。 神社の入り口で美奈達と待ち合わせをしている耕治も、ここに来るのは夏祭の日以来だ。 「(そういえばあの時も、三人で来たんだよな)」 鳥居に寄り掛かって人波を眺めながら、ふと耕治は美奈とあずさとで祭に来た時の事を思い出す。 職場のメンバーで海に行った日の夜の、三人だけの夏の思い出。 あの頃の二人に対する想いは、まだ漠然とした好意でしかなく、その後美奈と付き合うことになる事は勿論、今の三人の関係など想像も出来なかった。 「(っていうより、つい半年前は美奈とあずさの事、顔も知らなかったんだよな)」 夏休みのバイトで二人と知り合ったのだから当然の事が、何となく信じられない。 もう何年も二人と一緒にいるような気がするのは、こんなに深く人と付き合ったのは初めてだからか。 「うー、寒」 夏の記憶を思い出していた為か、寒さが身に凍みてきた。 「(遅いな・・・もう結構待ってるのに)」 今は約束の時間から10分過ぎただけだが、10分前に来た彼は20分も待っていることになる。 デートの時は10分前に来るのが、普段は待ち合わせ時間のかなり前に来る美奈に合わせての耕治の慣習だ。 この程度の待ちぼうけは、愛する者を想っていれば平気だが、真冬の風が吹く中では少し辛い。 自分の腕を抱いて駅の方へ目を向けると、丁度こちらの方へ駆けてくる二つの人影が見えた。 「お兄ちゃあぁんっ!」 手を振って叫ぶ美奈は駆け足を更に速め、あずさも少し遅れて追走している。 「はあ、はあ・・・ごめんね、待った?」 耕治の目の前で止まった美奈は絶え絶えの息で遅れたことを謝り、喋るのも辛そうなあずさは無言で手を合わせる。 「いや、全然」 実際は少し待ったが、二人の様子から精一杯急いで来たのが良く分かるので、耕治は全く気にせず笑顔で姉妹を出迎えた。 「えへへ・・・ちょっと寝坊しちゃってね」 「ミーナがもう少し早く服撰べば、あの電車に間に合ったのに」 「え〜、お姉ちゃんがシャワー浴びるの遅かったからだよ」 「それは先に入ったミーナが・・・」 「ほらほら、気にしてないからこんな所で言い争ってない」 遅刻した原因をなすり付け合う姉妹を、耕治が肩をぽんぽん叩いて止める。 「えへへ・・・」 「うん」 本気で言い合っていた訳でない二人は、耕治の制止であっさりと口喧嘩を止め、肩に置かれた手を握って左右から耕治を挟む。 その瞬間、周囲の男だけのグループから美少女二人を連れている耕治に注がれていた羨望の視線に、明確な殺気が混じった。 「「あっ・・・」」 その気配に気付いた耕治とあずさは手を離し、あずさが位置を変えて美奈の手を握る。 男一人と女二人の変則的な組み合わせに奇異の視線は消えないが、とりあえず過剰な敵意は消えた。 「? えへへへ」 周囲の微妙な変化など気にしていない美奈は、両手を大好きな二人に握られて嬉しそうに微笑む。 無邪気な美奈を苦笑混じりで見る耕治とあずさは、これから三人で出掛ける時はこの並び方で歩こうと決めた。 奇抜なファッションや傍若無人な若者が横行する昨今では、三人並んで手を繋ぐ男女などそう目立つ物ではない。 ましてや実年齢より幼く見える美奈が真ん中に位置していれば、少し奇妙に仲の良い兄妹に見えなくもなく、人込みに入った三人はほとんど周囲の注意を引かなくなった。 賽銭箱に小銭を放り込んで鈴を鳴らし、手を合わせて願い事をする。 毎年恒例の行事だが、特に神の御加護を期待している訳ではないし、それ以前にこの神社はどんな神を祭っているかすら、三人は知らない。 それでも初詣をしないと新年を迎えた気にならないのは、日本人の習性と言うべきか。 「何を願い事した?」 「え? えへへ・・・」 「内緒」 耕治の問いに、美奈とあずさは照れ笑いを浮かべて誤魔化す。 「何だよ、言えないような事か?」 「えへへへ・・・そう言うお兄ちゃんはなんてお願い事したの?」 「そうそう、人に聞く前に自分の事言いなさいよ」 「俺のは・・・やっぱり内緒だ」 「あ〜、ずるい」 「そう言われると聞きたくなるわね。白状しろ〜っ」 「へっへっへ、やだね」 腕を引っ張る美奈を引きずり、フェイスロックを掛けるあずさをぶら下げながら、耕治は歩くペースを変えない。 女性とはいえ人ひとり分の体重で、細い腕が眼窩に食い込むのは少し痛いが。 そんなやり取りをしながら、三人は何となく全員の願い事は同じだろうと予想していた。 お参りに来たなら、次は御神籤を引くのが基本だ。 女子高生くらいのアルバイトらしき巫女さんから、100円玉と引き換えに御神籤を貰う。 「ああ〜、大吉♪」 「私も大吉」 「そうなの? えへへ、お姉ちゃんと一緒だね」 「そうね、うふふ」 紙切れの内容に飛び跳ねて喜ぶ姉妹を微笑ましく見ながら、耕治も自分の御神籤を見る。 小さく畳まれた紙を開くと、一番上に太く『凶』と書かれていた。 「お約束か・・・」 小声で呟きながら、耕治は御神籤を握り潰した。 「そんなに落ち込まないで、お兄ちゃん」 「御神籤なんて迷信でしょう。気にしない気にしない」 「しかしな・・・はあ・・・」 鳥居をくぐった辺りで、美奈とあずさに慰められる耕治は溜め息を吐き、振り返って神社を恨めしそうに見る。 「今年は金運最悪か・・・ギャンブルには手を出さないでおこう」 「そうした方が良いね」 「未成年は賭け事駄目だってば。そんなに嫌な御神籤なら、何で木に結ばなかったの?」 不吉な御神籤は神社の木の枝に結び付けて厄払いをする、という迷信がある。 その逆で、当たって欲しい御神籤を結ぶという説もあるが。 「まあ・・・そう悪くもないからな」 「悪くないって、凶が?」 「凶なんて普通滅多に出ないわよ」 耕治の奇妙な発言に、美奈とあずさは揃って突っ込む。 「珍しいからこそ、御利益があるかもしれないじゃないか」 「凶の御利益って?」 「凶はともかく、内容は悪くなかったんだよ」 「どんな事書いてたの?」 「ん? ほれ・・・」 耕治はポケットからくしゃくしゃになった御神籤を出し、あずさへ渡す。 紙を開いたあずさと横から覗き込む美奈の目にまず入るのは、まともな神社の御神籤ではレア物であろう、見事なまでの『凶』の一文字。 「最悪じゃない」 即座にあずさが言い放つ。 御神籤に大凶は入っていないというのが通説なので、おそらく凶が最も悪い籤だろう。 「うん。金運・全て悪い、恋愛・出会い無し、待ち人・遅れる・・・酷いね。さすが凶」 御神籤の内容を読み上げ、美奈は思わず感心する。 「そうでもないさ。少なくとも失せ物は、注意すれば出ない」 「良いのはそれだけじゃない」 「新しい出会いはもう要らないし、待ち人は遅れてもちゃんと来てくれる。最高じゃないか」 そう言いながら耕治は、あずさと美奈の頭の上に手を置く。 「あっ・・・」 「そういう事・・・か」 耕治の真意を察した姉妹は、揃って頬を赤らめる。 自分が気を付けていれば”もう手に入れたもの”を失う事はないし、三人の間をかき乱す者も現れず、約束に待たされても結局相手は来る・・・耕治はこの御神籤をそう解釈したのだ。 「それなら、これからもちょっとデートに遅刻しても、許してくれるのね」 「まあ、ちょっとだけならな」 あずさの軽口に、耕治は苦笑して返す。 「美奈は・・・もう遅れないよ」 美奈はそう言って顔を更に赤くし、耕治の手を握る。 「私だって、わざと遅れるつもりはないわよ」 あずさも対抗するように、反対側の手を握る。 「そうか・・・ありがとう」 耕治は一言だけ呟いて、二人の手を握り返す。 そのまま三人は、無言のまま手を繋ぎ合って寮まで歩く。 先程同様すれ違う人の視線は痛かったが、元旦の人通りは少ない事もあり、心の熱くなった三人は周囲を無視して、容易に自分たちの世界を創る事が出来た。 寮に着いた三人は、耕治の部屋へ入った。 物が少ない分普段から男の部屋にしては片付いているが、今日は大掃除直後だけあって塵一つ落ちていない。 「おせち持ってきたけど、食べる?」 あずさが尋ねながら、持っていた紙袋からタッパーをいくつか出す。 「お、さんきゅ。でも朝飯食べたばかりだから、後でいいよ」 台所で飲み物を用意しながら、耕治は答える。 「うん。とりあえず出しとくね」 「えへへ、美奈とお姉ちゃんも作ったんだよ」 「へえ、ちょっと見せて」 人数分のジュースをコップに入れて持ってきた耕治は、タッパーを開けて中身を覗く。 出汁巻き卵、昆布巻き、黒豆、金団、焼き豚、かまぼこ、金平ゴボウ・・・ おせち料理の定番一通りに混じって、いくつか耕治の知らない料理も混じっているのは、前田家と日野森家の習慣の差か。 「これは何?」 「鳥の笹身の空揚げ。私が揚げたの」 「卵焼きは美奈が作ったんだよ」 「うーん、美味そうだ・・・やっぱりちょっと食べようかな?」 「うん、食べて食べて♪」 数々の料理の色取りに食欲をそそられた耕治は、箸を持って来てつまみ始めた。 可愛い女の子が作ってくれた料理は、男にとって不味い筈がない。 それを差し引いても美奈とあずさの作ったおせちはなかなかの味で、結局耕治は半分以上を平らげた。 「ごちそうさん。ふう、食い過ぎた」 「えへへ・・・美味しかった?」 「ああ、凄く美味かったよ」 「うふふ、良かった」 「美奈もお姉ちゃんも、お兄ちゃんに食べて貰いたくて、お義母さんに教わりながら一生懸命作ったからね」 「そうか。大変じゃなかった?」 手の込んだ料理の数々からは、作った者の手間が見て取れる。 「ううん、全然平気だよ」 「貴方に・・・喜んで貰いたかったから」 「うん・・・美奈も」 胸の内を告白したあずさと美奈は、照れて顔を真っ赤にする。 「そうか・・・ありがとう」 腹だけでなく胸も一杯になった耕治の何とか発した言葉は、先刻と同じ物だった。 そのまま三人は暫く見詰め合った後、惹かれ合うように一個所に集まり、そっと抱き合うと三人同時に唇を重ねる。 愛する者の味に少しだけ醤油の風味が混じっていたが、すぐに気にならなくなった。 Piaキャロット2号店社員寮の壁は薄く、大きな声や物音を立てると両隣りに聞こえてしまうので、隣室に住人が居ると性行為は出来ない。 耕治の部屋の両隣りは涼子とあずさの部屋だが、あずさの部屋は1階の一番奥に当たるので、耕治とあずさが”浮気”をしていた時はその部屋で隣りを気にする必要はなかったし、三人で付き合っている今も密会場所に不自由はない。 しかし元旦の今日は涼子と葵は実家に帰っており、今寮にいるのは彼らだけなので、耕治の部屋でも心置きなく愛し合う事が出来る。 カーテンを引いた薄暗い部屋で、三人は服を脱いで下着姿になると、再び固まるように抱き合う。 耕治は柔らかい少女の肢体を、美奈とあずさはそれと頑丈な男の身体を両手に抱き、愛する者の温かさに包まれながら、身体を擦り合わせて性的興奮を高めていく。 「「「はぷ・・・ん・・・」」」 口の外で無理矢理三枚の舌を絡ませる淫靡な口付けをしながら、美奈とあずさの手が耕治の股間を弄ると、既にトランクスを盛り上げていた怒張が硬度を増す。 耕治の分身が完全に勃起したのを感じると、姉妹は言葉を交わさなくても同時にしゃがみ込み、共同で耕治のトランクスを下ろす。 「「はあ・・・ちゅっ」」 天を向いた男根が弾け出ると、姉妹は同時に吐息を吐き、同時に亀頭にキスをした。 少女達の息の合った愛撫を受け、耕治は悦びながらも少し戸惑う。 「何か・・・今日は随分積極的だな」 「えっ?」 「そ、そうかな」 大意のない耕治の言葉に、美奈とあずさは妙に焦った表情をする。 昨夜耕治抜きで何度も愛し合い、更にそれが原因で寝坊して待ち合わせに遅刻した事に負い目を感じていた二人は、その分今日は耕治にたっぷりとサービスしようと考えていたのだ。 「さっきも言ったでしょう。貴方に悦んで貰いたいって。はぷっ」 真実を誤魔化すために、あずさはいきなり亀頭を口に含み、舌と唇で愛撫を加える。 「あんっ・・・れろっ」 姉に先を越された美奈も、竿に舌を伸ばす。 「くっ・・・」 二人の淫靡な舌使いに、耕治はあっさり沈黙させられた。 亀頭をしゃぶり回したあずさは、口を窄めながら奥まで飲み込み、吸い込みながら引き出す動作を繰り返す。 美奈も上下する姉の唇に合わせて竿に舌を這わせていたが、自分も耕治を口に入れたくなり、姉の唇を舐めて代わるようにねだる。 だが初フェラチオ以来口でするのが気に入ったあずさは、なかなか男根を美奈に渡そうとしない。 「あぁんっ、お姉ちゃんばっかり・・・」 「んぱっ・・・ふふっ・・・んっ」 美奈が不満の声を上げると、あずさは男根を吐き出すと苦笑し、妹に詫びのキスをする。 「んちゅ。んくっ」 ごく短いが深い口付けを姉妹で交わすと、美奈は姉の唾液で濡れた耕治の男根を飲み込んですぐに激しい口撃を始め、あずさも付け根や袋を舐め回す。 「ふうっ・・・美奈、あずさ・・・」 快楽に喘ぐ耕治が手を伸ばして二人の背中のホックを外すと、姉妹は自分の胸を覆うブラジャーを脱ぎ去った。 口で男根を責める度に、美奈の小さく可愛い乳房とあずさの豊かで美しい乳房が揺れ、四つの桜色の乳首が興奮で少し起っている。 美少女姉妹の熱の入った奉仕に何とか耐えていた耕治には、その扇情的な光景は追い討ちとなりそうだ。 「くうっ・・・もう良いよ、二人とも」 爆発しそうな欲望を抑え、耕治は二人の頭を押して男根から口を離す。 「あぷっ・・・我慢しなくて良いよ、お兄ちゃん」 「ええ、気持ちよくなって良いのよ」 だが美奈とあずさはすぐに可愛い舌を亀頭に伸ばし、ちろちろ舐める。 「いや、俺ばかり気持ちよくして貰っても悪いし・・・」 「ぷふっ・・・そんなことないよ。お兄ちゃんが気持ちいいの、美奈も好きだから」 「うん・・・貴方に悦んで貰えると、私も嬉しい・・・」 耕治の制止でも、二人は奉仕を止めようとしない。 男が一方的に快楽に流されるのは情けないと思った耕治だが、健気な二人の態度にこのまま一度イく決心をするが、至上の快楽を少しでも長く味わおうとぎりぎりまで我慢する。 歯を食いしばって耐える耕治の表情を、まだ強情に自分達の愛撫でイくつもりはないと見たあずさは、自分の乳房を持ち男根を挟む。 「こういうのも・・・あるのよね?」 大胆な行為をする自分に少し驚きながらも、あずさは耕治を見上げて照れ隠しに微笑み、全身を使って胸を振る。 自分達の乳房を見た時の耕治の反応に気付いていたあずさは、これなら彼もひとたまりもないだろうと思っていた。 「うはっ・・・あずさ・・・!」 そしてその通り、耕治は初体験の快楽に喘ぐ。 両側から押された乳房が男根を圧迫し、唾液と先走りを潤滑油に柔肌を滑る。 あずさの若々しい乳房はパイ擦りには張りがあり過ぎ、本当はもう少し柔らかい方が良いのだが、それでも美しい乳房が細い指と太い男根で変形する光景と、温かく滑らかな肌で擦られる感触、なにより懸命に自分を気持ちよくさせようとするあずさの表情が、耕治の性感を高めていく。 それと同様に、あずさも耕治の熱く硬いモノを胸に感じ、刺激だけでなく精神から性感が湧き起こっていた。 その感覚は、美奈と乳房を重ねた時に近いかもしれない。 耕治の腹で乳首が擦れて尖ると、更に速く乳房を振って男根と乳首を擦る。 「はあぁ・・・気持ちいい・・・気持ちいい? 私のおっぱい、気持ちいい?」 性の熱が全身に移り、頭が少し朦朧となったあずさは、うわ言のように呟く。 その気持ちいい”の意味には、耕治への質問だけでなく自分の状態も含まれていた。 「ああ、気持ちいいよ、あずさのおっぱい・・・くっ」 追い込まれていてもそれに気付いた耕治は、少しでも長くあずさにその快楽を味わって貰おうと、精神力を総動員して射精感を堪えている。 「あふっ・・・嬉しい、耕治・・・んっ」 あずさは上目使いで微笑むと、亀頭の先にキスをして、更に強く自分の乳房をこね回し、耕治と自身に快楽を与える。 「わぁ・・・」 パイ擦りに夢中になる二人を、美奈は目を丸くして食い入るように見詰めていた。 姉の乳房と耕治の男根、美奈にとって最も性の対象となる二つが淫靡に擦れ合い、視覚から興奮させていく。 小さく未熟な美奈の乳房では、どう頑張ってもこの行為は出来ないというのも、彼女の羨望の視線を引き付けさせる。 美奈が二人の間に入ろうとすると、耕治とあずさは密着していた身体を離して美奈の頭を受け入れ、乳房の谷間から覗く亀頭を差し出す。 「こくっ・・・れろっ」 興奮に生唾を飲むと、美奈は舌を亀頭の先を這わせ、あずさは妹を邪魔しないように胸をこね回して竿を圧迫する。 「くっ・・・美奈、あずさ・・・」 堪らず限界に達し、耕治は呻きながら二人の頭に手を置く。 「んふっ・・・くちゅ、るぷっ」 「はぁ・・・耕治・・・」 耕治の限界を悟ると、美奈は舌先で尿道口を抉り、あずさも乳房を揺らして止めを刺そうとする。 「うぅっ・・・射すよ・・・うあっ!!」 一言断ると同時に、耕治は溜め込んでいた精を思い切り吐き出した。 「んふぅっ・・・! んぷっ、こくっ」 精液が口の中に飛び出すと、美奈は少しでも口に収めようとするが、断続的に噴射するそれの大半は漏れ出して美奈の口元とあずさの胸を汚す。 「あ・・・ああ・・・」 射精に震える男根と熱い精液を乳房で感じ、あずさも強い性の高揚を感じた。 口の中に残った濃厚な精液を何とか飲み干すと、美奈は舌を伸ばして姉の胸に漏れた精液を舐め取り、あずさは全く萎えない男根をしゃぶって、耕治の欲望を綺麗に飲み込んでいく。 「美奈・・・あずさ・・・」 自分の精液を美味しそうにすする姉妹を見ていると、耕治に奇妙な満足感が沸いてきた。 「ふぅ・・・その辺で良いよ」 自分の分身が完全復活すると、あずさの頭を抑えて愛撫を止める。 「んぷぅ・・・ちゅっ。ちゅぷっ」 それでも暫く舐め続けたあずさは、ようやく男根を吐き出すと別れ際に先端にキスをして、今度は美奈の顔を持ち上げて口元に付く精液を舌で拭っていく。 「あんっ・・・ふぷっ」 姉に口元をぺろぺろ舐められる美奈は、邪魔するように舌を絡める。 「んっ、んぷっ・・・ちゅっ」 美奈の舌から逃げるように顔を舐めていたあずさだが、妹の可愛い顔がほぼ綺麗になると積極的に口付けを交わす。 「「んちゅっ・・・ぷふっ」」 淫靡なキスをする姉妹を抱き寄せた耕治は、ベッドの上にそっと押し倒す。 横たわってからようやく唇を離した姉妹は、揃って期待に染まった瞳を耕治に向ける。 「あっ・・・あのね・・・」 「ん?」 耕治が二人をどうやって抱こうか考えていると、あずさが伏せ目がちに話し掛けてきた。 「わ・・・私も、ミーナにお薬分けて貰ったから、もう大丈夫なの」 「うん」 お薬とは経口避妊薬の事で、数ヶ月分持っている美奈があずさに分けると、先日会った時に話し合った。 本来は医師の処方が必要だが、年末なので病院が開いていなかったし、若く健康で煙草も吸わないあずさなら問題無いだろう。 「それでね、今日は・・・ミーナと同じ事して欲しいの」 「ああ、そのつもりだよ」 何度か交わった耕治とあずさだが、中出しはまだ一度もしていない。 「いや、そうじゃなくて・・・ミーナから聞いたんだけど、その・・・手枷とか・・・」 自分のしている余りに淫靡なおねだりに、あずさは口ごもる。 あずさが言おうとしているのは、耕治と美奈がしていた過激なプレイを自分にもして欲しいというのだ。 性行為には大分慣れたとはいえ、それでも少女がSMプレイを自分から言い出すのはかなり勇気が要る。 恥ずかしそうなあずさの可愛さに目が眩みながら、耕治はちらりと美奈を見ると、昨夜の内に了解していた美奈はにっこりと微笑む。 「分かった。美奈と同じにしてあげるよ」 期待に胸と身体の一部を脹らませて耕治は肯くと、道具を用意し始めた。 身体を覆う最後の一枚を脱がせ、手枷で後ろ手に拘束して、ベッドの上に転がす。 全裸以上に無防備な状態にされると、あずさは奇妙な感覚が湧いてくるのを感じた。 生まれて初めて感じるそれが、たぶん被虐の興奮と呼ばれる物なのだろう。 不安と期待に濡れた瞳で見上げるあずさに、耕治は黒く細長い布切れを持って来ると、不自由な彼女を抱き起こし、目の上にそれを巻く。 「あっ・・・こんなのも・・・」 自分から望んだあずさも、目隠しをされるとは思っていなかった。 昨夜寝る前に美奈から色々聞いたのだが、姉に自分のアブノーマルな行為を話すのに照れた美奈は、大雑把にしか教えていなかったのだ。 「嫌なら、これは取ろうか?」 「ううん、嫌じゃない・・・」 戸惑いを察した耕治が聞くが、あずさは頭を振って続行を希望した。 未知の行為への好奇心だけでなく、逞しい耕治の腕に優しく抱かれていると、どんな事をされても平気だと思えてくるから。 しかしこれからされる行為は、あずさの想像を超えていた。 「それじゃ、始めるよ」 一声かけると、耕治の手があずさの肢体を弄り始める。 最初は乳房や胸周りを優しく、次に乳首や脇腹、背中や太腿など、全身を縦横に指先が這う。 「うんっ・・・ふぅっ」 軽い愛撫だけで、あずさは全身にぴりぴりと快感が走る。 目隠しをされていると、次にどこを愛撫されるか分からず、身体が無防備に刺激を受け入れてしまうのだ。 「(これって・・・ちょっと良いかも)」 そう思いかけた瞬間、新たな手があずさの肌を撫でた。 「ひゃうっ! み、ミーナ?」 この場にいるのは三人だけなので、その手の正体は問うまでもない。 細い指先が肌に触れるか触れないかの繊細さで愛撫していき、それより太い指も対抗するように様々な愛撫を繰り出す。 「はあ、あうっ! くふぅっ!」 四つの掌と二十本の指で全身を気まぐれに弄ばれ、なす術のないあずさはただ悶えるしかない。 「「かぷっ・・・ちゅうぅぅっ」」 荒くなった呼吸に合わせて艶めかしく弾む乳房を、耕治と美奈は同時に口に含み、尖った乳首に吸い付く。 「あはあっっ・・・!!」 その瞬間、あずさは自分でも驚くほどあっさりと軽い頂点に達した。 跳ねる肢体でそれに気付いても、耕治とあずさは両方の乳首を吸い続け、両手であずさに快感を送る。 「やっ・・・はぁっ! ちょっと待っ・・・ああぁっ!!」 イったばかりの敏感な身体を愛撫され、強すぎる快楽にあずさが喘ぐが、耕治と美奈は構わず拘束された少女を責め続ける。 乳首を十分堪能した二人は、舌先で円を描くように乳房を舐めた後、全身を舐め回す。 「ね? これって凄いでしょう」 鎖骨と首筋を経由して上がってきた美奈の口が、あずさの耳元で囁く。 「うんっ、凄い・・・凄いのは分かったから、もう・・・あくっ!!」 手枷と目隠しの効果を十分知ったあずさは、もう止めるよう頼もうとするが、美奈に舌を耳の中に入れられて言葉を繋げられなくなった。 その間耕治はあずさの腹とへそ周りを舐め回した後、局部を避けて脚に舌を這わせ、太腿やすねだけでなく足の裏まで舐める。 「やっ・・・そんなとこ・・・あふぅっ・・・!」 想像もしていなかった個所を舐められ、あずさは拒絶を示すが、足の指の間を舐められると全身の力が抜けて抵抗できなくなる。 そして耕治の舌は、脚を昇って股間の中心へ。 この時になってあずさは、今日はまだ秘所を愛撫されていない事に気付く。 「(他の所でもこんなに感じてるのに、アソコを責められたら・・・)」 過敏なほどに快楽を感じているあずさは、最も敏感な個所への愛撫に恐怖すら覚えるが、力の抜けた脚は耕治に軽く押されただけで大きく広がる。 熱く潤んだあずさの秘裂を確認した耕治は、太腿の内側に滴れた愛液を舐め取りながら、ゆっくり焦らすようにそこへ舌を伸ばす。 しかし身構えるあずさの予想を裏切って、耕治の舌はその少し後ろ、尻の小孔に一瞬触れた。 「ひゃあっ!?」 悲鳴を上げるあずさに構わず、耕治は両手で尻の肉を広げ、菊座を確認する。 「ううぅっ・・・」 身体中で最も恥ずかしい個所に視線を感じ、あずさは羞恥に唸る。 愛液と唾液で濡れ光るそれは、少女らしく色も形も大きさも控え目で、排泄器官とは思えないほど可憐で美しい。 匂いも味もよく知っている”あずさの味”以外しないのは、朝に浴びたらしいシャワーの時によく洗ったからだろうか。 ここを指で愛撫した事はあるので、潔癖な部分のあるあずさなら、性行為をすると分かっていれば念入りに清めるだろう。 そう予想した耕治は、再び菊座に舌を伸ばし、今度は躊躇せず何度も舐め続ける。 「やだぁ・・・そこ、汚い・・・ふはっ!」 口では拒絶を現わすあずさだが、耕治の予想通り念入りに洗浄していた為に、初めてされる異常な行為を愛撫として受け入れる余裕があった。 生暖かい舌が本来忌むべき個所を柔らかく刺激し、奇妙な感覚を快楽へ昇華する。 この間も胸や首筋に感じる美奈の愛撫も、背徳の快楽を受け入れさせるのに役立つ。 あずさの菊座が歓喜に蠢くのを感じると、耕治はもっと感じさせたくなり、舌を尖らせて内部へ進入した。 直腸内は少し異様な味がしたが、愛する少女のものと思えば過剰な嫌悪感も沸かず、耕治は更に深く舌を挿入する。 「うはあぁぁっっ!! ダメ・・・ダメぇ!!」 さすがにあずさは身を捩って抵抗するが、自分の何処かが体内を舐められて悦んでいるのも認識していた。 食い千切られそうな締め付けを舌で感じながら、耕治は菊座へのディープキスを続け、鼻先で秘裂も擦る。 「お姉ちゃん、お尻舐められて気持ちいい?」 両手で乳房を愛撫しながら、美奈が耳元で聞く。 「ふあっ! はあぁぁっ!!」 快感と動揺で言葉も出ないあずさは、ただ頭を振って甲高い嬌声を上げるが、それは十分に質問の答えとなっていた。 「そう・・・ならもっと良くしてあげるね」 囁いた美奈は姉の身体に跨り、濡れた下腹部に顔を埋めると、舌で秘裂の中を探る。 「かふっ!・・・ひはぁぁっっ!!」 菊座と秘裂を同時に舐められて、あずさは強過ぎる快楽に身体を仰け反らす。 「ちゅぷっ・・・ちゅううぅぅっっ」 「ひあっ!! あああぁぁぁぁぁっっっ!!!」 美奈が淫核を吸うと同時に、あずさは今日二度目の絶頂に達し、潮を吹いて耕治と美奈の顔に蜜液を飛ばす。 愛液を顔に浴びながら、耕治と美奈は絶頂に身体を捩るあずさの股間を舐め続ける。 「はひっ!! もう、止め・・・あうぅぅっっ!!」 過剰な快楽にあずさが苦しそうに喘ぐと、耕治は菊座から舌を抜くが、美奈は構わず秘裂を舐め続ける。 「あふっ! みーな・・・もうっ・・・」 「んっ・・・んちゅっ」 休みない快楽であずさは息も絶え絶えだが、美奈は構わず姉を責める。 「すはあぁっ・・・」 美奈が舌を休めた隙に深呼吸したあずさは、性の臭気で顔のすぐ前に美奈の股間があるのに今更気付いた。 匂いを頼りに視界を封じられたまま妹の秘部に顔を近づけると、ちょうど口元が濡れた布に触れ、その淫靡な味と匂いに誘われて、あずさは濡れた股間へ舌を伸ばす。 「あうっ!?」 一方的に姉を責めていた美奈は、ショーツ越しに秘裂に口付けされて、予想外の刺激に口を離す。 責め苦に近い快感から逃れる方法を知ったあずさは、縋り付くように美奈の秘裂を舐める。 「あんっ! お姉ちゃぁん・・・」 甘い声で鳴きながら美奈はショーツを下げ、姉の口元へ股間を持っていく。 「んふっ・・・みーなぁ・・・ちゅろっ」 妹の熱い秘裂を直接唇に感じたあずさは、舌を淫靡に蠢かせて刺激する。 「くはっ! んぷぅっ」 興奮していた個所に愛撫を受けながら、美奈も競うように姉の秘部を舐める。 「(あぁ、これ、いい・・・すごくエッチで、気持ちいい)」 シックスナインと呼ばれる体位を初めて体験し、あずさはその淫靡さに酔う。 興奮しながらも二人の様子を見届けていた耕治は、美少女姉妹の慰め合う姿で我慢の限界に達し、美奈の舌を押し退けてあずさの秘裂に亀頭を押し付けた。 「あっ?」 舌と入れ替わりに怒張を感じて、あずさは快楽の予感に少し脅えるが、どうしようもない程熱くなった身体は刺激を求める。 息を呑む美奈の鼻先で、耕治ははちきれんばかりの怒張を、期待と不安に震えるあずさの胎内へ沈めていく。 「あっ、ああっ! 入って・・・はぁっ!!」 ゆっくり進入してくる男根を、あずさは歓喜の嬌声で受け入れる。 濡れそぼった膣を奥まで止まらずに貫いた男根は、すぐに大きく前後してあずさを責め立てていく。 「ひっ! 形が・・・分かるっ・・・ああっ!!」 胎内の耕治の分身を、あずさは普段以上にはっきり認識していた。 腹に力を入れて膣を絞めると、膣壁と男根が更に圧着して、表面に浮いた血管などの凹凸まで感じられる。 目隠しで感覚を制限された分、触覚が鋭敏になっているのだ。 身体中が膣になったような錯覚すら覚え、あずさは夢中で膣を絞め、耕治の形を確かめる。 「凄い・・・」 目の前数cmで結合する姉と恋人の性器に、美奈は目を奪われていた。 赤く充血した花弁に耕治の野太い男根が出入りし、その度に粘着質の音が立ち、愛液の飛沫が美奈の顔まで飛ぶ。 興奮で堪らなくなった美奈は、捲れ上がった花弁や男根の根元に舌を伸ばす。 「ひきっっ! だ・・・あああぁぁっっっ!!」 限界寸前だったあずさは、耕治の男根と美奈の舌ですぐに達した。 「くうっ・・・!」 普段以上に締まるあずさの膣内を行き来していた耕治は、動きを止めて絶頂の脈動に耐えるが、気を抜けば膣の動きだけで達しそうだ。 あずさも十分以上に悦んでいるので、もう射精しても良いかもしれないが、挿入してから時間は余り経っていないので、自分は早漏でないという見栄が耕治に性交を続行させる。 「お兄ちゃん・・・んっ」 二人の動きが止まると、美奈は顔を上げて耕治とキスをする。 あずさの味の混じった美奈の唇を味わい、小さな乳房を掌で確かめながら、耕治は腰の律動を再開した。 「くはぁっ!! はぷぅっ・・・」 イったばかりの膣を突かれて喘ぐあずさの口に、美奈の秘裂が押し付けられる。 気が狂いそうなほど感じているあずさは、顔に押し付けられた妹の秘裂にしゃぶり付く事で正気を保とうとするが、愛液の淫靡な味は更に精神を犯すだけだ。 「あんっ! お兄ちゃん・・・お姉ちゃぁん」 耕治の口が乳首に移ると、美奈は耕治の頭を強く抱き締め、秘裂を姉の口元に擦り付ける。 「んっく! んぷはぁぁっっ!!」 妹の尻と秘部で鼻と口を塞がれる息苦しさすら快楽に感じたあずさは、もう何度目か分からない絶頂に達した。 「あっ・・・」 その嬌声を苦しさの喘ぎと思った美奈は、正気に戻って姉の顔から尻を離す。 「美奈、お尻をこっちに向けて」 耕治は膣の動きで事実に気付いているが、このままでは美奈があずさに遠慮して快楽に没頭できないと見た。 「うん。 ああ・・・」 素直に指示に従った美奈は、耕治の顔まで尻を突き出してから羞恥に震えるが、目の前で呆然としているあずさの表情に気付く。 実際は快楽で意識が飛びかけているのだが、自分の愛液で汚れた姉の惚けた美貌は、美奈には痛々しく映る。 「ごめんね、お姉ちゃん・・・」 美奈は謝りながら舌で姉の顔を拭いていくが、快楽で朦朧となったあずさは、ただ顔に感じる温もりに吸い付く。 「あぷっ? んんっ・・・」 唇を奪われた美奈は、そのまま姉と深く舌を絡ませる。 姉とディープキスする美奈の尻が目の前で扇情的に揺れると、耕治はその中心の濡れた部分に舌を伸ばし、休んでいた腰の律動をゆっくりと再開した。 「「んんんっ!!」」 唇を合わせながら、美奈とあずさは快楽に呻く。 「(あぁ・・・お兄ちゃん・・・お姉ちゃん・・・)」 口と秘部に愛する二人の舌を感じ、美奈は心の中で歓喜に叫ぶ。 恋人の目の前に尻を突き出した体勢の恥ずかしさも、余計に性感を高めていく。 「んふぅっ!! ぷあぁっ!!」 性の高揚に耐えられなくなった美奈は、姉の口を貪りながら尻をくねらせる。 「(美奈・・・あずさ・・・)」 美奈の秘裂を舐め、あずさの胎内をゆっくり行き来しながら、耕治も姉妹を同時に味わう悦びに酔っていた。 更に貪欲に姉妹を求める耕治は、亀頭であずさの最奥を責め、美奈の胸に手を伸ばして身体を引き寄せ、可愛い尻に顔を埋める。 「ふあぁぁっっ!」 「あんんっ・・・!」 あずさの嬌声と美奈の快楽と羞恥の鳴き声を聞きながら、右手はそのまま美奈の小さな乳房を、左手はあずさの豊かな乳房を揉む。 愛する少女達の肢体を全身で感じながら、耕治は堪えていた精を吐き出す為にあずさの胎内で動き続ける。 「(好き・・・大好き・・・二人とも!)」 拘束された身体を二人の温もりで包まれた感じるあずさは、心の中で只それだけを繰り返していた。 封じられた視界の中、唇を妹の舌に、秘部を愛する男の分身に貪られているだけで、全身を愛で埋められたように感じる。 更に大きな手が乳房を弄ると、それにつられて小さな手も乳房を愛撫してくれた。 「(私・・・愛してる・・・愛されてる・・・二人とも、愛してるぅっ!!)」 快楽で混濁した意識を愛する妹と少年の想いが埋めるが、何故か二人の名前は思い浮かばず、声や息遣い、顔や手付きなど、二人の全身のイメージが心を満たす。 「んぷぅぅっ!! んっ、んっ・・・んんんっ!」 性と愛に溺れながら、あずさは何度も数え切れない程快楽の頂点を繰り返し、絶え間ない強烈な快楽に翻弄されていた。 その度にあずさの膣が蠢き、優しく強く耕治を包み込む。 「(あずさ・・・美奈っ!!)」 快楽の限界に達した耕治は、舌を美奈の秘裂深くに伸ばし、鼻先で菊座も擦る。 「あひっ! ふああぁぁっっ!!」 美奈の絶頂の締め付けを舌で感じながら、腰の動きは緩やかなまま一度だけ強くあずさを突くと、濃い精液を子宮口に浴びせる。 「(あぁっ! 熱い・・・熱いぃっっ!!)」 生まれて初めて熱い飛沫を胎内に感じた瞬間、あずさもまた高い頂点に達した。 全身を快楽に硬直させても、肉の杭は断続的に精を噴出しながら、優しく容赦なくあずさを責め立てる。 「(あっ、あぁっ! まだ出てる・・・いっぱい出てるっ! 嬉しいっ!!)」 膣内に溢れる精液の量で、耕治がどれほど自分の肢体で感じたか察し、あずさは至高の歓喜に震え、僅かに失禁すらする。 悦び、愛情、幸福、安堵、充足・・・ 熱い感情で胸を焦がしながら、あずさは生涯最高の快楽に溺れ、意識を深く沈めた。 行為の終わった若者達は、熱く火照った身体を重ねて快楽の余韻を味わっていたが、一番下のあずさが全く動かないのに気付く。 「あずさ?」 「お姉ちゃん?」 耕治と美奈が声をかけても、ぴくりとも反応しない。 過剰な快楽で気絶したと悟った二人は、身体の上から退いて目隠しと手枷を外してやる。 汗と涎で濡れていても、あずさの寝顔は安らかだ。 「これって、大丈夫なのかな?」 それでも人間が意識を失うのに安全上の疑問を感じた耕治は、体験者に聞く。 「大丈夫だよ。たぶん」 「”たぶん”か・・・」 姉の身体に付いた欲望の跡をティッシュで拭きながらの、美奈の大雑把な答えは、かえって耕治の不安を煽る。 「大丈夫だって。いつも起きた後は全然平気だし、それに・・・あの瞬間って、すっごく気持ちいいし・・・」 何度か体験した昇天の記憶を思い出し、美奈は顔を赤くする。 「そっか。こんなに濡れてるものな」 体液で派手に濡れたあずさの下腹部を見て耕治は納得し、美奈と一緒にティッシュで拭く。 数枚では拭ききれない汗と愛液と精液に、あずさの尿も混じっていると二人は気付くが、あえて気にしない事にした。 「よっぽど気持ちよかったんだね、お姉ちゃん・・・羨ましい」 幸福そうに眠る姉の髪を撫でながら、美奈は羨望の混じった表情をする。 「なら美奈も、もう一度しようか?」 若い耕治は美少女二人の裸体を前にして、二度出しても硬度を保ったままだ。 「あっ・・・うん」 まだ天を向いている耕治の分身を見て、美奈は頬を染めて肯く。 「でもやっぱり、するならお姉ちゃんも一緒がいいな・・・」 それでも美奈は、姉が起きてから三人揃ってするのを望む。 今日は耕治を受け入れていない身体は疼いているが、一度イったので我慢できない程でない。 「一人では、俺に抱かれたくない?」 「そっ、そんな事ないよ!」 意図に気付きながらわざと失望したような口調で言う耕治に、美奈は慌てて否定する。 「でも、みんなで愛し合いたいっていうか、三人一緒の方が気持ちいいし、お兄ちゃんを一人占めするのも良いけど、お姉ちゃんにも抱かれたい・・・っていうか、二人とも気持ちよくなって欲しいし・・・んっ?」 想いを一生懸命説明しようとする美奈を、耕治が唇で制する。 「分かったよ。三人一緒にしような」 欲情しながらもあくまで純粋な美奈が可笑しくて、そんな娘に意地悪したのに引け目を感じた耕治は、優しく微笑みながら言う。 「うん・・・」 美奈も天使のような笑顔で肯く。 「だ、そうだけど、あずさはもう一回できる?」 眠っているあずさに、耕治は当然のように振る。 「え?」 「うん」 驚く美奈の見る前で、あずさは目を開け肯く。 「お姉ちゃん、起きてたの?」 「ええ、少し前から。いつから気付いたの? 耕治」 「つい今さ。眠りながら笑う奴はいないだろ」 「だって、ミーナが嬉しい事言ってくれるから」 寝たままのあずさは、いたずらを見つかった子供のような笑顔を見せる。 「そうだな。慌てる美奈は可愛かったからな」 「もうっ、二人とも!」 からかわれて、美奈は頬を膨らます。 「はは、ごめんごめん。たっぷりサービスするから」 笑いながら耕治は、美奈をベッドに押し倒す。 「あんっ、もうっ・・・」 一応怒った顔を作る美奈だが、その顔は嬉しさを隠し切れない。 「あずさも、良いか?」 「うん。でも、頭がおかしくなりそうなくらい感じちゃったから・・・もう少し休んでいい?」 何度も達したあずさは、まだ身体がふらふらしている。 「うん。無理しないで、お姉ちゃん」 「ごめんね、ミーナ」 体力を消耗した姉に美奈が身体を寄せると、あずさも妹の手を握り返す。 「焦る事はないさ。時間はまだいくらでもあるから」 「うん」 「そうね」 寄り添う姉妹の横に寝転がった耕治が腕を回すと、美奈とあずさも身を任せ、姉妹で一人の男に包むように抱かれる。 耕治の言葉とは裏腹に、三人は一瞬でも惜しいように互いの温もりを求めていた。 どんなに強く結びついていても、世間から認められない関係である以上、いつかは別れる・・・別れなくてはならない日が来ると、心の隅で気付いているから。 「(その時までに、俺は二人に何をしてやれる?)」 少女達を抱きながら、耕治は心の中で自分に問う。 大した取り柄のない普通の男である自分が、心も身体も美しい少女と・・・一人ならともかく二人と釣り合うとは思えない。 二人の事は心から愛しているつもりだが、身体を重ねる以上の愛し方を知らない彼は、自分の愛情表現の貧弱さに苛立つ。 「(それでも俺は、俺でしかない・・・”俺以上”になれないなら、全力を出すしかないか)」 彼女達を少しでも喜ばす事が出来るなら、その”全力”が多少倒錯していても構わないだろう。 「(その日が来たなら、私が二人から身を引かなければならない・・・)」 そう考えながら、あずさは二人と腕を絡ませる。 耕治と美奈は、本来は邪魔者でしかない自分を受け入れ、こんなに愛してくれているのだ・・・三人の関係に決着を付けるなら、それが最も妥当な選択だろう。 「(私はいつまで、ここに居て良い?)」 心の中で問いながら、あずさは妹の柔らかい髪を撫でる。 実際にこの問いをすれば、耕治も美奈も迷わず『いつまででも良い』と答えるだろう。 「(だからそれを決めるのは、私じゃないといけない)」 それが二人の、優しさ故の残酷さ。 その決断をしなければならない日は、近日中でなくても、そう遠い未来でもないだろう。 「(それでもこうやって、何もせずに抱き合う時間くらいはあるよね?)」 耕治と美奈の体温を感じながら、あずさは無駄なようで尊いひとときを味わう。 「お兄ちゃん、お姉ちゃん・・・」 耕治の腕に抱かれ、あずさの胸に頬を擦り付けながら、美奈が甘えた声を出す。 「ん?」 「なぁに?」 「あのね・・・さっき神社でしたお願いだけど・・・」 耕治とあずさが聞き返すと、美奈は身をもじもじさせる。 「美奈はね・・・お兄ちゃんとお姉ちゃんと美奈、三人いつまでも一緒にいられますように、ってお願いしたの」 照れた顔で告白する美奈が、二人には天使のように可愛い。 「ああ、俺も同じだよ」 「私も、同じお願いしたわよ」 「うん・・・えへへへ」 耕治とあずさも自分の願いを暴露しながら微笑むと、美奈は更に笑顔を作った。 「(いつまでも・・・は無理でも、美奈がもう少し大人になる日までは良いよね?)」 無邪気に笑いながら、美奈は心の中で呟く。 三人の願いが現実には叶わないと分かっていても、願っている間は続ける事が出来ると思う。 「(だからもう少し、こんな風に甘えていて良い?)」 「えへへ・・・お兄ちゃん、お姉ちゃん」 美奈が擦り寄ると、耕治とあずさも身体の触れ合う面積を増やす。 この温かい時間が、一瞬でも長く続くよう願いながら。
完
|
Piaキャロ2R 第6話「3つの願い」 |
[ Back ]