Piaキャロ2R 第4話「ずっと愛していた」 |
彼女は、もう何も考えたくなかった。 何かを考えると、どうしても自分の醜さを・・・最も愛する者を得るために、最も大切な者を踏み躙ってしまった自分を思い出してしまうから。 何も考えずに済む方法・・・最高の現実逃避の方法を、すぐに見つけることが出来たのは、彼女にとって幸いだったかもしれない。 住む者達の大半が職場に出た、Piaキャロット2号店職員寮の一室。 「はっ! あっ・・・ふあっ、あぁっ・・・はぁっ!」 まだ幼さの残る少女・・・日野森美奈は、恋人の前田耕治の上に跨り、荒い吐息を吐きながら、その小さな身体を精一杯揺さぶっていた。 冬の空は既に真っ暗だが、黄燈色の常夜灯が二人の裸体を浮かび上がらせている。 美奈の未熟な肢体が跳ねる度に、二人の結合している下腹部からヌチャヌチャと粘着質の音が響き、汗と愛液が闇の中で輝きながら飛び散り、耕治の身体とベッドを濡らす。 「あぁんっ・・・お兄ちゃぁん・・・ふぁっ!」 薄く涙の浮いた瞳で耕治を見下ろし、甘い鳴き声を上げ続ける美奈の顔には、幼い顔立ちに似合わない男に媚びる女の表情が浮かび、普段の天使のように明るい表情との強烈な落差が、余計に妖艶さを増す。 下になっている耕治はあまり動かず、両手で滑らかな太股を撫でながら、自分の腹の上で蠢く少女を見上げている。 情欲を求め続ける自分の肢体と貌を見詰める視線に、美奈は顔から火を吹くような恥ずかしさを感じるが、同時に凄まじいまでの興奮を覚えていた。 羞恥を快感に変える事を覚えた美奈にとって、彼の視線は最高の愛撫なのだ。 「見て、お兄ちゃん。美奈を・・・Hな美奈を、んっ・・・もっと見てぇっ・・・あぁんっ!」 思わず自分からおねだりを口にして、限界を超えた羞恥に涙が零れるが、それすらも今の彼女には快楽でしかない。 一気に上り詰めた美奈は、全身を使って丸い尻を縦横に動かし、耕治の肉棒で自分の感じる部分を擦り上げる。 「ふあぁっ! イク・・・あんっ! 美奈・・・イっちゃう! あぁぁぁぁっっ!!」 あっさりと頂点に達し、背筋を仰け反らせてピクピク痙攣した後、力が抜けて前のめりに倒れるが、途中で耕治の両手が胸を押さえて彼女の身体を支え、そのまま小さな乳房を揉みながら腰を振る。 「あふっ! おにいちゃ・・・あんっ! くあっ!」 イったばかりの敏感な膣を突き上げられ、苦痛と紙一重の刺激に悶える美奈。 「い・・・いいっ! もっと、お兄ちゃん・・・もっとぉっ! ふあぁっ!」 だがすぐに快楽しか感じなくなり、嬌声を上げながら尻をくねらせはじめる。 そのまましばらく激しい騎乗位を続けた後、耕治が上体を起こして対面座位に移り美奈を抱きしめると、彼女も彼の胸にすがり付く。 「あぁぁ・・・ふあっ、うんっ・・・んっ」 二人は唇を重ねてディープキスをしながら、密着した部分を少しでも増やそうと強く抱き合い、美奈の乳房と陰部の敏感な突起を耕治の身体で擦り、呼吸を合わせて腰を動かし快楽を貪り合う。 休みない性交で限界に達した耕治はラストスパートをかけ、腕の中の美奈の肢体を撫で回しながら、下から小刻みに激しく突き上げる。 「んっ! んふっ! ふっ・・・んぷっ!」 美奈もそれに答え、耕治と舌を絡ませ合いながら狂ったように腰を振り、再び絶頂に上り詰めていく。 互いを求め合う動きが頂点に達した時、耕治は肉棒を美奈の最奥に突き立て、薬に守られた子宮口に灼熱の体液を吐き出す。 「んっ、んんっ・・・ふはっ! あぁぁぁぁぁっ!!」 美奈もその圧力で達し、歓喜の絶叫を上げた。 「はぁぁ・・・あふ・・・ふぁぁ」 熱い吐息を吐いて耕治にもたれ掛かった美奈は、膣で肉棒を断続的に締め付けながら、尻でのの字を描き絶頂後の余韻を味わう。 その刺激で耕治の肉棒は硬度を取り戻していき、愛液と精液でドロドロになった結合部が、それまで以上に卑猥な音を立てる。 「んっ・・・んぷっ・・・」 完全に剛直が復活すると、二人はまた唇を重ね、腰を蠢かせ始めた。 「(もう何も考えられない・・・考えなくて良い・・・嫌なことを思い出さなくて良い・・・お兄ちゃんが居てくれればそれで良い・・・)」 嫌なことを・・・現実の全てを忘れるために、美奈は耕治との情事に溺れていく。 彼に抱かれている時だけが、美奈にとって心休まる時間だった。 第4話「ずっと愛していた」 数時間後、疲れ果てて眠る美奈の規則正しい寝息だけが、完全に電気を消した暗い部屋で微かに響く。 彼女の傍らに寄り添う耕治は、柔らかい髪を撫でながら、闇の中に浮かぶ寝顔をいつまでも飽きずに見詰めていた。 天使のような寝顔を見ていると、先程までの娼婦以上に乱れていた姿が幻のように思えてくる。 クリスマスが過ぎて冬休みに入り、今年も残り僅かになった年末、美奈は毎日耕治の元に通い、毎日何度も身体を重ねていた。 その数日前に「遠慮なく愛し合いたいから」と、耕治に相談もせずに病院へ行き、経口避妊薬まで服用し始めた程だ。 可愛い彼女が自分を求めてくるのは、男にとって願ってもないことだろうが、耕治はそれを手放しで喜ぶことは出来ない。 美奈がこれ程までSEXにのめり込む理由が、単に愛情と情欲だけではないと、彼も気付いているから。 あの日・・・ホテルで美奈だけを愛する決心をした直後、あずさと鉢合わせした時以来、美奈とあずさは顔を合わせてもほとんど口を利かなくなってしまった。 あんなにも仲の良かった日野森姉妹が、他人のように余所余所しく互いを避け合う様子は、耕治も見るに堪えない。 だが二人の関係を打ち壊したのは、間違いなく彼自身なのだ。 その罪悪感から、耕治は美奈の求めを全て受け入れているが、(結局自分も楽しんでいるせいか)その程度は気安めにもならない。 満足して眠る美奈の安らかな寝顔だけが、彼にとって救いだった。 しばらくして耕治は、激しい運動をした為か、強い喉の渇きを感じてきた。 「(確か飲み物の類は、切らしている筈だったな・・・どうする?)」 外に出れば徒歩2分でコンビニに行けるし、自販機までなら20秒で着くが、美奈は誰もいないベッドで目覚めるのを異常に嫌がるのだ。 普通は短時間なら別に良いだろうと思うかもしれないが、今の耕治は美奈を傷付けるのを過剰に恐れている。 美奈が目覚めるまで我慢するかどうか迷ったが、恐らく彼女も目覚めてすぐ飲み物が欲しいだろうと思い、そっとベッドから抜け出し適当に服を着ると、靴を突っかけて外に出た。 寮の出口から20mと離れていない自販機で、清涼飲料水を2本買う・・・1分にも満たない作業を終えると、たったこれだけの事をするのに長々と迷った自分が可笑しくなる。 取り出し口から冷たい缶を出すと、美奈の待つ部屋へ帰る・・・とその時、背後に人の足音が近づいてくるのに気付く。 何気なく振り返ると、電灯の明かりの下に見慣れた少女が立っていた。 「あずさ・・・」 暗い顔をした彼女の名を、口に出して呟く。 今まで意識していなかったが、丁度今頃が仕事を終えて帰宅する時間だ。 「お帰り。お疲れさま」 「ええ・・・ただいま」 お互いぎこちない表情で、当たり障りのない挨拶をする。 「ミーナ、来てるの?」 耕治がジュースを2本買っているのを見て、一番可能性の高い来客を見当付けるあずさ。 「ああ・・・今は寝ているけど」 何も考えずに答えてから、これでは先程までヤっていたと宣言しているようなものだと思い、余計なことを言ったと気付く。 「そう・・・ミーナによろしくね。それじゃ」 気まずい空気が流れた後、それを断ち切るようにあずさが言い放ち、耕治の脇を摺り抜けようとする。 「ああ・・・」 適当な返事をして見送ろうとした耕治だが、すれ違う瞬間彼女の目に光る物を見たような気がして・・・気がつくと手が伸びていた。 「あっ?」 突然肩を掴まれ、驚いたあずさが振り返るが、その目に泣いた痕跡はない。 「(何やってるんだ、俺?)」 訳の分からない行動をとる自分に、自分で動揺する耕治。 「ちょっと話があるんだが・・・少しだけ良いか?」 咄嗟に用事を作って誤魔化すが、彼女とは一度きちんと話したいと思っていたので、丁度良い機会かとも思う。 「・・・ええ、少しだけなら」 特に表情を変えず・・・いや、なるべく感情を表に出さないようにして、あずさは色気のない誘いを承諾した。 耕治が部屋を出てすぐに、美奈は目覚めていた。 外に出るまでは音を立てないように気を付けた耕治だが、ドアを閉めてからは気を抜いたので、足音が意外と部屋の中に響いたのだ。 遠ざかる足音で意識が戻った美奈は、ベッドの中に一人きりだということに気付く。 「・・・お兄ちゃん?」 この場にいるべき者を探すが、室内に彼の姿はなく、以前のように浴室でシャワーを浴びている気配もない。 彼の部屋にいるというのに、取り残されたような気になり、不安が込み上げてくる。 馬鹿げた過剰反応と自分でも気付いているが、今の彼女はどうしてもその不安を消し去ることは出来ない。 下着も着けずに急いで服を羽織ると、彼を捜しに部屋から飛び出す・・・と、ドアを開けると同時に聞き慣れた話し声が聞こえた。 「ほいよ」 耕治は新しい缶ジュースを買い、あずさに渡す。 既に買っていた物を渡した方が早いが、美奈のために買った物をあずさに渡すのは、例えジュース一本でも二人に悪いと思ったのだ。 「ありがとう」 差し出された缶をあずさは素直に受け取り、2人同時にプルタブを開けて口を付け、そのまま惰性で歩き続ける。 「で、話しって?」 寮の前まで移動してから、あずさが沈黙を破る。 「ああ・・・美奈のことなんだが」 「ええ・・・」 振った相手に彼女のことを話すのは抵抗があり、気まずげに話す耕治だが、この話題を予想していたのか、あずさの反応は落ち着いたものだ。 「最近あの娘、精神的にまいってる感じなんだ」 「・・・・・・」 無言で話を聞くあずさだが、そんな事はずっと前から気付いていただろうし、理由も見当がついているだろう。 「以前通りというのは無理かもしれないが・・・何とかあの娘ともう少し話をしてやってくれないか? 勝手な願いかもしれないが」 虫の良い話だ・・・と思いながら、耕治は藁をも掴む気持ちであずさに話す。 あんなに仲の良かった姉妹を引き裂いたのは、彼の優柔不断なのだから。 「簡単に言ってくれて・・・ホント勝手ね」 「・・・済まない」 あずさの精一杯の嫌味にも、引け目を感じる彼はただ謝ることしか出来ない。 「(お兄ちゃん・・・お姉ちゃん?)」 寮の前で話す耕治とあずさの声が聞こえると同時に、何故か美奈は反射的にドアの影に隠れていた。 蝶番の軋む音が心臓を止めるほど大きく響いた気がするが、立ち話を続ける二人に気付いた様子はない。 「(二人とも何の話を・・・って、美奈のことを?)」 会話の内容から話題が自分の事らしいと知ると、美奈は僅かに開いたドアの隙間から二人の様子を覗き、話を盗み聞きし始めた。 「あなたに言われなくても、私だってミーナと前みたいに話したいわよ」 耕治に背を向けて、あずさはぽつぽつと本心を話す。 「なら何も問題無いじゃないか。美奈だってお前と仲直りしたいと思っているし・・・」 「気楽なこと言わないで! どんな顔してあの娘に会えば良いの? 私はあの娘を裏切った・・・最悪な形で裏切ったのよ!」 楽観的な言葉に、あずさが怒鳴り声を上げる。 その声は耕治には・・・聞き耳を立てている美奈にも、悲鳴のように聞こえた。 「それは俺も共犯・・・っていうより俺が主犯だろう? 本当なら俺の方が美奈に責められないといけない筈だ」 「あなたはミーナと居て。あの娘はあなたが居ないと駄目だから」 自分一人だけ美奈の側に居られる罪悪感を感じる耕治に、あずさが脱力した口調で言う。 「俺だけでは駄目だ。美奈には姉も・・・あずさも必要なんだよ」 そしてあずさには美奈が必要だ・・・と心の中で続ける。 その言葉には、一人では美奈を支えられない・・・そしてあずさには何もしてやれない自分の無力さを悔やむ気持ちが込められていた。 「あの娘はもう、私なんて必要ないわ・・・姉失格の私なんて・・・」 「そんなことない! 美奈は今でもお前のこと大好きだし、お前だって美奈のこと好きなんだろう?」 思わず声を張り上げる耕治に、虚をつかれた顔をするあずさだが、一瞬後その目から涙が溢れてくる。 「好きよ・・・ミーナのことは・・・誰よりも好き・・・たった一人の妹だもの・・・」 子供のようにしゃくり上げながら、彼女は胸の内を話す。 誰よりも・・・とは、耕治も含めてのことか。 「あずさ・・・」 震える肩に手を伸ばす耕治だが、痛々しい背中を抱きしめたい衝動を寸前で堪える。 彼は、あずさでなく美奈を選んだのだから。 「何であなたなんか、好きになったんだろう。あなたに抱かれなければ・・・あなたが私なんか受け入れなければ、こんなに苦しまずに済んだのに」 あずさがぽつりと言った一言は、耕治の胸を痛烈に貫く。 目の前に居ながら触れることも許されない少女から、彼は目を逸らす。 耕治があずさに背を向けた所で、美奈はそっとドアを閉めた。 「(お兄ちゃんとお姉ちゃん、やっぱりシてたんだ・・・)」 姉と恋人が、自分に隠れて関係を持っていた・・・薄々感づいていたとはいえ、直接聞くとやはりショックを・・・ 「(・・・感じないな。何でだろう?)」 二人の会話を聞いていた美奈は、怒りも嫉妬もほとんど沸いてこない自分に戸惑う。 最も信頼している二人が、一緒になって自分を裏切っていた・・・こんな事実を知ったら、普通なら怒り狂うくらいの反応をしてもおかしくないだろう。 その上姉の様子から察すると、彼女が今でも耕治を愛しているというのは間違いなさそうだし、姉が泣き出した時の耕治の表情には、姉を愛しているが故の苦悩が明確に表れていた。 そこまで知っては、TVの3流ドラマなら、嫉妬に狂った自分が二人を刺し殺すという展開も有りえる。 しかし今の美奈は、全く嫉妬を感じていない訳ではないが、怒りは欠片も沸いてこない。 彼女の怒りを霧散させている感情は・・・歓喜? 「(あぁ、そうか・・・)」 自分の場違いな感情に混乱した美奈は、少し考えてようやくその源に気付く。 最近関係が気まずくなってしまった姉は、今でも涙が出るほど自分のことを想ってくれている。 そして耕治が姉を抱いたのは本気で好きだからで、結果的に傷付けてしまったが、姉の心を弄んだわけではないと知ったからだ。 恋人が居るのに他の女性を・・・しかも恋人の姉を抱くのは、本来なら男として最低の行為だが、2ヶ月程前の精神的に追いつめられた姉を想うと、自分のために姉への好意を押し殺していた耕治に”自重しろ”と言う方が無理かもしれない。 むしろ、もし彼が傷付いた姉に冷たく接したとしたら、そっちの方が許せないだろう。 「(今は美奈の方を見てくれてるんだから、済んだことは別に良いよね?)」 心の中で呟いて、無理矢理自己完結させる。 しかしその事は納得しても、3人の関係の問題はまだ山ほどあった。 思い悩み、気分が重くなってくると、汗やら何やらでべとつく身体が思考を邪魔する。 「(もう・・・どうすれば良いの?)」 思考が袋小路に入ると、汗を流すために浴室に飛び込んだ。 脱衣所で服を脱ぎ捨て、狭いユニットバスに入り、コックを捻ってお湯の温度を調節し、少し熱いくらいのシャワーを頭から浴びる。 若い肌の上でお湯が跳ね、少女の汚れを洗い流していく。 身体を打つ流れに身を任せていると、ささくれ立った精神が落ち着いてきた。 「ふぅ・・・」 溜め息を吐いた美奈は、頭の中で問題点を整理する。 同じ男を好きになった姉妹・・・身体を使って男を篭絡した妹・・・妹の恋人と寝た姉・・・恋人の姉を抱いた男・・・ 素晴らしく泥沼な三角関係を築いた彼女らだが、全員が誰も憎んでいないのが救いか。 しかし全員心に傷を負っていて、特に姉のダメージは深刻だ。 「(どうして上手く行かないの? 3人とも互いのことを想っているのに)」 出口の見えない思考を繰り返し、美奈の頭の中が混沌としていく・・・ 「(・・・って、何が問題なのかな)」 とその瞬間、ドロドロな思考の中で何かが繋がった。 今耕治と付き合っているのは自分で、二人はもちろん愛し合っている・・・今の美奈も、これは間違いなく幻想ではないと信じられる。 しかし姉も彼が好きで、彼も姉のことが好き。 姉は自分を大事に思ってくれているし、自分も姉を心から愛している。 そう、誰も誰かを憎んでいるわけではないし、3人とも愛し合っているのだ。 愛し合うもの同士が結ばれるのに、何の問題がある? 「そうだよ・・・何の問題もないんだよ。えへへ・・・」 何か大切なものが欠如した論拠を、自分に言い聞かせるように口に出し、一人笑う。 全裸で頭からお湯を浴びながら無邪気に笑うその笑顔は、普段通りの愛らしさでありながらどこか狂気じみていた。 耕治とあずさの相談は、とりあえず全員一緒にバイトに入る明後日に、あずさが美奈に積極的に話かけて、耕治がそのフォローをするということでまとまった。 あずさと別れ自室に戻った耕治は、ベッドに美奈の姿を求めるが、布団の乱れたベッドには誰もいない。 室内に美奈の姿はなく、給湯機の稼動音と浴室からの水音が、彼女がシャワーを浴びていることを伝えている。 「(美奈、もう起きてたのか・・・少し長話になったかな?)」 あずさと話し込んでいるうちに美奈が目覚めていた事を知り、一人で目覚めた彼女が精神不安定になっていないか心配になる。 声をかけようとした時シャワーの音が止まり、居間と脱衣所を隔てるアコーディオンカーテンの向こうから、美奈が浴室から出てきた気配がした。 「美奈・・・」 どう話し掛ければ良いのか分からず、とりあえず名前を呼ぶ。 「あ、お兄ちゃん。お帰りなさい」 しかし返ってきた声は、予想に反して普段通りの明るい口調だった。 「あ、ああ・・・ただいま。飲み物買ってきたから」 拍子抜けした為か、間抜けな発音になってしまう。 「うん、ありがとう♪」 頭を拭いているらしい音に混じって、機嫌の良さそうな返事が返ってきた。 風呂場から出てきた美奈は、やはり喉が渇いていたらしく数口でジュースを飲み干す。 その後、もう遅い時間なのですぐに帰る事になったが、駅まで送る道のりでも始終機嫌が良い・・・というより”ハイ”な状態だった。 最近は、駅で別れる時は毎回今生の別れのように辛そうにしていた為、美奈の明らかな変化に疑問を持つが、ここ一ヶ月見れなかった彼女の心からの笑顔を見ていると、なんとなくその理由を問うことは出来ない。 駅に着き、別れ際になると、突然美奈は耕治に抱き付き、顔を寄せて頬に唇を付ける。 「大好き・・・お兄ちゃん」 戸惑う耕治の耳元で囁くと、ぱっと離れ、 「また明日ね」 振り返って元気に言うと、改札口に消えていった。 ほっぺたにキス・・・普段もっと凄いことをしているのに、この程度で何故か異常にどきどきしてしまった耕治は、呆然とその背を見送る・・・が、 「明日? 明日はバイトで会えない筈だけど・・・」 疑問に思うが、夜寝る前に電話してくるか、朝バイトに行く前に尋ねて来るのだろうと思った。 翌日、完全オフのあずさは、寮の自室で一日中ごろごろしていた。 冬休み最初の週の女子高生の生活ではないが、今日は特に出掛ける用事はなく、学校の友人はみんな受験生で、就職内定済みのあずさに付き合う暇人はいない。 暇を持て余しているあずさは、ベッドに寝転がって明日のことを考える。 「(明日・・・ミーナと何を話せばいいかな?)」 3人がキャロットで顔を合わせる明日は、耕治の仲介で美奈と話をする予定だ。 週末は一緒の職場で働いている日野森姉妹だが、二人はここ一ヶ月まともに顔も合わせていない。 肉親とはいえ一度溝が出来るとこんなものかもしれないが、以前は普通以上に仲の良い姉妹だっただけに、あずさは妹とこんな状態でいるのが身を切るように辛い。 出来るならすぐに仲直りしたいが、話し掛けて拒絶されたり、美奈の口から決定的な恨み言を聞くのが怖くて、あずさの方から話し掛けることが出来ないでいた。 彼の言う通りに、美奈は自分を許してくれるのだろうか。 「(今でもミーナには私が必要・・・か。本当にそうかな?)」 昨日は一筋の光明のように思った耕治の言葉だが、今考えると簡単には信じられない。 何故なら美奈の隣りには、もう耕治がいるのだから。 あずさは最近まで、幼く儚げな美奈を守るのは自分の役目だと思っていたが、今回の件で逆に美奈を傷付け、弱さを露呈した自分は、美奈の保護者に適任とはとてもいえない。 一方耕治は、一時は自分の誘いに乗って美奈を裏切ってしまったが、今は一途に美奈のことを愛している。 保護者として・・・姉として失格の自分より、多少いい加減な所もあるが実直で頼り甲斐のある耕治の方が、美奈の側にいるのに相応しいだろう。 「(もうミーナにとって、私は要らない人間かもしれない・・・)」 そう思うと、涙がにじんできた。 枕に顔を埋めて本格的に泣こうとしていると、前触れもなく呼び鈴が鳴り、予定外の来客を伝えた。 「っと・・・誰だろう?」 手で涙を拭うと、扉の覗き穴から来客の正体を探る。 新聞の勧誘なら居留守を使おうかと思ったが、魚眼レンズの歪んだ視界には、今一番会いたい顔があった。 「ミーナ!?」 もう彼女が自分の部屋を尋ねてくれる事はないと思っていたあずさは、信じられない気持ちで扉を開ける。 たとえ幻でも、消える前に瞼に焼き付けておきたかったから。 しかし扉を開けると、最愛の妹が確かに存在していた。 「お姉ちゃん・・・」 少し不安そうな表情の美奈だったが、姉が扉を開けてくれて安心したのか、はにかんだ笑顔を見せた。 「女同士の友情が壊れたら、どうやって直せば良いかな?」 「いきなり何だよ、それ?」 キャロットの倉庫整理をしていた耕治は、缶詰の入ったダンボール箱に腰を下ろして、一緒に働いている少年・・・神楽坂潤にぼやく。 細身で小柄な女性的な顔立ちの優男で、その非力さは重い荷物を整理するには役立たずこの上ないが、まあいないよりはマシだ・・・程度にしか耕治は思っていないが、実は彼・・・いや彼女は正真正銘の女の子だったりする。 役者志望の彼女は、演技の勉強のために夏休みに男と偽ってキャロットでバイトをしたが、冬休みに入った今度は正式に女として働くつもりだった。 しかし復帰の面接を担当したのが『2号店のお祭り女』こと皆瀬葵で、彼女は「面白いから」という理由で潤を男として再登録し、潤もそれにノったのだ。 この後、新年会の隠し芸として正体を明かした潤は、耕治に脳天チョップを食らって轟沈するのだが、それはまた別の話である。 「いや、男がらみで気まずくなった女の関係って、どうすりゃ元に戻るかなぁって・・・」 「無理だね」 特に答えを期待した訳でもない、半分独り言の問いに、きっぱり即答する潤。 「僕の知る限り、一度壊れた女同士の友情が修復した事例は少ないけど、男がらみで壊れたのってとことん粉々になるし、絶対直らないと断言しても良いな」 普段のなよなよした様子と違い、自信をもって断言する潤に、思わず聞き入る耕治。 「ずいぶん自信ある言い方だな」 「まあね。女性心理に関しては任せてよ」 「任せてって・・・」 確かに見た目は女みたいな奴だが、この迷いのない口調は尋常ではない。 「ひょっとしてお前、女・・・」 「!?」 唐突な耕治の言葉に、潤は思わず手に持ったダンボールを落とす。 「・・・に関しては百戦錬磨の達人とか? って何やってんだ?」 「あははは・・・ちょっと手が滑って」 一瞬秘密を感付かれたかと思った潤は、引きつった笑いを顔に浮かべ、床に散らばったダンボールの中身をかき集める。 「そんな事ないって。ただ耕治が女心に鈍い朴念仁なだけだよ」 「・・・なんかおまえに言われると、すっげぇ落ち込むな」 何となく自信を無くし、がっくり肩を落とす。 「どういう意味だよそれ? ほら、いつまでもサボってると、店が混む時間までに終わらないだろ」 「へぇへぇ・・・どっこいしょっと」 だらんと伸ばしていた足を潤に蹴られて、耕治は掛け声とともにダンボールから重い腰を上げる。 「うわっ、オヤジ臭い!」 「やかましい」 大袈裟に嫌悪感を現す潤の側頭部に指ピンをすると、打撃音が意外と大きく響き、音源の潤は頭を抱えてのたうち回る。 「いったぁっ!! 酷いなぁ!」 目に涙を浮かべて喚きたてる潤の声は、耕治の耳に届いていない。 「(やっぱ難しいか・・・さて、どうしたものか)」 椅子にしていたダンボールを持ち上げながら、絶対解決しなければいけない難題について考える耕治だが、一人で考えたところで答えが出る筈もない。 「それでね、酔っ払ったお義父さんが植木鉢にお酌して、部長さんがカツラ飛ばして花瓶割って、佐藤さんだか斉藤さんだかが1リットル寝ゲロしたの」 「うわぁ・・・ほんと? それ」 「うん、ほんとほんと」 キャロット寮のあずさの部屋では、美奈とあずさが紅茶を飲みながら、にこやかに雑談をしていた。 平和そのものな二人の様子は、耕治の悩みなど思いっきり杞憂に見える。 「それじゃぁ叔母さん怒ったでしょう」 「うん、もう激怒して大変だったよ。お義父さんに蹴り連打して」 「あははははは・・・」 自分の居ない間の実家の惨状を、身振り付きで伝える美奈のしぐさに、爆笑するあずさ。 本心から笑ったのはいつ以来だろうか・・・腹が痛くなり、目から涙が滲んでくる。 「それで次の日、部長さんがお菓子持って謝りに・・・どうしたの?」 ふとあずさの顔を見た美奈は、姉の流す涙が異常に多いのに気付く。 「・・・あれ? どうしたんだろう・・・」 両手で目を拭うが、次から次と湧き出る物は止まらない。 姉の異常を察した美奈が、隣りから顔を覗き込む。 「何でだろう・・・可笑しいのに・・・嬉しいのに・・・変だね」 「お姉ちゃん・・・」 あずさは泣きながら無理矢理笑顔を見せるが、美奈の心配の表情はますます深くなり、姉の涙を拭おうと手を伸ばす・・・と、あずさは差し伸べられた手を衝動的に握り、頬をすり寄せる。 「もう、ミーナとこうやってお喋りすることも出来ないと思った・・・一生口も利いてくれないと思った・・・絶対許してくれないと思った・・・」 初めて目の当たりにする筈の姉の泣き言に、美奈はただ姉を抱き寄せ、頭を撫でる。 「そんなことない。大好きだよ、お姉ちゃん。ずっと大好き・・・」 「うぅ・・・ミーナ・・・うぅぅ・・・」 胸の中で優しく声をかけられると、あずさの心は限界を越え、本格的に泣き出す。 妹に抱かれて子供のように泣く・・・自分でも情けない状態だと思うあずさだが、今はただ美奈の優しさに甘えていたかった。 20分ほど後、あずさは涙が止まった後も、美奈にしばらく抱かれていた。 「もう、大丈夫?」 「うん・・・」 完全に落ち着いたところで、妹の胸から少し名残惜しそうに離れる。 「そうだ、お姉ちゃんに見てもらいたいものがあるんだけど、ちょっと後ろ向いて」 気まずい雰囲気を変えるように美奈は明るく言い、自分のバックに手を突っ込む。 「え、なに?」 「えへへ・・・内緒。両手出して」 「うん」 微塵も妹を疑っていないあずさが素直に指示に従うと、チャリチャリと金属音がして、両手首に冷たい帯状のものが巻き付けられる。 「よしっと、もう良いよ」 「・・・え?」 美奈の合図で、手首に付けられた物を見ようとするが、両手が何かに拘束されて背中から引き出せない。 身体を捻って何とか見ると、その正体は黒い革ベルト2つが鎖で繋がれた物だった。 SMの小道具にしか見えないそれは、どう見てもまともな女子高生の持ち物ではない。 「何? なんなの、これ?」 「手枷だよ。お兄ちゃんに買って貰ったの」 まだ何かの冗談だと思っていたあずさだが、耕治の名を聞いて反射的に心臓が跳ね上がる。 「耕治に? こんなもの一体何に・・・」 「SEXに使うの。偶にだけど」 「・・・!?」 明るい口調のまま、さらりと爆弾発言をする美奈。 「・・・冗談よね? 美奈・・・」 信じられない・・・いや、信じたくないあずさは、すがるように聞く。 妹が恋人と性行為をしているとは知っていても、SMまがいのプレイまでしているとなると話は別だ。 「本当だよ。虐めて欲しい時は美奈からお兄ちゃんにお願いして、こんな風に両手を背中で拘束したり、ベッドの支柱に縛ったりして貰うの。結構興奮するんだよ」 しかし美奈は、後ろから姉をそっと抱きしめながら、当たり前のことのように自分の倒錯した性生活を話す。 「お姉ちゃんは、お兄ちゃんにそういうのして貰ったことある?」 「!?」 絶句するあずさに更に衝撃的な質問をしながら、美奈は姉の腹辺りを抱いていた手を撫でるようにすり上げて、胸に近づける。 「な・・・何を・・・」 「誤魔化さなくて良いよ。昨日のお兄ちゃんとお姉ちゃんの話、聞いてたから」 昨日の話・・・耕治との相談の事だろうが、美奈が聞いていると夢にも思わなかったあの時、耕治に抱かれた事を示唆する発言をしたと思い出す。 今頃になってあずさは、聞かれてマズイ話を寮の前でした自分たちの迂闊さに気付く。 「あ、あれは・・・その・・・」 何とか言い訳を考えようとするあずさに構わず、美奈の両手は胸に達し、服の上から形を確かめるように蠢く。 「ひっ・・・」 「お兄ちゃんに愛されて、気持ちよかった?」 敏感な個所に触れられ身を竦めるあずさに、耳元でそっと囁いた美奈は、セーター越しに乳房を優しく揉む。 「止めて、ミーナ・・・」 弱々しく拒絶の意志を口に出すが、何故か身体はぴくりとも動かない。 自分よりずっと小柄な美奈が相手なら、両手を拘束されても本気で抵抗すれば何とか出来る筈だが・・・ 「美奈はね、お兄ちゃんにエッチなことして貰うの、すっごく気持ちいいよ」 ほとんど無抵抗のあずさに、美奈の行為は大胆さを増していく。 左手はそのまま服の上から心臓の上の乳房を揉み、右手は服の裾から中に入り、滑らかな肌に直接触れる。 「ゃあっ・・・!」 素肌に感じた手の冷たさに、小さな悲鳴を上げるあずさ。 「優しくて荒々しくて、繊細で大胆で・・・お兄ちゃんて、Hが上手だよね」 耳元で淫猥に囁きながら、美奈は服の中を弄る手を更に奥まで差し込み、下着に包まれた乳房に達する。 「お願い、もう・・・」 「お姉ちゃんも、そう思うでしょう?」 半泣きで懇願するあずさを無視し、美奈は更に両手で姉の乳房を愛撫しながら、同意を求める。 指先でブラジャーの下の乳首を探り当て、人差し指の腹で転がさすと、刺激を受けた乳首がゆっくりと勃起していく。 「(ミーナなのに・・・妹なのに、どうして感じるの?)」 身体を拘束されて妹に愛撫されるという、もしかしたらレイプ以上に屈辱的な状況だというのに、あずさは自分の身体の芯が火照っていくのを止められない。 「ね? お姉ちゃん・・・気持ちよかったでしょう?」 「ええ、ええ・・・」 頭が混乱し、訳が分からなくなってきたあずさは、とりあえず肯く。 「何が『ええ』なの?」 曖昧な返事では許さず、更に乳房の感じる場所を弄りながら聞く美奈。 「気持ちいい、気持ちいいから・・・もう止めて」 遂に目から涙が溢れたあずさは、絶対知られたくなかったことを認めてしまう。 それが耕治に抱かれた時の事なのか、今の自分の状況なのか、あずさ自身にも分からない・・・たぶん両方なのだろう。 「やっぱりね・・・お姉ちゃんもお兄ちゃんに抱かれて気持ちよかったんだ。えへへ」 求めていたことを聞き出して満足げな美奈は、無邪気に笑いながら姉の頬を伝う涙にキスをし、乳房を愛撫する手を休める。 「はぁ・・・えっ!?」 やっと解放されたと思い、安堵の吐息を漏らすあずさだが、美奈は姉のセーターとシャツを一気に捲り上げ、背中に手を入れてブラジャーを外す。 「ひっ!」 普段は服の下に隠している白い乳房が外気に晒された瞬間、あずさはあまりの羞恥に息を呑む。 「綺麗・・・」 弾けるように現れた姉の美乳に見蕩れた美奈は、感嘆の声を上げた後、剥き出しの乳房をそっと両手に収め、優しく愛撫を開始した。 「ねえ、お姉ちゃん・・・夏の研修旅行で、みんなで露天風呂に入った時のこと、覚えてる?」 思い出話をしながら、美奈は両手の親指と小指で乳房の脇と谷間を撫で、まだ勃起しかけの左乳首を摩り、既に尖っていた右乳首をコリコリ摘む。 「ん・・・うんっ・・・」 弱い所を適確に責められ、喘ぎ声が出そうになるのを我慢するあずさには、妹の言葉に反応する余裕はない。 「葵さんがお姉ちゃんのおっぱい触った時、美奈は凄く嫉妬しちゃった。お姉ちゃんのおっぱいは美奈のだって・・・ちゅっ」 そこで一度首筋にキスをし、完全に勃起した両乳首を人差し指で弾く。 「ひんっ・・・!」 「あの時は触らせてくれなかったけど、美奈はずうっと触りたかったんだよ。こんな風に」 人差し指と中指で乳首を摘みながら、掌全体で乳房を揉む。 「んあっ・・・あぁぁぁっ!」 その刺激に堪えきれず、あずさは嬌声を上げてしまう。 押さえていた分、それは長く甲高いものになった。 「お姉ちゃん、可愛い。お兄ちゃんが放っておかないのも分かるな」 甘い声を出す姉に気を良くした美奈は、右手を乳房から下に持っていき、ベルトを外してGパンのファスナーを下ろす。 「やっ・・・そこは駄目! お願いだから、もう・・・」 「大丈夫・・・美奈に任せて」 さすがに身を捩って抵抗するあずさを抱きしめ、妙に自信たっぷりに言う美奈は、Gパンの中に手を差し入れ、下着の上から姉の中心部をそっと撫でる。 「ふあっ!」 その刺激にあずさが仰け反ると、後頭部が美奈の頭とぶつかった。 「あっ、ごめ・・・ひんっ!」 こんな状況でも反射的に謝ろうとするあずさを、大して痛くなかった美奈が耳たぶを甘噛みして止める。 背筋に甘く走る刺激であずさが大人しくなったところで、美奈の指が再び秘部をなぞると、そこは既に下着越しでも湿り気が確認できた。 「お姉ちゃん、気持ちいいんだね」 「そんなこと・・・あっ!」 否定しようとしたあずさだが、内股の敏感な肌を擽られて言葉に詰まる。 「隠しても駄目。美奈はお姉ちゃんの感じる所、全部分かるんだよ。だって美奈もお姉ちゃんも、お兄ちゃんに気持ちいいこと教えて貰ったから、感じる所は全部一緒だもの」 その言葉通り、大半が耕治に開発されたあずさの性感帯は、姉妹のため元々身体の資質が似ていたこともあり、美奈には自分の身体のように全てお見通しだった。 「こことか」 「やんっ・・・!」 美奈の両手が脇腹を撫で上げる。 「こことか・・・」 「あうっ」 乳房の下を、指先がなぞる。 「やっぱりここが、一番凄いよね」 「ひっ・・・ふあぁっ!」 濡れた下着の上から、割れ目の中の小さな肉の突起を突っつくと、甘い声が上がる。 敏感に反応するあずさが嬉しく、無邪気な笑顔を見せた美奈は、姉のGパンとショーツを同時に下ろしていく。 「くぅっ・・・」 濡れた陰毛が見えたところで、あずさは羞恥で固く目を閉じるが、今まで衣服に守られていたもっとも恥ずかしい個所に空気が触れ、照明の下に曝されているのを感じる。 「ミーナ・・・やっぱり怒ってるのね」 羞恥と屈辱感のあまり、ぽろぽろ涙を零しはじめたあずさが、うわ言のように呟く。 「え?」 「だからこんな酷いことして、お姉ちゃんを虐めるのね」 意外そうに聞き返す美奈にも反応せず、ぽつぽつと言う。 「当然よね。全部お姉ちゃんが悪いんだもの・・・許してくれなくて、当たり前よね」 「そんなことないよ、お姉ちゃん・・・」 美奈の否定も、耳に入らない。 繊細な少女の心は、妹に犯される衝撃と、優しい妹をここまで追い込んだ自責の念に耐えられず、致命的な傷を負ってしまったのか。 「もう私なんて、ミーナの・・・んっ!?」 自分を責め続けるあずさの口を、美奈の唇が塞ぐ。 驚愕して目を見開くあずさの口の中に、美奈の舌が進入してくる。 「んんんっ!」 ようやく我に帰ったあずさが、頭を振って逃れようとするが、美奈は両手であずさの頬を固定し、舌を更に奥へと挿入する。 美奈の舌を噛むことなど絶対に出来ないあずさは、口腔を犯す舌をどうすることも出来ない。 同性との・・・しかも妹とのディープキスに、理性は激しい抵抗を訴えるが、意外と嫌悪感は感じない。 以前から美奈とは、ふざけて唇を重ねたことが何度かあったからか・・・といっても、ずいぶん前の二人とも幼い頃だが。 「ん、んん・・・んむぅっ・・・」 一度抵抗の意志を緩めると、美奈の舌があずさの舌を愛撫し、思考能力を急速に奪う。 あずさの力の抜けると、美奈は舌の動きを淫靡でゆったりとしたものに変え、恋人にするような・・・いや、されたような甘いキスを姉と交わす。 耕治のと似ているが、更に繊細で女を知り尽くした美奈の舌技で、あずさは強制的に官能に酔わされていく。 「ぷはぁ・・・」 そして数分後、美奈があずさをようやく解放すると、二人の唇を唾液の糸が伸び、途切れてあずさの口元に垂れる。 「大好きだよ、お姉ちゃん」 指先で姉の口元を拭いながら、優しく語り掛ける美奈。 「・・・嘘・・・」 実の妹との濃厚なキスで頭に血が上ったあずさは、朦朧としながらもようやく一言だけ口に出す。 「本当だよ・・・ちゅっ・・・大好き。愛してる」 恋人を口説き落とすように、今度は軽いキスをしながら、優しく囁く。 美奈の甘い言葉が、あずさの心の隙間に染み入り、精神力と判断力を削いでいく。 「お姉ちゃんも、美奈のこと好きなんでしょう? 昨日言ってくれたよね。誰よりも好きって」 「あれは・・・うん」 昨日の大泣きしながらの告白を思い出し、照れながらも肯くあずさ。 「でもこうゆうは、何か違う」 本来なら”何か”どころでなく”全然”違うのだが、今の彼女の火照った頭は、その微妙で大きな違いに気付かない。 「だからミーナ、もう止めて。今なら・・・ひゃんっ!」 妹を何とか説得しようとする言葉を、秘裂をなぞる指が止める。 「何が違うの? こんなに感じているのに」 あずさの目の前に出された美奈の指は、彼女自身の分泌した蜜で濡れていた。 人差し指と親指を擦り合わせると、愛液が間で糸を引く。 「いやっ! そんなの見せないで」 自分の卑らしさの証・・・妹に責められて感じている証拠の体液から、あずさは目を逸らす。 「お姉ちゃんも、本当はこういう事を望んでいたんでしょう? いくらエッチなことされても、好きな相手とでないと、気持ち良くないものね」 目を瞑ったあずさの耳に、美奈の囁きが催眠術のように響く。 その間も身体を弄る美奈の手を、あずさはいつの間にか冷たいと感じなくなっていた。 「(そう・・・なの?)」 無論只の言いがかりだが、判断力が鈍った上に心当たりがない訳ではないあずさは、美奈の言葉を少しづつ信じてしまう。 確かに以前、耕治と美奈の性交を盗み聞きした時は、耕治だけでなく美奈の肢体も思い浮かべて興奮していた。 ホテル前で鉢合わせした時も、耕治が美奈を抱いた事だけでなく、美奈が耕治に抱かれたこともショックだったかもしれない。 そして先程、耕治と美奈のSMまがいの性行為を知った時は、美奈を自由に扱える耕治に嫉妬したような気が・・・。 「(私は、ミーナとこうなるのを、望んでいたのかもしれない・・・)」 どの位の時間が経ったか・・・あずさの思考がそう完結した時、彼女はベッドの上に横たえられて、ほぼ全裸に剥かれていた。 手枷があるので脱がせられないセーターとシャツは、頭を抜いて腕に捲り上げられ、下半身は最後に残った靴下が、今美奈の手で脱がされていく。 「お姉ちゃんて、やっぱり身体の全てが綺麗だね」 姉の肌を露出し終えた美奈は、いったん離れて美しい裸体を見下ろす。 細身だが決して痩せすぎでなく、出るべき個所には柔らかい肉の付いた均整の取れた体型を、白くきめの細かい肌が覆っている・・・少女から女への変化が完成したばかりの若い肢体は、同性が見ても思わず息を呑むほど美しい。 「あっ・・・」 自分の肢体を賞賛する美奈の言葉で我に帰ったあずさは、不自由な肢体を丸めてささやかな防御をする。 少しの間意識が飛んでいた彼女だが、自分が何故こんな状態になったかは記憶があった。 無意識状態で美奈の促すままベッドに上がり、服を脱がされるのにも消極的ながら確かに協力したのだ。 「(やっぱり私は、ミーナに抱かれたい・・・いや、ミーナを抱きたいんだ)」 何も考えないでした行動が、あずさの疑問を確信・・・いや妄信に変えると同時に、美奈は自分も服を脱ぎ始めた。 美奈を覆う布が身体から落ちる度に、輝くような若い肌が現れていくのを、あずさは息を飲んで見守る。 下着姿になった美奈は、あずさの視線に照れ笑いを浮かべながらブラジャーを外し、小振りな乳房を現す。 「(ミーナ・・・可愛い)」 水色のショーツと薄緑色のヘアバンドだけになった妹の可憐な肢体に、あずさは胸が締め付けられるほど愛おしさを感じた。 まだ幼さの残った、だが痛々しいほどに美しい少女の裸体が、あずさの上に覆い被さってくる。 「大丈夫・・・何も怖くないよ」 何も言わない姉を緊張していると思ったのか、美奈は顔を寄せて安心させるように囁き、そっと唇を奪う。 しかし二人の唇が重なる直前、あずさは顎を突き出して自分からキスをした。 「んっ? んふっ!」 予想外に積極的なあずさに驚き、美奈の方が思わず顔を引いてしまうが、すぐにあずさの唇が追いかけてくる。 戸惑いながらも受け入れる美奈だが、先程とは逆にあずさの舌が美奈に進入し、口腔内で蠢く。 あずさが主導のキスをされている内に、美奈も自分から舌を絡ませ始め、両手を姉の首に回す。 先程の強引なキスと違い、姉妹で求め合う口付けを交わす背徳感が、二人の背筋をぞくぞくとした性感となって貫く。 上になっている美奈の口から、あずさの口へ唾液が流れ込む。 「こくっ・・・ちゅぷぅっ」 あずさは何の躊躇いもなく、甘い味がする(気がする)その液体を喉を鳴らして飲み込み、妹の口を吸ってさらに唾液を求める。 「あんっ・・・ちゅぷっ」 美奈は嬉しそうに鼻を鳴らすと唾液を送り、姉がそれを飲み干すと今度は自分が口を吸い上げ、送られてきた姉の唾液を飲む。 そのまま姉妹は舌と唾液を交換し合い、心まで一体化するようなキスにのめり込んでいく。 途中で何度か息継ぎをしながら、長く何度も口付けをした姉妹は、数分後ようやく離れた。 「「ふはぁ・・・」」 見詰め合う二人の間で、欲情した視線と吐息が絡み合う。 良い匂いのする姉の息を吸い込んだ美奈は、キスの後は胸に愛撫をしようと考えていた通り・・・多少予定とは変わったが・・・姉の乳房に顔を寄せた。 美奈のものよりずっと豊かな白い膨らみは、仰向けになって少し潰れても心奪われるほど美しい。 「(この奇麗なおっぱいを、お兄ちゃんは美奈に隠れて・・・美奈にするように、触ったり吸ったりしていた・・・)」 そう思うと、美奈は嫉妬で胸が張り裂けそになる・・・が、その矛先が耕治に抱かれた姉と、姉を抱いた耕治のどちらに向いているのか、美奈自身にも分からない。 自分の複雑な想いを伝えるように、乳房の上で揺れる切なげに起立した桜色の突起を、そっと口に含む。 「はうんっっ」 たったそれだけで、あずさは可愛い声を上げて身震いした。 その声がもっと聞きたくて、美奈は口の中の乳首を唇で甘噛みし、舌で先端を舐める。 「あっ・・・ふあぁぁっ!」 乳首に妹の愛撫を受けて、あずさは嬌声を上げながら仰け反り、胸を突き出して妹の口に押し付ける。 敏感に反応する姉がたまらなく可愛い美奈は、ちゅぱちゅぱと音を立てて吸い付く。 「ああっ・・・ミーナぁっ!」 あずさは赤ん坊のように乳首を吸う妹を、よく分からないがどうにかしたい衝動・・・強烈な母性愛と思われるものに駆られる。 「腕・・・外して。お願い」 とりあえず美奈を抱き絞めたいあずさは、手枷を外して欲しいと請う。 美奈にとっても、自分を受け入れてくれた姉を拘束する理由はもうない。 「うん」 美奈の手があずさの背中に差し込まれ、手枷のベルトを外す。 自由になったあずさは、腕に絡まった服を脱ぎ捨てると、美奈の頭を胸に抱き締める。 柔らかい肌が鼻と口を塞ぐが、美奈も逃げずに自分から姉の乳房に顔を埋め、乳首をしゃぶり回す。 「はあんっ!」 快楽に喘ぐあずさは、美奈を自分の胎内に引き込もうとするかのように、更に強く抱き締める。 もし可能なら、本当に胎に収めたい・・・そう思うほど、妹が愛おしかった。 あずさの過剰なまでの愛情は、彼女の両腕に全力で美奈を拘束させ、元から息をしにくい体勢だった美奈の呼吸器官を完全に塞いでしまう。 しかし美奈は呼吸も忘れて姉の乳房に集中し、窒息寸前になってようやく悶える。 「ふはぁっ!」 頭を捩って鼻を解放した美奈が、大きく深呼吸すると、姉の匂いが鼻腔いっぱいに広がった。 幼い頃から馴染んだ姉の香りこそが、美奈にとって母親を思い起こさせる香りかもしれない。 「すぅぅ・・・ぴちゃ・・・すぅぅ・・・」 口で乳首をしゃぶりながら、頬を柔らかい乳房に擦り寄せ、鼻で肌の匂いを嗅ぐ。 目の前には視界いっぱいに白い肌が広がり、耳を澄ませば心臓の鼓動が伝わってくる。 五感全てで姉を感じた美奈は、胸の中に何か暖かいものが込み上げるのを感じた。 それは情欲だけでなく、愛情だけでもない、双方が複雑に混ざり合った感情。 「(ああ、そうか・・・美奈はこれが欲しかったんだ)」 ふと美奈は、自分はこれを感じたくて性行為をしているのだと気付く。 愛し合う者が、快楽と温もりを分かち合う・・・何とすばらしい行為だろう! この幸福感の前では、世間一般の禁忌など紙切れのように薄っぺらな価値観でしかない。 そのまま暫く美奈は、姉の胸に顔を埋めて乳房を弄りながら、甘えた幸福感に浸っていた。 あずさも美奈の頭を撫でながら、精神的に満たされた一時を味わっていたが、乳房に絶え間なく送り続けられる緩い快感が、腰の辺りに熱となって蓄積し、肉体的に満たされたい衝動に駆られていく。 それがピークに達したとき、あずさは美奈を抱き締めたままベッドの上を転がり、体位を入れ替えた。 「きゃっ?」 母親の胸に抱かれたような安心感を味わっていた美奈は、前触れもなく振り回され、驚いて身体を硬直させる。 「今度は、お姉ちゃんがしてあげる」 萎縮した美奈を安心させるように、あずさは頬を撫でながら微笑むと、妹の胸に向かう。 あずさと比べるとささやかな膨らみだが、眩い白さと微妙な曲線の美しさ、それに淡い色の小さな乳首は、羨望すら覚える程可憐だ。 込み上げる愛らしさで胸がいっぱいになったあずさが、左右同時に壊れ物を扱うようにそっと触れると、予想通りまだ未熟な固さが両手に伝わる。 痛みを与えないよう撫でるように優しく愛撫すると、掌で擦る乳首が固くなっていく。 両方の乳首が完全に勃起すると、あずさは指先でつまんで転がし、更なる快楽を与える。 「ん・・・あんっ」 控えめに漏れてきた美奈の可愛い鳴き声があずさの心を刺激し、妹をもっと喘がせたいと思わせ、左手はそのまま乳房を愛撫し、右手を美奈の下腹部に伸ばす。 手が下着の上から股間に近づくと、美奈は反射的に股を閉じて防ぐが、あずさの指が股間の隙間を優しくなぞると、それを受け入れるように軽く開く。 「はぁんっ!」 「濡れてるね、ミーナ」 細い指が下着越しに秘裂に触れると、もうそこはうっすらと蜜を孕んでいた。 「やぁん、だってぇ・・・」 恥ずかしそうに目を逸らして言い訳する美奈の表情を見詰めながら、あずさは右手をショーツの中に滑り込ませる。 なだらかな恥丘の表面に柔らかい陰毛、そして次にぬるぬるする液で濡れた、ぴったり閉じた肉の溝が指に触れた。 「あっ・・・」 少し触れられただけで身体を震わせた美奈は、期待と不安に満ちた瞳をあずさに向ける。 その瞳に軽く微笑んで答えながら、あずさは中指をそっと溝に沈めた。 「ひゃうっ・・・!」 美奈の腰が跳ねると、指は熱く柔らかい粘膜に包まれた。 「あっ・・・おねえちゃぁん・・・」 それだけで美奈は、腰をぴくぴく震わせて反応する。 初めて他人の粘膜に触れたあずさは、初めて自慰をした時のように恐る恐る指を上下に動かす。 「んふっ・・・んんん・・・」 美奈の上げる押し殺した喘ぎ声に、苦痛の色が混じっていないのを察すると、滑らかな肉を擦る指を少しづつ早めていく。 中指が上下する度に秘裂は蜜を分泌していき、ついにはぬちゃぬちゃと音を立てはじめる。 「はっ・・・ふあっ・・・はんっ・・・」 口元に拳を当てて恥じらう美奈の腰が、控えめにだが指に合わせて蠢く。 物欲しげにあずさを見る美奈の瞳が、もっと刺激が欲しいと訴える。 それに答えて、あずさは秘裂の中から肉芽を探し出し、指先で軽く押し潰す。 「ふあっ・・・あぁぁんっ!」 その瞬間、美奈の口から予想以上に大きな嬌声が漏れる。 「ここ? ここが良いの?」 包皮の上から肉芽を転がしながら、あずさはどう見ても答えの分かりきったことを聞く。 「うん・・・うん! そこ、いい!」 躊躇わずに答えると同時に、更に腰を跳ねさせる美奈。 あまりに淫靡な反応だが、あずさは何故か嫌悪感は微塵も感じない。 「そう・・・ならもっと良くしてあげる」 それどころかもっと気持ち良くさせてあげたくなり、肉芽の包皮を0.1mmずつ、ゆっくり焦らしながら剥いていく。 「あうっ、ひっ・・・ふはっ!」 指が進む度に美奈は悲鳴のような嬌声を上げ、蜜を更に分泌する。 ようやく肉芽が完全に露出した頃には、美奈の秘裂は失禁したように大量の愛液を漏らし、ショーツの股間部分がぐっしょり濡れて透けていた。 「汚れちゃった・・・脱がしてあげる」 「うん・・・」 あずさが両手をショーツにかけると、美奈も脱がしやすいように腰を浮かす。 小さな布切れが股間から離れる時、ぬちゃりと濡れた音が立つ。 美奈の身体で最も淫靡な個所が解放され、同時に閉じ込められていた淫靡な匂いがあずさの鼻腔をくすぐる。 ヘアバンドを残し、ほぼ生まれたままの姿になった美奈は羞恥に身体を丸めるが、その上にあずさが覆い被さると、受け入れるように身体を開く。 あずさが更に太股を押し開くと、美奈は素直に脚を開き、姉の視線に秘部を曝す。 「ミーナ・・・凄い・・・」 妹の女そのものを目の当たりにして、あずさは感嘆の声を漏らす。 可愛い顔に似合わずびちゃびちゃに濡れているそこは、薄く頼りない陰毛が濡れて肌にぴったり張り付き、ぱっくり開いた亀裂から物欲しそうに涎を垂らす肉色の襞を覗かせていた。 「あ・・・あぁぁ・・・」 オムツを替える赤ん坊のような格好で、姉に最も恥ずかしい個所を曝し、美奈は頭がおかしくなりそうなほどの恥ずかしさを感じる。 耕治にも毎回同じような姿を見せているが、羞恥を快楽に変えられる美奈にとって彼の視線はもはや喜びでしかなく、本気で恥ずかしくてもどこか安心を感じていた。 しかし姉の前で股を開くのは、それとは違う容赦ない羞恥を感じる。 焼けるような熱と危うい愉悦を呼び起こす、暴力的なまでに激しい羞恥。 それは、耕治の前で初めて自分の意志で股を開いた時と同じ感覚かもしれない。 「お・・・おねえちゃぁぁん・・・」 すがるように姉を呼ぶ美奈は、脚を閉じたいという衝動と、もっと開きたいという衝動を同時に覚えていた。 「ミーナ・・・」 妹の股間を見詰めるあずさは、次々と蜜液を吐き出す秘裂に思わず生唾を飲む。 羞恥を快楽に変える感覚は、あずさも分からないではない・・・彼女も耕治の前で肌を曝す時は、異様な高揚を自覚していたから。 だが、あの可憐な妹が同性の視線だけでこれほど感じる事に、失望にも似ているが明らかに別の、心臓を握り潰すような衝撃を感じていた。 その間にもあずさの見る前で、別の生物のように蠢く美奈の秘裂から、愛液がひとすじ飛ぶ。 「凄い、ミーナ・・・見られるのが気持ちいいのね」 同性の潮吹きなど当然見たことのない・・・それどころか知識すらなかったあずさだが、妹が凄まじく感じている事は理解できた。 「う、うん・・・お姉ちゃんに見られるの、気持ちいい・・・あぁぁっ!」 姉の問いかけに素直に答え、羞恥に悶える美奈。 自分の恥ずかしい性癖を、最も信頼する者の前で認める・・・脳髄を抉るような恥ずかしさで全身が熱くなり、美奈は再び潮を吹いて軽い頂点に達した。 視線だけで愛液を飛ばし肌を桃色に染める美奈に圧倒されたあずさは、蜜を吐き蠢く秘裂に惹かれるように、右手の中指と人差し指を揃えて押し当てる。 指先が膣孔を探り当てると、熱く溶けたそこは吸引するように2本の指を飲み込んだ。 「あはぁっ!」 その瞬間、美奈は嬌声を上げて大きく仰け反る。 第一関節まで容易く受け入れたというのに、美奈のそこはあずさの細い指を食い千切るかと思うほど締まった。 あまりのきつさに怯みながらも、あずさは少しだけ指を進める。 「かふっっ・・・!!] 美奈の身体が更に仰け反り、腰が跳ね上がって指を一気に根元まで飲み込む。 あっさりと指2本が美奈の胎内に入り、あずさは妹の身体が予想以上に”女”であることに改めて気付く。 外見はまだ幼いソコをこじ開け、これほどまで成熟させたのは、たった一人の男・・・しかも自分に女の悦びを教えた少年だと思うと、あずさは妙に興奮してきた。 指に絡み付く熱い蜜と柔らかい肉が美奈の”女”を、せわしなく脈打つ動脈が美奈の”生命”を感じさせる。 「あぁっ・・・おねっ・・・おねえちゃ・・・ああんっ」 美奈は何かを求めるような瞳を向け、切なく姉を呼ぶ。 「んっ・・・」 それに答えて、あずさは指を入れたまま妹に覆い被さり、キスをしながら指を動かしはじめた。 「ひゃふっ! あふぁぁっ!」 胎内で指が一往復しただけで、美奈は全身を震わせて悦びを現す。 妹をもっと感じさせたいと、あずさは指を何度も繰り返し往復させる。 「ふあっ、ふあぁぁっ!」 耕治より細く滑らかなあずさの指に、何故か美奈は異常な程の快楽を感じ、悶えて手足をのた打ち回すと脚があずさの股に入り込み、膝が股間に触れる。 「あはぁっ!?」 妹の狂態に興奮していたあずさは、それだけで全身に性感が走った。 快楽に翻弄されながらも姉の反応に気付いた美奈は、脚をあずさの股間に押し付け、熱く濡れた秘裂を擦りあげる。 滑らかな美奈の太腿を性器で感じると、あずさの背中を甘い電流が駆け上がり、衝動的に股で妹の腿を挟み込み腰を振る。 「あ・・・やだぁ」 妹の太腿に秘裂を擦り付けて悦ぶ自分が、あずさには発情期の犬のように思えた。 「だめ・・・だめぇ! こんなの・・・こんなのぉっ!」 口では拒絶しながらも、あさましく快楽を貪る腰は止められない。 姉の痴態を見た美奈は、手であずさの尻を自分の膝に押し付けてやる。 「はぁ・・・」 全く変わらない淫らな行為でも、自分でするのではなく美奈にして貰うと精神的に楽なのか、あずさは安心したような吐息を吐く。 「お姉ちゃん・・・美奈も・・・」 「うん」 美奈のおねだりを受けて、あずさは休んでいた手首を再び動かし、指で美奈の膣内を刺激してやる。 「あんっ、いいっ! お姉ちゃん、そこいい!」 感じまくる美奈は、自分でも腰を振ってあずさの指を味わいながら、腰を押さえる手の指でお尻を撫で回し、谷間に指を這わせて菊座に触れた。 秘裂から垂れた愛液で濡れていたそこを、表面を擦った後、液を塗り込めるようにマッサージする。 「あぁっ! ミーナ、そこ・・・違う・・・はんっ!」 誰にも・・・耕治にも触れられたことのない不浄の個所を、生まれて初めて愛撫され、未知の感覚に脅えるあずさ。 しかし美奈はあずさの拒絶を聞かず、腰を振りながら姉の尻を愛撫する。 あずさの腰も、菊座に妹の細い指を感じながら、意思と無関係に快楽を求め続ける。 「(なんだか・・・変な所なのに、気持ちいい・・・)」 自分の指で快楽に喘ぐ妹の様子と、その妹の膝で自慰をする異常な状況が、異常な個所を愛撫される嫌悪感を麻痺させ、あずさに初体験の性感を受け入れさせる。 そのまま二人は互いの敏感な個所を刺激し合い、室内に姉妹の喘ぎ声と粘着質の音が響く。 「はうぅ・・・おねえちゃぁん・・・」 「ミーナぁ・・・んんっ」 あずさが美奈の膣に指を入れたまま覆い被さってキスをしようとすると、垂れ下がったあずさの乳首が美奈の乳首と触れ合う。 「ひゃんっ!?」 その瞬間、あずさの胸に電流のような刺激が走った。 未知の感覚に戸惑うあずさだが、美奈の表情を見ると、彼女も同じ物を感じたようだ。 瞳だけで相手が同じ事を考えていると悟った二人は、無言のまま互いの胸を近づける。 「「あはぁっっ!」」 姉妹の勃起した乳首が弾け合うと、先程と同じ感覚が姉妹を同時に貫く。 もっと刺激を味わおうと胸を重ねると、甘美な感覚は乳房全体を覆い、その感覚に酔った姉妹は胸を押し付け合って更なる刺激を求める。 美奈の幼く小振りな乳房の上に、あずさの適度に豊かな乳房が乗り、4つの膨らみが二人の間で潰れる。 「ああ・・・な、なんだか・・・」 「これ・・・いい・・・」 単純な刺激では指や舌での愛撫の方が感じるだろうが、姉妹で女の象徴を重ね合わせ同じ性感を共有する背徳感が、二人の性感を異常なまでに高ぶらせているのか。 姉妹はもっと押し付け合おうと胸を密着させるが、若く弾力のある乳房達はゴム毬のように弾け合い、上手く重なり合わない。 だがその弾け合う感覚も二人には初体験の刺激で、姉妹は焦らすように逃げる互いの乳房を追いかけ合う。 しばらく甘美なもどかしさを貪り合った姉妹だが、すぐに堪らなくなって互いを愛撫しあう手を休め、両手で自分の乳房を握って相手と擦り付け合う。 寄せ集められた乳房は弾力を増し更に強く弾けるが、手で固定されているので逃げられずに重なり続ける。 乳房に押し付けられている相手の尖った乳首がくすぐったく、それに自分の乳首を当てようと身を捩ると肉の球が転がろうと変形し、更に胸から甘い何かが込み上げてくる。 互いに好き勝手に感じて身をくねらすので、なかなか乳首同士が当たらず、更に乳房をこね合わせ、それに感じて更に身悶えて乳首が逃げる・・・快楽の悪循環を続け、二人がこんなことで必死になっている自分達を滑稽に思った頃、ようやく望んだ個所を求め合う事が出来た。 「んあっ!」 「はんっ・・・ふあっ!」 押し付け合ったまま身体を少し動かすと、柔らかい肉の間で固くなった突起がこりこりと擦れ合い、想像以上の快楽が二人を襲う。 「はぁぁんっ! おっぱい気持ち良いよぉ、おねえちゃぁんっ!」 思わずはしたない事を口走りながら、手で小さな乳房を振って姉の胸に擦り付ける美奈。 「私も・・・お姉ちゃんも気持ち良い! ミーナのおっぱい、いいっ!」 あずさも目の前で淫らに叫ぶ妹に興奮し、呼応するように卑猥な声を上げ、妹と乳房を精一杯こね合わせる。 乳房だけで頂点寸前まで追いつめられた美奈は、下腹部にあずさの熱い蜜が垂れ落ちるのを感じた。 なんとなくそれに惹かれて腰を前に突き出すと、あずさの太腿の付け根辺りに恥丘が触れ、更に腰を突き出すと温かい姉の肌を秘裂に感じ、もっと突き出すと秘裂が腿に密着して淫核が擦れる。 「あはうっ・・・はぁぁっ!」 ただ肌で擦るだけの刺激も、興奮しきった美奈は全身が蕩けるような快楽に感じる。 熱く濡れた秘裂を敏感な脚の付け根に当てられたあずさは、微妙な刺激で腰にむずかゆさが溜まっていく。 それを吐き出すように胸で更に刺激を求めていると、ふと淫靡な閃きが浮かんだ。 「(おっぱいを擦り付け合うだけでこんなに気持ち良いなら、あそこなら・・・)」 そう考えただけで心臓が張り裂けそうなほど高鳴り、絡み合う身体を一旦離すと、美奈の脚を押し広げて股間をさらけ出す。 「あんっ・・・」 快楽を求めていた胸と下半身を離されて、不満の鳴き声を上げる美奈だが、あずさの意図に気付くと自分から脚を開いて腰を突き出す。 姉妹の滑らかな脚が艶めかしく絡み合い、大きく開いた股間同士が近づき、あずさの秘裂から美奈の秘裂へ蜜液が一筋垂れる。 互いに顔を見合うと、期待と不安の入り交じった瞳が合い、姉妹は同時に興奮の生唾を飲む。 そして意を決すると、あずさは腰を降ろすように美奈と股間を密着させた。 「あくっ・・・!」 「ぅあぁっ・・・!」 どろどろに溶けた秘裂が重なり合い、そこから異様な感覚が全身に広がる。 自分の身体に、これほどまで淫らな器官があったのかと強制的に再認識させるような、信じられないほど淫靡な感覚。 「お・・・おねえちゃんんっっ・・・!」 「ミーナ・・・ミーナぁぁ・・・」 初体験の感覚に恐怖すら感じた姉妹は、互いの名を呼び合いながら抱き合うが、二人ともソコを離そうという発想は微塵も浮かばない。 そのまま黙って抱き合うが、どちらかが少しでも身を捩るたびに重なった秘裂が擦れ、異様な快楽が二人を襲う。 そう、これは快楽・・・破瓜の痛みでも、性感と認識する前のくすぐったさでもない、初体験だが純粋な性の快楽。 その事に気付いた二人は、どちらからとなく腰を蠢かせ始めた。 粘膜が擦れ合うと、ぬちゃぬちゃと驚くほど派手な水音が立つ。 「あひゃうぅっっ!!」 「っっはぁっ!!」 予想以上の刺激に、姉妹は堪らず悲鳴を上げる。 表面を擦り合っているだけなのに、男を受け入れた時のように、身体の芯まで一体になったような気がした。 男・・・というより二人にとっては耕治のそれが、身体の芯に叩き込む直接打撃とするなら、これは柔らかい綿で絞め殺すような、女の卑らしい部分を全て凝縮した快楽とでも言うべきか。 慣れない刺激に脅え、姉妹は腰の動きを控えるが、同じ少年の手で快楽を教え込まされた二つの若い肢体は、意思に反してより強い刺激を求める。 「あぁぁっ! いやぁぁぁんっ」 「腰が・・・止まらない・・・はぁんっ!」 二人の腰が卑猥に蠢き、粘膜同士が吸盤のように絡む。 やがて圧倒的な快楽に抵抗感が霧散し、二人は無意識で動かしていた腰の律動に自分の意志で変化を加え、淫核同士を擦り合わせる。 「ふはぁぁっっ!!」 「ひぃっっ!!」 乳首でやったように突起を擦り合わせると、それの数倍もの快楽が二人を翻弄し、先程から限界近かった美奈は一気に上り詰める。 「あぁぁぁっ! イク・・・おねえちゃん、美奈イっちゃう!」 腰の動きを更に激しくしながら、美奈はあずさにしがみ付きキスを求める。 「ミーナぁ・・・んんっ」 あずさがそれに答えて圧し掛かると、唇だけでなく乳房も重なって刺激し合い、美奈に止めを刺す。 「んふぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!」 唇をあずさに塞がれたまま、美奈は絶叫を上げて頂点に達するが、まだ達していないあずさは全身を振って快楽を貪り続ける。 「ふはぁっ! おねえちゃ・・・はうっ!」 「あぁぁっっ! ミーナぁ・・・ミーナぁぁ・・・あぁぁ!」 休まず刺激を与えられて悶える美奈だが、あずさはうわ言のように名を呼びながら妹を犯す。 「んふっ・・・はうっ、あぁぁんっ!」 敏感さゆえに連続して性交をするのに慣れている美奈は、すぐに新たな快楽を求め始め、姉に合わせて腰を振る。 「あふぅっ! ミーナ・・・お姉ちゃんも・・・イクぅぅっっ! はぁぁぁぁぁっっ!!」 その動きであずさも頂点に達し、身体を震わせて絶頂を味わう。 しかし再び性感に火の点いた美奈は、あずさがイってもしがみ付いたまま腰を蠢かせ続ける。 「ひっ・・・ミーナぁっ・・・はぁぁんっ!」 達したばかりのあずさも、すぐにまた美奈を求め蠢く。 「あぁぁんっ! お姉ちゃん、大好きぃっ・・・愛してる!」 「私もっ・・・好きよ、愛してる・・・ずっと愛してた、ミーナぁっ! んぷっ」 愛を叫び合った二人は、また唇を重ね、貪り合うような深いキスを交わす。 男女の性交のように秘部を擦り付け合い、体重を乗せて乳房を擦り付け合い、唇を重ねて舌を絡め合い、手足は相手の身体を弄り合う・・・姉妹は全身を使って倒錯した愛の交歓に没頭する。 「あぁんっ、おねえちゃん・・・美奈、また・・・」 しばらくして、美奈に再び限界が近づく。 「私も・・・もうっ・・・!」 あずさも切羽詰まった声で訴えると、姉妹は狂ったように腰を振り始めた。 股間の合わせ目から粘着質の音が甲高く響き、二人は凄まじい快楽の予感に震えながら何度もキスをする。 「はぁんっ! おねえちゃぁんっ! 一緒に・・・一緒にイってぇ!」 「うん、うんっ! イク・・・ミーナとイきたい! はぁっ!」 呼吸を合わせて全身を擦り付け合い、最後の瞬間に向かって同時に上り詰めていく。 そして数秒後、姉妹は固く抱き合いながら、望み通り同時に達した。 「あっ! あっ! あぁぁっ! イク・・・おねぇちゃん、美奈イクぅっっ!!はひゃぁぁぁぁっっっ!!」 「うあっ! ミーナっ! ミーナぁぁっ!! くはうぅぅっっっっ!!」 絶叫を上げ、永遠とも思える長い頂点に痙攣するあずさと美奈。 魂も溶けるような快楽の後、硬直していた姉妹の全身から力が抜けると、あずさは美奈の肢体から転がり落ちる。 仰向けに並ぶ二人の下腹部は、驚くほど大量の愛蜜でべっとり濡れていた。 荒い息を吐き、全身が汗で濡れ光る肢体を半ば重ね合わせながら、姉妹は相手の体温と快楽の余韻を味わう。 この時二人は、長い間一緒に生きてきた愛する者と、ようやく身も心も一体になれた気がした。 「(ミーナと・・・しちゃった)」 しばらくして熱が冷め、並んで寝ている美奈の横顔を見ていると、あずさは自分のしたことに今更になって気付く。 姉妹で愛し合う・・・近親相姦で同性愛という、人の道を踏み外しまくった行為。 つい昨日までは、自分達がこんな事をするなど微塵も考えていなかったし、こんな関係の者達を知ったなら軽蔑すらしたかもしれない。 拘束具まで使った美奈のレイプじみた強引さには、最初は強い恐怖を感じたが、心の中で一線を超えると、自分でも驚くほど積極的に美奈を受け入れることが出来た。 「(ずっと愛していた・・・か)」 ふとあずさは、盛り上がった時に叫んだ言葉を思い出す。 この言葉に偽りはないが、昨日まで想っていた美奈への愛とは、これとは別の物だった筈だ。 それでもあずさは、美奈と愛し合った事を後悔していない。 全てが終わった今、隣りに横たわる妹に感じる愛おしさは、間違いなく錯覚ではないと思えるから。 「お姉ちゃん・・・」 横顔に見蕩れていたあずさの視線に気付き、美奈がまだ上気している顔を向け、腹の上にあった姉の手に自分の手を添え指を絡ませる。 「ミーナ・・・」 甘えてきた妹にあずさが微笑みかけると、美奈も天使のような笑顔を返す。 その顔があまりにも可愛く、引き寄せられるようにあずさが顔を近づけると、美奈も目を閉じて顔を寄せる。 「(ミーナと一緒なら・・・一人でないなら、どこまで堕ちてもいいよね)」 唇が重なる瞬間、あずさはなんとなくそう思う。 そっと触れるだけの、だが長いキスの途中で、姉妹は絡め合った指を握り締めた。 |
Piaキャロ2R 第4話「ずっと愛していた」 |
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