Piaキャロ2R 第5話「心と身体」
 仕事から帰ってきた耕治が、自室の鍵を開けながらなんとなく隣りのあずさの部屋に目を向けると、窓には明かりが点いていなかった。
「(こんな時間に留守なのか・・・)」
 若い女の子が遅くまで出歩く事を、思わず男と結び付けて邪推してしまうが、あずさとて今時の女子高生なら、冬休みに友人と遊びに行くくらいするだろう。
 もし本当に男と会っていたとしても、あずさを振った耕治には関係ない・・・いや、それで彼女が少しでも癒されるなら、むしろ喜ぶべき事だ。
「(こんな事が気になるのは、俺はまだあずさを忘れ切れていないからかもな)」
 彼女が留守というだけであれこれ考えてしまう自分を、情けない男だと自嘲する。
 それ以前に電気が点いていないだけでは、もしかしたら早寝でもしたのかもしれないし、留守という証拠にはならない。
「(えぇい、やめだやめ! 俺は明日のことだけ考えていれば良いんだ)」
 一人頭を振ると、扉を開けて自室に入る。
 こういう時はシャワーでも浴びてすっきりするのが一番だ。


 耕治が可能性の一つとして考えた通り、あずさは暗い部屋の中ベッドで寝ていた。
 しかし、ベッドの中にいるのはあずさ一人ではないこと、そして彼女の隣りで寝ている人物が誰かなど、彼には夢想も出来ないだろう。


 浅い眠りについていた・・・というより、半覚醒状態でまどろんでいたあずさは、隣りの部屋の扉が開閉する音で目を覚ました。
 もう完全に見慣れた天井、実家から持ってきた寝具、時を刻む時計の音・・・普段と同じ自分の部屋だが、全裸で寝ている心許ない感覚と、半身に感じる温もりは、普段の目覚めと決定的に違う。
 右手の温かい重量に目を向けると、目の前に同じく全裸で横たわる美奈の笑顔があった。
 見る者全ての心を和ませる、天使のような微笑み。
「(天使? 堕天使の間違いね)」
 自分の思考を、あずさは心の中で皮肉に修正する。
 純粋さ故に狂気を孕んだ、愛らしい堕天使・・・ずっと一緒に生きてきたのに、今日ようやく気付いた彼女の本性は、そう呼ぶのが相応しいかもしれない。
 それでも妹を愛する気持ちが少しも衰えない・・・いや更に大きくなった自分は、既に同じ所へ堕ちているのだろう・・・あずさはそうとも思う。

 あずさが眠っている間、美奈は添い寝をしながら美しい寝顔に見蕩れていたが、目覚めた彼女を見ると、全てが美しい姉の身体の中でも特に瞳が一番綺麗だと感じる。
「お兄ちゃん、帰ってきたよ」
 姉が美しい瞳を自分に向けると、微笑みながら言う。
 それは、互いの体温を感じながら寝るこの温かい一時が、終わりの時間を迎えたという合図だ。
「ええ・・・そうね」
 耕治が帰宅した音をちゃんと認識していたのか、あずさは迷わず答える。
 その表情の中に、僅かに脅えのようなものが混じっているのを、美奈は目敏く見つけた。
 それも無理のないことだろう・・・美奈が彼女にした事と、これから自分達がすることを想うと。
「恐い? お姉ちゃん」
 布団の中で姉の手をそっと握りながら、美奈は尋ねる。
「・・・ううん・・・」
 その手を握り返し、あずさは首を左右に振ると、布団を跳ね除けて身を起こす。
 闇の中、滑らかな曲線で構成された白い裸体が、自ら光を発しているかのように浮かび上がる。
「ミーナが一緒だもの。何も恐いものなんて無いよ」
 何か吹っ切れたような、清々しい笑顔で語るあずさ。
 その姿は神々しいまでに美しいが、美奈には触れただけで壊れそうなほど儚く見えた。
 そう見えるのは・・・彼女がそこまで追い込まれたのは、自分の狂気に巻き込んだため。
「うん・・・」
 だから美奈は、精一杯の笑顔を姉に見せる。
 巻き込んだ本人が不安な顔をしては、姉はもっと不安になるだろうから。

 美奈もベッドの上に起き上がり、あずさに寄り添うと、全裸の姉妹はそっと唇を重ねる。
 互いの温もりを再確認し、心に湧き起こる不安を抑えるために。



第5話「心と身体」

「(ん〜〜と・・・何でこうなってるのかな?)」
 缶ビールを片手に、耕治は現在の状況に至った経緯を、何とか理解しようとする。
「あはははっ。飲んでるぅ? 耕治君」
「はいはい、飲んでますよ」
 寮に帰った後、葵が自室で飲み会を開き、それに引き込まれた。
 これはまあよくある事だ・・・毎晩とはいかないが、まあ週に2,3回はある。
「わぁ〜、耕治くん、いい飲みっぷりれぇ〜」
 既に酔っ払ってヘロヘロモード(?)の涼子と、薄めまくった・・・推定95%がグレープジュースの酎ハイをちびちび飲むあずさ。
 これも別に珍しくなく、変なのは・・・
「えへへ・・・お兄ちゃぁん♪」
 あずさのと同様の限りなくジュースに近い酎ハイで、何故か出来上がった美奈が、甘えた声で腕を首にまとわり付かせてきた。
 反対側の腕は、あずさの腕と絡み合っている。
「きゃっ。もうミーナ、危ないじゃない」
 美奈に引っ張られて、コップを口に付けていたあずさが酎ハイ(というかジュース)を零しかけて咎めるが、その口調は妙に機嫌が良さそうだ。
「えへへへへぇ。すりすり」
「あんっ、もう・・・うふふ」
 全く悪びれていない美奈は、猫のように頬を姉に擦り付けている。
「あらあらぁ〜、美奈ちゃんは猫ちゃんになったんれすかぁ〜」
「えへへ、そうですよ。にゃ〜ん。えへへへ」
 訳の分からない涼子のボケに、へらへら笑いながらボケで返す美奈。
 葵が飲み会にあずさを誘うと、美奈が遊びに来ていて、一緒に誘ったらしいのだが。
「(何故美奈が寮にいる? いや、それは別におかしくない。何故美奈とあずさが仲直りしている?)」
 以前のように・・・いや、以前以上に仲の良い日野森姉妹を、耕治は愕然とした気持ちで見詰めていた。
 彼が仕事に行っている間に、二人はとっくに仲直りしていたらしい。
 昨夜のあずさとの重々しい会話や、今日一日ずっと悩んでいた事が、全て徒労に終わった事に、耕治は何か釈然としない気持ちになる。
「(けどまぁ、二人がまた元の仲の良い姉妹に戻れて、本当に良かった)」
 幸福そうな姉妹の笑顔を見ていると、心底そう思う。
 今になって思うと、昨日の美奈の別れ際の奇妙な態度は、姉と仲直りをする糸口を見つけたからなのだろう。
 どんな裏技を使ったのか分からないが、たった一日でこれほど完全に仲が修復されるとは・・・女は分からない。
「(女心に鈍い朴念仁・・・か。潤の言う通りかもな)」
 じゃれ合う姉妹を見ながら、耕治はぼんやりと潤の言葉を思い出していた。


 この日の飲み会は、明日も仕事があるので、日が変わる前にお開きになった。
「じゃ、おやすみーっす」
「おやすみなさーい」
「えへへへへ、おやすみ〜♪」
 耕治、あずさ、美奈の三人は、一緒に葵の部屋を出た。
 酔っ払った美奈がへらへら笑いながら二人の間に挟まり、腕を組んでいる。
 とりあえず二人は、隣りの耕治の部屋を通り過ぎ、あずさの部屋まで美奈を運ぶ。
 一応美奈と耕治は世間公認の仲だが、養父母には今夜はあずさの部屋に泊まると言ってあるそうだし、一つ屋根の下に葵や涼子、それに実の姉がいては、ここは素直にあずさと一緒に寝るのが無難だろう。
「ねえ、お兄ちゃん・・・ちょっと話があるんだけど」
 扉の前まで来ると、不意に美奈が真面目な声で言う。
「ん?」
 耕治が見ると、酔っ払っていた筈の美奈の顔は、まだ頬に赤みが残っているものの、表情はいつの間にか素面になっていた。
 その様子にただならぬ物を感じ、一気に酔いが醒めた耕治は、あずさにも目を向けると、彼女は困ったような、不安なような、複雑な苦笑を向ける。
「一緒にお姉ちゃんの部屋に来てくれる?」
 耕治の腕を抱き締めながら、美奈がすがるような目で言う。
「ああ・・・良いよ」
 二人の様子から、かなり重い話なのだろうと察した耕治は、覚悟を決めると肯いた。


 三人一緒にあずさの部屋に入り、テーブルを囲んで座る。
 そのまま暫く、重い沈黙。
「お兄ちゃんは、美奈とお姉ちゃん、どっちが好き?」
 その後、単刀直入に美奈が問い掛ける。
「(うあ・・・こりゃまたストレートな・・・)」
 いきなりの問いに耕治は動揺するが、この話題は二人の様子から予測出来ていた。
「もちろん美奈だよ」
 だから彼は、用意していた答えを迷いなく言う。
「ん〜・・・」
 しかし美奈は、その答えが不満なのか、こめかみに指を当てて唸る。
 一方のあずさは、逆に少し安堵したような表情だ。
「(何だよ・・・この答えじゃ駄目なのか?)」
 美奈の奇妙な反応に、耕治は心の中でぼやく。
 確かに耕治は、美奈という恋人が居ながらあずさに浮気したが、だからといって美奈への想いが薄れたわけではないし、それにあずさとはもう”終わった”のだ。
 これはあずさ自身も望んだ事だし、それで全てが丸く収まる。
 そう、美奈が二人を許さないなら3人の関係は破局だが、美奈は耕治とあずさの関係に気付いても耕治と付き合うのを望んだし、これで美奈とあずさが仲直りしたのなら、これ以上ない程に収まったのだ。
「(収まっていない・・・か? 当然だな。それは虫が好すぎる。けど、美奈の様子は何か違うような気が・・・)」
「なら、お姉ちゃんのこと、好き?」
 時間にして2,3秒か・・・考え込んでいた耕治に浴びせられた、美奈の次の質問は、極めて答え難い物だった。
「そっ・・・なっ・・・」
 反射的に否定しようとしたが、言葉に詰まってしまう。
 あずさへの未練は、先程にも自覚したばかりだから。
 恋人に平気で心にもない事を言うには、彼はあらゆる意味で正直すぎた。
「どうなの?」
 表情だけで耕治は答えたようなものだが、美奈は身を乗り出して言葉を求める。
 耕治の見る限り、美奈の表情に憤怒の様子はないが、酒の入った彼女を見慣れていない以上、断言は出来ない。
 先程から黙っているあずさの表情は、困ったような、何かを期待しているような・・・良く分からない。
「(二人が何を考えてるか、さっぱり分からない・・・やっぱり俺って朴念仁か?)」
 バレバレの嘘をつくべきか、爆弾のような本心を述べるべきか・・・この対応を間違うと、美奈の怒りを買うような気がする。
 人生の分岐点になるかもしれない、究極の選択。
「好きだよ・・・美奈の次に」
 神か何かに祈りながら、耕治はぽつりと自分の本心を述べた。
 あずさの頬が、酒以外の物で少し朱に染まる。
 そして何故か、美奈も満面の笑みを浮かべた。
「うん♪ 美奈もお兄ちゃんとお姉ちゃん、どっちも大好きだよ」
 美奈は明るく言い切ると、耕治の首をそっと抱き寄せる。
「二人とも、大好き・・・愛してる」
 子供じみた口調から一転、耳元で艶めかしく囁かれると、耕治は心拍数が跳ね上がるのを抑えられない。
「美奈・・・酔ってるな?」
 動揺を抑え、なるべく平静な口調で言う。
「うん、酔ってる」
 素直に認める美奈だが、その口調に酔いは混じっていない。
「お姉ちゃんも、美奈とお兄ちゃんのどっちも好きなんだよね?」
「ええ・・・愛してる」
 美奈の問いに、間髪を置かず答えるあずさ。
 姉妹の言う『愛してる』に、耕治は普通の姉妹愛以外の物・・・何か危険な香りを感じる。
「二人とも・・・何か変だぞ」
「うん・・・だって酔ってるもん」
 耕治の疑問を酒のせいにして、美奈は更に強く抱きつく。
「いや、そうじゃなくて・・・んっ?」
 更に何か言おうとする耕治の口を、美奈の唇が塞ぐ。
 意外な場所でのキスに、耕治は反射的にはね除けようとするが、腕の中の美奈の身体が緊張で固くなっているのに気付き、何も出来なくなる。
 視線を巡らせて、妹のキスを見守るあずさと目が合うと、照れた苦笑を返してきた。
 開き直った耕治は美奈を受け入れ、姉参観の元、恋人と深い口付けを交わす。
 あずさの目の前で、美奈と口の中で舌を絡ませると、普段のキスとは違う奇妙な興奮を感じる。
「ぷはぁ・・・」
 だいたい20秒後、二人は唇を離し、数cmの距離で見詰め合う。
 頬を紅潮させて微笑む美奈だが、その瞳には普段と違う色が混ざっていた。
 不安と緊張、そして少しの期待の混じった、愛する少女の瞳。
 ふと見ると、あずさも同じ瞳を耕治に向けていた。
「愛し合う人が結ばれるのは、何も変じゃないよ」
 耕治だけでなく、この場の全員に・・・自分にも言い聞かせるように、美奈が囁く。
 いくら鈍い耕治でも、二人が何を求めているかは、もう大体分かっていた。
 その求めは、甘美な背徳の香りを漂わせている。
「でも、俺は美奈を・・・美奈だけを選んだんだよ」
 しかし耕治は、やんわりと拒絶の意思を示す。
 彼が二の足を踏むのは、世間体への不安と、自分の下卑た期待への反発だけではない。
 彼は一度、美奈だけを一途に愛すると決心したのだ。
「選ばないと駄目なの? 美奈はお姉ちゃんともずっと一緒に居たいのに」
「俺とあずさのした事を、美奈が許してくれるのは有り難いけど・・・そういう訳にもいかないだろう?」
「どうして? これからも美奈は構わないよ」
「けじめって言うか何て言うか・・・俺は美奈だけを愛するって決めたんだ」
 もはや耕治の拒絶は、半分以上意地からのものだ。
「それは嬉しいけど・・・お姉ちゃんと一緒にお兄ちゃんの物になれるなら、もっと嬉しいのに」
「物って・・・」
 自分を貶めるような表現を使う美奈に絶句し、耕治は横で黙っているあずさにも問う。
「あずさはそれで良いのか?」
 耕治に振られると、二人の話を聞いていたあずさは立ち上がり、美奈を後ろから抱き寄せて耕治から奪う。
「私は異論ないけど・・・耕治が嫌ならしょうがないわね」
 そう言いつつ、あずさは美奈の顎を引き寄せて軽く唇を合わせた。
「お姉ちゃ・・・んっ?」
 突然のキスに美奈は驚いて呻くが、全く抵抗はしない。
「私は勝手にミーナと愛し合うから、貴方は貴方でミーナを愛して良いわよ」
 一旦唇を離して言い捨てると、再びキスをしながら両手を胸に伸ばし、服の上から小さな乳房を弄る。
「あ・・・んっ」
 姉に弄ばれる美奈は、耕治に縋るような視線を向けながらも、なすがままになっている。
「お前ら・・・マジか?」
 妖しく絡み合う姉妹に、耕治は目を丸くして呟く。
 あずさの手付き、美奈の感じ方を見る限り、二人の性行為は明らかに初めてではない。
「ええ。私はもうミーナの虜。ミーナ無しでは生きていけない」
 迷いなく言うと、あずさは美奈のブラウスの裾から手を入れ、肌に直接触る。
「あっ・・・ふあっ!」
 控えめに喘ぐ美奈の胸が、服の中で揉まれているのが分かる。
 恋人とその姉のレズシーンに圧倒され、耕治は硬直していた。
 美奈を奪う、あずさをぶん殴る、怒鳴る、逃げ出す、泣く、笑う、駄々をこねる、ツッコミを入れるなど、様々な対応を考えるが、どれ一つ実行出来ない。
「ミーナとこうなるのは、私も想像していなかったし、望んでいなかった。でも耕治になら、望んで虜になっても良いわよ」
「なっ・・・」
 あずさの挑発に何か言い返そうとするが、その時彼女の不安に揺れる瞳に気付く。
 これがあずさの精一杯の強がりだと悟った耕治は、少なくともぶん殴るという選択を捨てた。
「おにいちゃ・・・あぁん・・・」
 耕治が硬直していると、美奈は甘えた声で彼を呼ぶ。
 その声と瞳は、視姦をしている時に似ていた。
 愛する男に全てを曝す悦びを覚えた、羞恥と快楽と媚びに染まった声と瞳。
 耕治は条件反射のように、愛しい少女の顔に引き寄せられる。
 ふと見ると、そのすぐ横のあずさの瞳にも、良く似た色が浮かんでいた。
 美少女姉妹が二人同時に誘いの視線を飛ばし、その破壊力に耕治の理性は打ち砕かれていく。
「本当に・・・良いのか? 俺は二人も支えられるような、強い男じゃないぞ」
 半ば姉妹の上に圧し掛かりながら、耕治は最後の確認をする。
「無理に一人で支えなくても・・・みんなで支え合えば、大丈夫だよ」
「そう、一人じゃないから・・・」
 美奈とあずさは、潤んだ瞳で交互に心の内を言う。
 それを聞いて、耕治も全てを受け入れた。

 愛しい少女達にキスをしようとするが、耕治は直前でどちらと先にしようか迷う。
 中途半端な二人の中間に顔が寄ると、姉妹は同時に唇を寄せた。
 三人同時のキスなど想像もしていなかった耕治は一瞬怯むが、寄り添うように並ぶ桜色の唇に魅せられ、自分もその仲間に入る。
「「「んっ・・・」」」
 吸い付くように三つの唇が重なり、遠慮がちに数度ついばんだ後、深く繋がろうと押し付け合うが、二人でするようには行かない。
 しかし口の外で三枚の舌を絡め合わせていると、異様な興奮を感じてきた。
 鼻の頭を突き合わせるのも、軟骨と吐息が絡むのがくすぐったく、もどかしい衝動を沸き起こす。
 その衝動に突き動かされて、耕治は右手で美奈を、左手であずさを抱き寄せると、美奈とあずさも手を背中に回してきた。
 姉妹の細い身体を両手に感じた耕治は、”両手に花”という言葉を具現化した状況に奇妙な興奮と満足感を覚え、残りの理性が霧散していく。
 美奈も信頼する者達に抱かれる安堵感に、あずさは失ったと思っていた温もりを二つ同時に得た充足感に酔う。
「んん・・・お兄ちゃん、お姉ちゃん・・・ちゅっ」
 二人の唇に吸い付いたまま、美奈は甘えた声で二人の名を呼ぶ。
「んぷっ・・・美奈・・・あずさ」
「ミーナ・・・耕治・・・んっ」
 それに答えるように、耕治とあずさも交互に呼び合う。
 そのまま三人は円陣を組んだように抱き合い、変則的な三人同時のキスをし続ける。
 若い身体は心が満たされると、次は身体も性的に満たされたいと思うものだ。
 耕治が名残惜しげに唇を離すと、美奈とあずさも一旦離れ、三人は欲情に染まった瞳で見詰め合うと、誰からとなく服を脱ぎ始める。
 焦ったように急いで着衣を脱ぎ捨てた三人は、示し合わせた訳でもないのに、何故かパンツと靴下を残していた。
 姉妹の裸体が並ぶのを見た耕治は、もう見慣れている筈だというのに、その美しさに改めて息を呑む。
 二人の肢体を見比べると、細い身体付きや肌の質感、桜色の乳輪など、姉妹故か共通点は意外に多いが、やはり全体の印象はかなり違う。
 それでもどちらかが見劣りするということはなく、美奈と並ぶことであずさの完成した美しさが映え、あずさと並ぶことで美奈の未熟な可憐さが引き立つ。
 あずさと美奈も、耕治の逞しい身体・・・特にトランクスを盛り上がらせていきり勃つ男根が、自分の姉妹の柔らかな肢体と並ぶのを見て、異様な興奮を覚えていた。
 目の前の愛する二人・・・血を分けた姉妹と好きになった男が、自分がそうしていたように、この肉の杭を軸に一つに繋がっていたのを想像すると、自然と下腹部が熱くなる。
 欲情に染まった視線を交わした後、耕治は姉妹の裸体を抱き寄せ、そっとベッドの上に横たえる・・・と、そこでまた耕治の動きが止まった。
 二つの肢体を前にして、初体験の童貞男のようにどうしたら良いか分からなくなったのだ。
 実際の初体験で、美奈と初めて抱き合った時は、緊張しまくった相手を前にすると、自分がしっかりしなくてはという意志が沸いて、落ち着いて愛撫できたのだが。
 とりあえず、四つ並んだ乳房のうち二つを両手に収め、美奈の固さの残る小さな膨らみと、あずさの柔らかさと張りの絶妙に混在した豊かな膨らみの感触を掌で確かめる。
 今まで何度も触れた、何度味わっても甘美な感触だが、二種類同時に味わうとまた新鮮な感動があった。
「あんっ・・・お兄ちゃん・・・」
「耕治・・・うんっ」
 二つの唇で吐息交じりに呼ばれ、四つの瞳に切なげに見詰められると、耕治の心の中でタガが外れ、大胆に二人の上に圧し掛かる。
 両手で乳房を愛撫しながら、空いている二つの乳房を交互に口に含み、乳首を吸ったり噛んだり舐めったりしていると、四つ全ての乳首が尖ってきた。
「ふあっ・・・あんっ!」
「んくっ・・・はんっ」
 高まってきた美奈とあずさは、自分の胸を耕治に押し付け、二人の乳房に挟まれた耕治は少し窒息する。
 その軽い息苦しさすら、今の彼には心地よい。
「(何か・・・もう俺、このまま死んでも良いかも・・・)」
 この柔らかい肉に挟まれて昇天できたら、どんなに幸せだろうと半分本気で思いながら、耕治は夢中になって乳首を吸い、空いている方の乳首に頬を擦り付ける。
 子供のように胸に顔を埋める耕治を、姉と二人で抱く美奈は、母性愛のような温かい感情を覚えていた。
 耕治とする美奈の性行為は、普段は”抱かれる”か”抱き付く”ばかりで、自分が彼を”抱く”という感覚は、今日初めて感じているのかもしれない。
「(何だかお兄ちゃん、可愛い。普段お兄ちゃんが美奈を抱くときも、こんな風に幸せなのかな?)」
 ちらりと横を見ると、あずさも慈愛の瞳を耕治に向けていた。
 同じ感覚を共有している姉妹が目を合わせると、どちらともなく唇を寄せキスをする。
「「ん・・・ぷっ」」
 姉妹の口から絡み合う唾液の音が立ち、二人の乳房に夢中になっていた耕治も、姉妹が頭上で口付けをしているのに気付く。
 自分の愛する少女達の、背徳の快楽に身を委ねる姿。
 女同士の・・・しかも姉妹でのディープキスという、常軌を逸した行動をとる二人の姿が、耕治の目には感動するほど美しく映る。
 その光景に羨望すら感じ、何故か僅かな疎外感を覚えて、邪魔をするように二人の股間へ手を伸ばす。
「「あひゃんっ!」」
 下着の上から、すでに潤み始めていた秘部にいきなり触れられ、美奈とあずさは可愛い声で喘ぐ。
 耕治の狙い通り口付けを中断させた二人が、求めるような瞳を向けると、それに答えて指で同時に姉妹の秘裂をなぞる。
「あ・・・あぁっ! おにいちゃぁんっ」
「ふあんっ! 耕治ぃ・・・」
 この状況に興奮して普段以上に敏感になっている美奈とあずさは、単純な刺激だけで蜜を溢れさせ下着を濡らしていく。
 両手で別々の少女の秘裂を愛撫しながら、耕治は口で四つの乳房を自由に舐め、美奈とあずさの肢体を贅沢に味わう。
「あっく・・・はぁっ!」
 二人の下着がびちゃびちゃに濡れた頃、美奈は耕治の指にあわせて自分から腰を動かし始めた。
「あはぁっ! あんっ」
 それを見たあずさも、対抗するように腰を振り、耕治の指で快楽を貪る。
 姉妹が十分濡れたのを感じると、耕治は一旦愛撫の手を止め、美奈のショーツに手を掛けると、下着を一気に引き降ろした。
「んっく・・・」
 びしょ濡れの秘裂が露わになって、美奈は羞恥に息を呑むが、脚を閉じずに軽く開いたまま、自分の最も恥ずかしい個所を耕治の視線に曝す。
 何度も耕治を受け入れているが、若さゆえにまだ鮮やかな桜色を保っている美奈の媚肉が、蜜に濡れて輝いている。
 更に潤んでいく幼い肉の花を確認してから、耕治はあずさの下着にも手を掛け、同じように脱がす。
「ふぅっ・・・」
 美奈ほどに身体を曝すのに慣れていないあずさは、太腿をぴったり閉じて耕治の視線から秘所を守る。
 それでも白い下腹部と、濡れて肌に張り付いた陰毛は、耕治の目には十分に色っぽい。
「綺麗だ・・・二人とも」
 姉妹の生まれたままの姿の美しさに、耕治は改めて感嘆の声を漏らした。
 そのまま少し二人の肢体に見蕩れた後、耕治は姉妹の下半身を濡らす蜜に惹かれるように顔を近づけ、少しだけ多く濡れている美奈の脚を押し広げる。
 大きく広げられた美奈の股間から、幼い容姿からは想像も出来ないほど淫靡な”女”の匂いが立ち込め、耕治は大きく息を吸い込んでその心地よい香りを鼻腔で味わう。
 自分の匂いをあからさまに嗅がれるのは、女性にとってはこの世で最も恥ずかしい行為の一つかもしれない。
「ううぅ・・・」
 美奈は泣きたい程の羞恥に呻くが、耕治に軽く押さえられているだけの脚は全く閉じようとしない。
 美奈の匂いを堪能した耕治は、次はあずさの股間に顔を近づけ、太腿の間に手を差し込んで開こうとする。
「あっ・・・」
 彼の美奈への仕打ちを見ていたあずさは、脚に力を入れて抵抗するが、どうしても侵入を許した手の厚みの分は広げられてしまう。
 美奈と違い微かな抵抗を示すあずさに、耕治は微かに開いた股間に顔を押し入れ、陰毛に鼻を突っ込んでこれ見よがしに匂いを嗅ぐ。
「ひっ・・・?」
 異常な行為に小さな悲鳴を上げ、あずさは両手で耕治の頭を押し退けようとするが、耕治は更に股間へ鼻を押し付けてあずさの匂いを嗅ぐ。
 姉妹だけあって二人の香りは良く似ているが、こうして比べると微妙に違う。
「やっ・・・やだぁ・・・」
 あまりの羞恥にあずさは身悶えるが、それと同時に何か異常な高揚感を自覚していた。
 その証拠に、耕治の頭を除けようとする手には全く力が入っていない。
「お願い、もう止めて・・・ねぇ」
 あずさが子供のように半泣きで請うと、やり過ぎたと気付いた耕治は股間から顔を離し、あずさに顔を寄せる。
「ごめん、ちょっと調子に乗ってた・・・んっ?」
 耕治が謝ると、あずさは耕治に抱き付いて唇を押し付け、すがるようなキスをして来た。
 自分も美奈のように羞恥心を快楽に感じる身体になる予感がして、それを心のどこかで期待しているのが恐いあずさは、耕治にすがり付くことで不安を忘れようとしているのだ。
 それを察した耕治は熱く濃厚なキスを返し、美奈も横からあずさの頬や口元にキスをして、二人交代であずさの顔全体にキスの雨を降らせる。
「んっぷ・・・ふあぁ・・・」
 愛する二人に何度もキスをして貰い、自分が愛されているという実感で胸一杯の幸福感を得たあずさは、全ての不安を忘れていく。
 はち切れそうに勃起した自分自身が窮屈になった耕治は、あずさへのキスを中断してトランクスを脱ぎ去った。
 耕治の反り返った先走りで濡れ光る肉棒が現れるのを、姉妹はキスをしながら息を呑んで見守る。
 もう見慣れた耕治の男根を、美奈はその色と狂暴さと頼もしさで、心の中で赤鬼と形容していた。
 自分に・・・今は自分と姉に最高の快楽を与えてくれる、少し恐いけど優しくて逞しい赤鬼さん。
「お兄ちゃん・・・凄い」
 天井を向くそれに引き付けられるように、美奈はふらふらと耕治の股間に近づく。
 いきり立つ男根を手に取った美奈は、舌を這わせて表面を濡らす先走りを舐め取ると、亀頭を小さな口に含む。
「あっ、ミーナ・・・そんなことまでするの?」
 何の抵抗も無く男に奉仕する妹に、あずさは目を丸くして驚く。
「んぷ? うん、お兄ちゃんにも気持ちよくなって欲しいもん」
 さも当然のように、美奈はあずさに言う。
「ひょっとしてお姉ちゃん、お口でしたこと無い?」
「そう言われると、あずさにはして貰ったこと無いな」
 美奈のあずさへの問いに、耕治が横から答える。
 その事は耕治にとって、別に大した意味はなかった。
 頼めばして貰えたかもしれないが、無理にして貰わなくてもあずさの肢体は十分以上に快楽を与えてくれたし、あの時の”あずさを慰める”という想いがその事を忘れさせていたのだろう。
 いや、もしかしたら美奈への気兼ねが、あずさからの愛撫を無意識に拒絶していたのかもしれない。
 しかしあずさは、今まで自分が一方的に愛撫を受けているだけだったような気がしてきた。
 性行為とは、愛する者同士が快楽を分かち合ってこそ意味がある・・・それが先程の美奈との行為で得た、あずさの実感だ。
 しかし耕治に奉仕する美奈を見ると、それ以前の自分は男の奉仕を受けていただけの、身勝手な女だったような気がしてくる。
 だからこそ耕治と知り合う以前に付き合った彼氏とも、あっさり破局が来てしまった・・・あずさはそんな妄想に囚われて、今までの自分を後悔した。
「お姉ちゃんも、一緒にする?」
「え?・・・うん」
 姉の様子を敏感に察し、美奈が誘いをかけると、あずさは素直に美奈に従い、並んで耕治の前に跪く。
 二人の美少女に間近で見詰められ、敏感な皮膚に吐息がかかると、限界まで起った男根に更に血が集まり、ピクンと上に跳ねる。
 赤く充血した耕治の分身を、あずさは何か不思議な物のように見ていた。
 何度も見たが間近でじっくり見るのは始めての、見れば見るほど奇妙な形のそれは、槍のように凶暴な存在感を誇示しながらも、どこか愛らしさを感じる。
「まずは、軽く握ってみて」
「・・・うん」
 フェラチオに関しては先輩の美奈が、姉に指導するように男根に小さな手をかけると、あずさは熱く火照った肉の棒をそっと握る。
 自分から触れるのは初めてだが、性行為は何度も経験しているので、この程度なら抵抗はない。
「それで、手で擦りながら舐めるの。・・・ちゅっ」
 竿を握るあずさの手を上から握って上下にしごかせながら、美奈は亀頭に数回キスをして、舌を這わせはじめる。
 妹のピンク色の舌が凶ヶしい男根を懸命に舐める様子に、あずさは複雑な想いを感じながらも、自分もそれに習って唇を男根に近づける。
「んちゅっ・・・」
 何度か恐る恐る口付けし、意を決して舐めてみると、耕治の先走りの味に混じって、先に舐めた美奈の唾液の味がした。
 もう馴染んだ妹の味が、初体験の奇妙な味への抵抗感を薄れさせる。
「あふっ・・・ふはぁ・・・んぷっ」
 すぐにあずさは自分から手を上下に動かし、美奈のするように大胆に舌を這わせ始めた。
「んっ、んちゅっ・・・れろ・・・んふぅ、んぷっ」
 美奈も姉に負けないように、更に男根に舌を絡める。
 もう口での行為に抵抗のなくなったあずさを教えるのに、言葉は必要ない。
 尿道口を穿り、亀頭のエラ周りを舐め回し、裏筋を上下に舐める・・・美奈の舌が這った後を、あずさの舌が追いかけていく。
「ちゅっ・・・ちゅばっ」
「んちゅぅっ・・・ぷっ」
 美奈が竿にキスマークを付けるように唇で吸うと、あずさも亀頭に同じ事をする。
 美奈が空いている手で袋に触れると、あずさも袋を手に取り、姉妹は二つの玉を片側ずつ優しく揉む。
「くぅっ・・・!」
 美少女二人に熱の入った奉仕を受けて、堪らないのは耕治だった。
 二人の可愛い顔が寄り添い合うように自分のモノに近づき、可憐な二つの口としなやかな四つの手が、思い思いの動きで弱い個所を刺激するのだ。
 昨日美奈に三度も射精していなければ、とっくに暴発していただろう。
「ふあぁ・・・」
「んふぅ・・・はぁ」
 気を抜けば二人の熱い吐息だけでも達しそうになるが、それでも初めてフェラチオをするあずさが満足するまで持たせようと、二人の頭を撫で髪を弄び、何とか気を紛らわせて最後の瞬間を先送りする。
「んぷっ・・・んくっ、んぷっ、じゅぷっ」
 美奈が先端から男根を飲み込み、頭を振り口の中で舌と頬の裏を使って刺激する。
「ぷはぁっ・・・」
 数回ストロークすると男根を吐き出し、じっと見ていた姉に同じ事を促す。
「んく・・・あふぅっ」
 あずさも大きな亀頭を口に含み、口の中で愛撫してみる。
「歯を立てないように・・・舌を絡ませて吸いながら、頭を振ってみて。あふっ」
 美奈は口の中で見えない部分のやり方を姉に教え、自分は下に潜り込むようにして袋を口に含む。
「んっく、んぷっ、んぽっ、じゅぷっ、あくっ」
 美奈の指示通り、あずさは亀頭を吸い込みながら舌を絡ませ、頭を激しく振る。
 その動きは、初めてとは思えないほど堂に入ったものだ。
「ふぅっっ! あずさ、美奈・・・もう・・・」
 堪らず我慢の限界を超えた耕治は、二人の頭を押さえて射精が近いことを伝える。
「あふっ、じゅぷ、んぽっ、じゅぷっ、あぷっ、んんっ」
 自分の口で耕治が感じているのが嬉しいあずさは、構わず男根をしゃぶり続ける。
「れろ・・・ちゅぱっ、ちゅるっ、んぷ・・・んぱっ」
 姉が口で耕治を受け止める気になったのを察した美奈は、更に激しく袋をしゃぶり、耕治の射精を促す。
 姉妹の息の合った口撃に、耕治はあっさり止めを刺された。
「うおっ、出る! あずさっ!! 美奈ぁっ!!」
 咆哮交じりに二人の名を呼び、耕治は体液をあずさの口腔に射精する。
「んふぅっ!?」
 精液に予想以上の勢いで喉を撃たれ、あずさは思わず口を離す。
 外に出されても耕治の男根は断続的に射精し、あずさと美奈の顔に白濁液を降りかける。
「っくっ・・・!」
 自分の体液が美しい姉妹を汚す様子を見て、耕治は更に大量の精液を放つ。
「あっ・・・あぁっ・・・」
 男根が精を放つのを初めて目の当たりにしたあずさは、その不思議な光景に心を奪われ、顔や胸に飛ぶ精液を呆然と受け止める。
「あんっ・・・はぁ・・・」
 顔射は初めての美奈も、精液を絞り出すように耕治の竿をしごきながら、熱い液体が顔にかかるのを奇妙な高揚と共に受け止めた。
「「「はぁ・・・」」」
 長い射精が終わってからも、三人は異常な興奮の余韻に溺れるるが、誰からともなく溜め息を吐いてから少しずつ正常な判断が戻ってくると、自分達の惨状に気付く。
「いっぱい・・・出たね」
 髪の毛に付いた精液を気にしながら、美奈は自分と姉を汚す体液の量に感心して呟く。
「あぁ・・・」
 何と言って良いのか分からず、耕治もとりあえず同意する。
 彼がまだ若いとはいえ、昨日三度も射精した事を考えれば、この量は驚異的とも言えるだろう。
 一方あずさは、初フェラチオと初顔射の衝撃からまだ立ち直れていない。
 美奈はティッシュを取ると、まだ呆然としているあずさの顔を拭いてやる。
「あっ・・・?」
 妹に顔を拭われてようやく我に返ったあずさは、自分もティッシュを取って美奈の髪の毛に付いた精液を念入りに拭う。
 自分の体液を拭き合う姉妹を妙に可愛いと思いながら、耕治もシーツや自分のモノを拭く。
「あ、待ってお兄ちゃん。美奈が・・・んぷっ」
 姉に飛び散った精液をほぼ拭き終えた美奈は、自分の処理をする耕治を止めると、まだ硬度を保つ肉棒を口に含み、精液を舌で舐め取る。
 平気で男の体液を口にする妹に驚きながらも、あずさも手に取ったティッシュが限界になると、美奈の頬に残った精液を舌で拭う。
 口に広がる奇妙な味にももう慣れ、あずさは躊躇なく美奈に付いた耕治の体液を飲み込んでいく。
「んむっ・・・ぷふっ・・・ちゅっ」
 頬を舐められて嬉しそうに目を細めた美奈が、耕治の男根から口を離して姉の頬の精液を拭いた跡を舐めると、あずさは妹と交代して男根に舌を這わす。
「(ミーナと耕治の味がする・・・美味しい)」
 美奈の唾液と耕治の精液の混じった味を、あずさは本気で美味いと思う。
「んっ・・・ぺろっ」
 美味しそうに舐める姉を見て、美奈も男根に舌を伸ばし、姉妹は夢中になって耕治の肉棒を舐め上げる。
「ふうっ・・・もういいよ、二人とも」
 射精直後の敏感な分身を二枚の可愛い舌に舐められて、再び高まってきた耕治は、両手で二人の頭を抑える。
「あふっ・・・んぷっ」
 しかし美奈は、耕治の手に逆らって男根を飲み込み。口の中で丁寧に舐め回す。
「くっ・・・! 美奈、それ以上されると・・・」
「あんっ・・・」
 暴発寸前の耕治は、快楽に喘ぎながら美奈を制止し、まだ男根を舐めていたいあずさも、妹の抜け駆けに不満の鼻声を出す。
「んぱぁ・・・きれいにして置かないと、美奈は大丈夫だけど、お姉ちゃんは危ないからね」
 一通り舐め終えてから男根を口から離し、美奈は微笑みながら二人に言う。
「あっ・・・そうね」
「ゴムはもう無いからな」
 彼女の言う通り、避妊薬を服用している美奈は問題ないが、あずさの膣内に精液まみれの男根を膣内に入れるのは妊娠の危険が大きい。
 最近は必要なかったコンドームはもう残っていないし、すぐ近くのコンビニに行けば売っているが、一度盛り上がった行為を中断して買いに行くのは何となく煩わしい。
「気が利くな、美奈は。偉いぞ」
「そうそう、偉い偉い」
 納得した耕治とあずさは、二人で美奈の頭を撫でる。
「えへへ・・・きゃんっ?」
 誉められて照れ笑いを浮かべる美奈だが、唐突にあずさに押し倒された。
「良い子のミーナに、ご褒美をあげる・・・んっ」
 囁いてから、あずさは美奈の桜色の乳首を口に含む。
「あっ・・・おねえちゃ・・・ふあっ!」
「そうだな、俺からもプレゼントさせてくれ」
 耕治もあずさの”ご褒美”に乗って、美奈の脚を押し開いて股間の中心に咲く可憐な花に舌を這わせ始めた。
 フェラチオをして興奮したのか、先程以上に溢れている蜜を舐め取り、舌先で淫核を探し出して舐め回す。
 あずさも舌と唇を巧みに使い、両方の乳首を交互に刺激していく。
「ふあんっ! あっ・・・ああぁっ!」
 二人懸かりで敏感な個所を責められて、美奈は強すぎる快楽に肢体をくねらせる。
 何度味わっても飽きない美奈の蜜液を啜りながら、耕治は隣りで突き出されて揺れているあずさの美尻にも目を向け、その奥に指を伸ばす。
「ひゃっ? ああんっ」
 不意打ちで敏感な個所に触れられて、あずさの口から悲鳴のような嬌声が漏れる。
 耕治は美奈の淫核の包皮を唇で剥いて吸い上げ、美奈と同様に熱く濡れたあずさの秘裂を指の腹で撫で、淫核を指先で転がす。
「あっく・・・ふあぁぁんっ!」
「あふぅっ・・・はぁんっ!」
 最も敏感な個所を愛撫され、美奈とあずさは同時に甘い喘ぎ声を上げる。
 二人の淫靡な合唱を心地よく聞きながら、耕治は美奈から口を離すと、今度はあずさの秘部に舌を伸ばす。
 姉妹の愛液は、ほとんど同じ味だが微かに・・・形容できないほど微妙に差があった。
「ふはぁっ!」
「あんん・・・」
 二人の違いを味覚で確認しながら、愛撫を中断されて不満そうに鼻で鳴く美奈の秘裂に人差し指と中指を挿入し、あずさの淫核を美奈と同様に包皮を唇で剥く。
「あはぁぁっ・・・!」
「きゃふぅっ!」
 十分以上に濡れた美奈の膣は指二本を簡単に受け入れ、限界まで勃起していたあずさの肉芽は剥かれただけで凄まじい刺激を感じ、二人は甲高い嬌声で悦ぶ。
「っっくっ・・・はぁっ!」
 露出した肉芽を耕治が吸い上げると、美奈の乳首を愛撫していたあずさも刺激に耐えられなくなり、崩れ落ちるように美奈に抱き付く。
 たっぷりとあずさの肉芽をしゃぶった後、耕治は口を離して秘裂に指を挿入し、重なり合う姉妹を指で同時に犯す。
「「あぁっ、んふっ! あふっ! んはぁっ!」」
 耕治の目の前で、姉妹の肢体が絡み合い、腰だけでなく全身が指に合わせて蠢く。
「(いや・・・違う?)」
 あまりにも淫猥な光景に見蕩れていた耕治だが、美奈とあずさが自分の指だけで悶えているのではない事に気付く。
 姉妹は耕治の指を感じながら、強く抱き合い自分達の乳房を擦り付け合っていたのだ。
 二人の肢体の間で大きさの違う乳房が潰れ、絡み、弾け合い、その度に姉妹が甘い声を発する姿に興奮した耕治は、二人の膣から指を抜いてその様子に魅入る。
「あんんっ・・・おにいちゃぁん・・・」
「やだ・・・止めないで・・・」
 秘裂への刺激を中断された美奈とあずさは、欲情に潤んだ瞳を耕治に向けて、それでも僅かに残った羞恥心で控えめに腰をくねらせて愛撫をねだる。
 愛液で濡れて輝く姉妹の性器が、上下に並んで卑猥に蠢くのを見ると、何となく耕治は上のあずさの尻を美奈に押し付けて、二人の秘裂を密着させた。
「「あっ・・・」」
 美奈とあずさは相手の濡れた部分を自分の秘所で感じ、先程耕治が帰る前に愛し合った時の、全身が粘膜になったような凄まじい快楽を思い出すと、第三者の視線に遠慮しながらもどちらからとなく腰を蠢かせ始めた。
「「あふっ! あはぁぁっ!」」
 二人の股間がぬちゃぬちゃと派手に水音を立て、口からも甲高い嬌声が上がる。
 快楽を貪り合う美少女姉妹の姿に圧倒されながら、耕治は重なった秘裂を覗き込む。
 二つの白く可愛い尻が卑猥に蠢き、鮮やかな肉色の粘膜がぐちょぐちょに濡れて絡み合う様子は、女性に慣れていない男なら見ただけで射精しそうな程淫靡だ。
 そこから立ち昇るむせ返るような二人分の女の香りに惹かれて、耕治は顔を近づけ舌を伸ばす。
「「ひゃうっ!」」
 とめどない快楽の湧き起こっていた個所に、新たな生温かい刺激を感じ、姉妹は同時に嬌声を上げる。
 舌に感じた美奈とあずさの蜜液が混じった味は、形容できないほど甘美だった。
 舌を上下させるだけで、二人の秘裂を同時に舐めることが出来るという贅沢さに魅せられて、耕治は夢中になって二人の秘裂を舐め、愛液を啜る。
「あっ・・・あぁっ!」
「ふはあぁっ!」
 美奈とあずさは耕治の舌を感じながら、自分達の肢体を擦り付け合う。
「あっ・・・おねえ・・・おにいちゃん! 美奈、もう・・・」
「はうぅっ・・・私も・・・ミーナ、耕治ぃっ・・・!」
 絶頂寸前まで昇り詰めた姉妹は、切羽詰まった声で訴える。
 その声を聞いても耕治は舌の動きを緩めず、逆に更に激しく舐め上げていく。
「やっ・・・ホント、もう・・・イっちゃうっ・・・!」
「あんっ! だめぇぇっ!」
 耕治の肉棒でイきたいという意識のある二人は、何とか最後の瞬間に耐えようとするが、その抵抗も一瞬だけで、すぐに肉欲に身を委ねて快楽を求め合う。
「ふあっ! イク! うあっ・・・ああぁぁっ!!」
「あっくっ・・・ああぁぁぁぁっっ!!」
 数秒後、美奈とあずさはほぼ同時に絶頂に達し、二人の秘裂から大量の愛液が飛ぶ。
 喉を鳴らしてそれを飲み込んだ耕治は、身を起こして姉妹を見下ろす。
「「はあ、はあ、はあ、はあ・・・」」
 荒い息と共に上下する肩、汗に濡れ光る紅潮してピンク色に染まった肌、快楽の余韻に震える腰・・・ぐったりして重なり合う、美しい二人の肢体。
 その艶めかしさに狂おしいほど興奮しながらも、耕治は何処か冷静な自分を感じていた。
 だからこそ二人の肢体の上に圧し掛かる時も、細く儚げな少女達が・・・特に一番下になる美奈が、自分の体重で潰れないように気を配る余裕があった。
「「あっ・・・」」
 絶頂の余韻で朦朧としていた二人は、姉妹で抱き合う上から耕治の太い腕で抱かれて、期待に濡れた瞳を同時に向ける。
 その視線に目で答えながら、耕治ははちきれんばかりの怒張を重なり合った下腹部の間に挿入した。
 唾液の乾いた肉棒に蜜液を付けるだけのつもりだったが、薄く脂肪の付いた柔らかい腹の間は、汗と愛液で滑りが良く、細い恥毛が絡み付いて、意外なほど気持ち良い。
 二人の体温を同時に感じられるという事も、興奮に拍車をかける。
「「あふんんっ・・・」」
 熱く固い肉棒を下腹部に感じて、美奈とあずさはそれに自分の割れ目を擦り付ける。
「くっ・・・」
 熱を帯びた媚肉で挟まれると、思わず呻き声が上がる程甘美な感触が肉棒に与えられ、耕治はそのまま膣に入れたように腰を振る。
 美奈とあずさも割れ目を擦られてそこそこ気持ち良いが、自分を擦る物がその上を行く快楽を与えてくれると知っている肉体はこの程度で満足しない。
「あんっ、お兄ちゃん・・・美奈、欲しい・・・」
 遂に耐え切れなくなり、美奈は顔を赤らめながら懇願をする。
「わ・・・私も・・・欲しい・・・耕治ぃ」
 美奈のおねだりに触発されて、あずさも消えそうな声で欲望を伝える。
 二人の願いを無視できるほど耕治の意志は強くなく、またそんな無駄をするほど愚かでもない。
 耕治は肉棒を二人の間から引き抜くと、下にある美奈の割れ目に押し付け、亀頭で膣口をこじ開ける。
「うっく・・・あはぁぁっっ!!」
 狭い膣壁を掻き分けて肉棒が進入してくると、美奈は全身を仰け反らす。
 やがて亀頭の先端が行き止まりに着くが、耕治は体勢を調節して更に奥へ進み、やがて固い子宮の入り口に達する。
「ふはっ! あっ、熱っ・・・ああっ!」
 最奥まで貫かれた美奈は、全身の熱に喘ぎながら腕を伸ばし、自分の上に乗っている姉と耕治の身体を抱く。
「ミーナ・・・あっ?」
 愉悦の表情を浮かべる妹を羨ましそうに見詰めていたあずさの尻を、耕治の手が上から押してきた。
 美奈との結合部にあずさの秘裂を押し付けると、耕治は大きく腰を降る。
「ふぅっ! ああぁっ!」
「あんっ!」
 耕治の亀頭が美奈の膣内を行き来し、同時に二人の性器があずさの割れ目を擦る。
「あぁっ! 太・・・いいっ!」
 敏感になっている為か、それとも実際に興奮して大きくなっているのか、美奈には耕治の男根が普段以上に太く感じられた。
「擦れるっ・・・あぁっ!」
 耕治の動きに押されてあずさの腰が振られ、美奈の恥毛と媚肉だけでなく、耕治の肉棒も秘所を擦る。
「あぁ・・・美奈、あずさ・・・」
 熱くきつい美奈の膣だけでなく、あずさの割れ目を竿で感じて、耕治は至高の快楽に酔う。
 このまま射精したい欲望に逆らって、耕治は一旦美奈の膣から男根を引き抜き、あずさの秘裂に押し付ける。
「「ああっ・・・」」
 美奈の不満の、あずさの期待の声を聞きながら、耕治は腰を前に進めた。
「あっ・・・入って・・・はぁっ!」
 あずさは感嘆に身を震わせながら、耕治を受け入れていく。
 十分以上に濡れ解れていても、若い膣はほぼ一ヶ月ぶりの挿入に微かな痛みと違和感を感じるが、高まりきった性感はそれすらも快楽と知覚する。
「す・・・凄い・・・くはぁぁっ!!」
 奥まで貫かれただけで軽くイったあずさを、耕治は容赦無く突き回す。
 久しぶりに感じる狭さと柔らかさの両立したあずさの膣は、美奈とはまた違う快楽を耕治に与える。
「あ・・・あぁんっ」
 美奈は自分から二人の結合部に股間を擦り付け、姉と恋人の性交に参加する。
 肉棒であずさの膣を味わっていた耕治は、竿の根元と袋に美奈の媚肉を感じると、あずさから引き抜いて再び美奈へ挿入した。
「あっ・・・やだぁ・・・」
「ふはっ! ああぁぁっ!!」
 もう少しでまたイキそうだったあずさは物欲しげに腰をくねらせ、望んでいたモノを与えられた美奈は歓喜に身をくねらせる。
「うぅっ・・ぃっくぅっ・・・! あぁぁぁっ!!」
 耕治のモノが数回行き来しただけで、興奮しきっていた美奈は絶頂に達した。
「ふぅっ・・・!」
 射精を求めて蠢く膣壁に耐えながら数回突いた耕治は、肉棒を美奈から抜いて一旦休む。
「あふぅ・・・あぁぁ」
 身体が火照ったままのあずさは、乳房と割れ目を妹に擦り付けて疼きを収めようとする。
「ふあぁ・・・んっ・・・!」
 その刺激で再び高まって来た美奈も、身体を揺らしながら姉と口付けを交わす。
 慰め合う姉妹の淫靡な姿に惹かれて、耕治は射精感の収まりきる前に二人へ覆い被さり、姉妹の邪魔をしないようにあずさへ挿入する。
「んはうっ! ミーナ・・・耕治ぃ!」
 美奈と肢体を絡めたまま、耕治にも胎内へ進入され、あずさは信じられないほどの快楽に翻弄される。
「やっ・・・! ダメ、駄目ぇぇっ!!」
 全身に与えられる強すぎる刺激に、あずさは思わず拒絶の声を出すが、肢体は快楽を求めて卑猥に蠢く。
「あっ・・・! あんっ! おにいちゃん、おねえちゃん・・・んんっ!」
 上に乗った二人の動きで全身を愛撫されている美奈は、二人にしがみ付きながら姉の肩越しに耕治とキスする。
「あっ、私も・・・はふぅっ、んちゅ!」
 顔のすぐ横で行われる口付けにあずさも参加を求め、三人は快楽に喘ぎながら舌を絡ませ合う。
「んぱっ! あっ・・・ちゅぷ! んふぁぁぁぁっっっ!!!」
 快楽の限界を超えたあずさは、二人に唇を押し付けながら絶頂の嬌声を上げた。
「くはっ・・・!」
 耕治もあずさの絶頂の締め付けで限界に達し、それでも何とか堪えながらあずさから引き抜き、美奈へ挿入すると射精のための律動をする。
 自分の快楽だけを考えた耕治の動きも、すでに絶頂近い美奈には十分な快楽だった。
「あうっ! おにいちゃ・・・ふひゃっ!!」
 脚を耕治に絡ませて精一杯腰を蠢かせながら、愛する男の呼び名を叫ぼうとした美奈の膣内に、耕治の熱い体液が弾ける。
「くっ・・・美奈!!」
 呻きながら射精を開始した耕治は、腰が抜けそうなほどの快楽を感じながら、何度も断続的に大量の精液を美奈の中へ注ぎ込む。
「あっ、熱っ・・・あっ! ああぁぁぁあぁっ!!!」
 膣奥を精液で撃たれて、その熱さと勢いで美奈も絶頂に達し、腕と脚で全力で姉と恋人を抱き締めた。
「あっ・・・あぁっ・・・はぁ・・・」
 快楽に全身を震えさせた美奈の手足から糸が切れるように力が抜けると、抱き締められていたあずさがぐったりしたまま美奈の上からずり落ちる。
 しばらく美奈の中に挿入したまま余韻を味わった耕治も、力を使い果たしてベッドの上に倒れ込む。
「美奈・・・あずさ・・・」
 荒い吐息を吐きながら、耕治は美奈の頭に鼻を押し付けて髪の匂いを吸い込み、腕を伸ばして美奈越しにあずさの身体を撫でる。
「「ん・・・」」
 朦朧としながらそれを感じた美奈とあずさは、太い腕に自分の腕を絡め、そのまま三人は互いの体温と吐息を感じながら、溶け合うように意識を沈めていく。
 それは性交とはまた違う心と身体の交わりのように思え、三人はその心地良さに身を任せていった。

「・・・ありがとう・・・」
 眠りに落ちる直前、耕治はそんな声を聞いたような気がする。
「(ありがとうって、何だ? 俺は何もしていない・・・してやれなかったのに)」
 その礼の意味は・・・どちらが言ったのか・・・そもそも本当に聞いたのか・・・
 疑問を確かめる前に、疲れとアルコールに侵された耕治の意識は、深い眠りへと溶けた。

Piaキャロ2R 第5話「心と身体」

[ Back ]