ドアを開けるのも、一苦労だった。
 手足に力が入らない。
 疲れているんじゃない。ものすごく億劫なんだ。
 渇く。
 喉が渇く。
 この渇きを癒すことだけに、僕の全神経が集中している……そんな感覚かな。
 玄関にしゃがみ込んだまま、僕は1歩も動けなかった。
 まぁ、いいや。
 どうせ、獲物は向こうからやってくるんだしね。
 僕の意思とは無関係に……

「帰ってきたのか藤一郎よ。はよう食事の支度をして、その後で特訓の続きをやるのぢゃ」

 ちょこん、と居間兼自室兼客間兼寝室から玄関に顔だけを見せた樹羅夢姫――いや、ジャム姫は、

「!?!?ぢゃ〜〜〜!!その格好はどうしたのぢゃ藤一郎よ!!!」

 エルフ耳をぴーんと立てて、驚愕の叫び声を上げた。
 まぁ、無理も無いだろうね。

「その血塗れの格好はどうしたのぢゃ!?」

 大丈夫だよ。全部返り血だから。

「転んで擦りむいたのか!?」

 がくっ

 ……あのねぇ。

「とにかく、急いで傷の手当てをするのぢゃ――」

 あはは。こんな僕でも心配してくれるんだ。嬉しいなぁ。
 でも……

「ストップ」

 トコトコと僕の傍に近付いてきたジャム姫は、僕の一喝で固まった。
 でも……だからこそ、彼女を僕の獲物にする訳にはいかないんだ。

「ど、どうしたのぢゃ?」
「……ゴメン、もう特訓の続きはできそうにないよ」
「なぜなのぢゃ!?」
「そんな状況じゃ無くなるからね……」

 瞼を閉じたまま、僕は天井を仰いだ。
 15年前と同じだった。
 さっき、僕が直接手をかけたのは、不思議な技を使う奇妙なコスプレをした2人組みと、軍人みたいな人達だけなんだけど……どうせ、それ以外の人も僕が殺した事になるんだろう。
 間違ってはいない。
 その人達が生きていたら、間違い無く僕が皆殺しにしていただろうから……
 明日の朝には、世界中の軍隊と退魔師と戦闘能力者が集結して、僕を滅ぼしに来るんだろうなぁ。さすがに『2度目』は許してくれないだろう。
 あ、でも……そうすると、また、あの『極東魔女』に会えるのかな。それだけが唯一の楽しみだね。どうせ他の連中は、血の渇きを潤す獲物にしかならないだろうし。
 それよりも、早くこの近所から、できるだけ遠くに離れなくっちゃ。他の何が犠牲になろうとも、セリナさん達だけには、迷惑をかける訳にはいかない。
 セリナさん達に、僕の本性を知られる訳にはいかない。
 アンコさんには、バレてるみたいだけどね……

「ここでお別れだよ。ジャム姫」
「ぢゃ!?」
「僕はちょっと用事ができて、遠くに離れなくっちゃならないんだ。ジャム姫は、セリナさんの所に――」
「同族を殺したのぢゃな」

 背筋に電流が走った。

「同族殺しの責が、身近の者に及ぶのを、恐れているのぢゃな」

 どこか悟ったような表情で、ジャム姫が近付いてくる。

「来るな!!」

 何年ぶりかの、本気の怒声だった。

「これ以上近付いたら、僕は君を――!!」
「殺すのか?ふふん♪」
「!!」

 僕の叫びに全く臆する事無く、ジャム姫はシニカルな笑みを浮かべている。

「やはり愚かな地球人類ぢゃな。木龍族であるわらわを、本気で殺せると思っているのか?」
「あ……」

 ちょこんと、ジャム姫は僕の膝の上に腰掛けた。僕を見上げるジャム姫の綺麗な瞳の光に、僕は本気でドキリとする。

「……でも、なぜ僕が殺人を犯した事がわかったの?」
「ハッタリに決まっておろう。本当にそうぢゃったのか」
「…………」

 何とも言えない沈黙が流れた気がする。こういうのを、天使が通り過ぎる時って言うんだっけ?確か、昔読んだ本に、そう書いてあったような――

「それにしても、一体なにがあったのぢゃ?わらわに話してみるがよい」
「……ええと……」

 普段のジャム姫と変わらない、タカビーで高慢な口調――でも、その中に、どこか温かさを覚えた僕は、請われるままにさっきの出来事を語り始めた……

「――そうぢゃったのか」
「そうなんだよ」

 僕の凄惨な話を聞き終えても、ジャム姫の瞳は綺麗でタカビーで――そして優しかった。

「ぢゃが、それだけではよくわからぬな。その15年前の出来事とは、一体なんなのぢゃ?」

 ははは、やっぱりその話もしなくちゃいけないんだね。
 でも――この話をしたら、今度こそジャム姫は僕の傍から離れていくだろう。
 それが残念なのか――それを期待しているのか――今の僕には、よくわからない。

「……ちょっと、長い話になるよ」

 僕は瞳を閉じて、再び天井を仰いだ。
 電灯の明かりが瞼を通して、真紅のスクリーンを彩る……


「……僕には、妹がいた。
 とても、とても、かわいい妹だったんだ。
 僕は妹を愛していた。妹も僕を愛してくれた。
 今思えば、それは兄妹の範疇を超えていたかもしれない。
 可愛くて、恋しくて、愛らしくて……
 そして、僕は愛するあまり……
 気がついた時、僕は妹の生首を抱擁していた。
 全身を、彼女の鮮血に染めて。
 14歳の、秋の夜だった。
 ……後に、僕を診察した医者は、僕は生まれつき、ある種の精神病に犯されているって判断したよ。
 人間なら愛情の範囲に収まる常識的なレベルでも、一度性的な興奮状態に陥ると、その相手をズタズタに引き裂いて、惨殺せずにいられない。それでも性的興奮が収まらなければ、目に付く全ての生き物を殺さずにはいられない……ってね。
 要するに、狂っているんだよ。僕は。
 妹を殺した僕は、逆に完全にやけっぱちになっていた。愛しい妹がいない世の中なんて、滅びてしまえばいい……そんな狂気に囚われていたんだ。ははは、幼稚で馬鹿な発想だよね?我ながら恥ずかしいな。
 でも、それは妄執では終わらなかったんだ。
 最初は、僕を治療しようとした医者だった。
 片手を振り払うだけで、彼等はバラバラになったよ。
 次は、警察がやってきた。
 医者と同じ結果になった。
 次は、完全武装した機動隊だ。
 結果は変わらなかった。
 僕を捕まえようとする行為は、むしろ僕を煽るだけだったね。
 東京は――当時、僕はそこに住んでいた――一夜で火の海に被い尽くされた。
 自衛隊、国連軍、退魔師、超常戦闘能力者――僕をやっつけようとする連中は、どんどんエスカレートしていった。
 でも、結果は同じだったんだ。
 ちょっと片手で撫でるだけで、どんな相手もバラバラに吹き飛んじゃうし、逆に僕はどんな攻撃を食らっても、まるで平気なんだよ。不思議だね。
 1ヶ月間、僕は殺して殺して殺しまくった。
 でも、そんな馬鹿な我侭が、いつまでもまかり通るわけが無いよね。
 殺戮に狂う僕――その時には、僕は理由も忘れて、ただ殺す事だけに夢中になっていた――の前に、『彼女』が現れたんだ。
 綺麗な女性だった。今でも彼女の姿ははっきりと思い出せる。
 『“極東魔女”(ファー・イースト・ウィッチ)』……そう、彼女は呼ばれていた。
 彼女との戦いは、ノンストップで半年以上に及んだそうだ。日本の地図を描き変える羽目になるほどの、激闘の末――
 僕は、彼女に負けた。
 ほとんど相打ちだったそうだけどね。
 やっと、僕の暴走は止まったんだ。
 当然だけど、僕は世界最悪の危険人物として、完全に滅ぼされる事になった。
 でも、どんな処置をしても僕は死なないし、封印したり異世界に追放したり存在概念レベルで消滅させる事もできなかった。
 結局、僕はその『極東魔女』さんに監視されるという条件で、釈放されたんだ。なにせ、どうしても僕を滅ぼせないのだから仕方ない。むしろ、下手に刺激して、僕が再び暴れる事を恐れたみたいだね。
 後に、この1件を『死天事件』って呼ぶ事になったらしい。僕も『“死殺天人”(シャアティェンレン)』なんて渾名をつけられた。大層で物騒な名前だよねぇ……
 それから15年間――僕は名前を変えて、図々しくも平穏な生活を送っているよ。情報操作のお陰で、僕の正体はほとんど世間には知られていないしね。
 ……でも、それも今までの話だ。
 ついに、本当の僕が目覚めちゃったんだから……」

 ……全てを語り終えた僕は、俯きながら長い長い溜息を吐いた。
 こんな僕の、あさましい正体を知った樹羅夢姫を――僕は直視する勇気は無いよ。
 1週間前とは、ちょうど逆の立場だ。でも、僕の方はとても立ち直れそうに無い。僕の心は彼女ほど強くはないんだ……

「な〜んぢゃ。そんな事か」

 ……その一言を聞くまでは。

「へ?」
「ちょっと変わった性癖を持っているだけではないか。深刻ぶっているから、どんな話かと思ったら……バカバカしいのぢゃ」
「……え〜と……」
「そんなつまらん事を気にしてどーする。わらわの悩みの方がよっぽど深刻なのじゃ」
「……だからぁ……」

 さっきとは違う意味で、僕は完全に固まっていた。
 頭の中を、シラケ鳥が飛んでいくような感覚……ううう、せっかく僕にしてはシリアスな雰囲気だったのに……

「そんな事よりも、わらわの話を聞くのぢゃ」
「……ハイです……」

 どっと力が抜ける。
 ……あ〜あ、何だかどうでもよくなってきたなぁ。

「お主の話を聞いて、ピンと閃いたのぢゃ。わらわとお主の問題を、一気に解決する方法があるのぢゃ」
「真実と書いてホント?」
「ホントぢゃ。龍族には『他の生き物の生命力を奪い、一時的に肉体を急速進化させる』という技があるのぢゃ。これならばわらわも成体になれるかもしれないのぢゃ!!」
「へぇ……それって一体どうやるの?」
「お主にはわかるまい。愚かな地球人類には想像もできぬであろう、龍族にのみ伝わる究極奥義ぢゃ……ふっふっふ」
「他の生き物の生命力を奪うんだから……Hして精気を奪うとか?ははは」

 自分でもテキトーな返答だった。思ったより、精神的疲労も大きいのかもしれない。
 あのねぇ、龍族の究極奥義なんて、僕にわかるわけないでしょう?
 ……だ・け・ど……

「ぢゃ〜〜〜!?!?ななななぜそれを知っておるのぢゃ!?龍族の究極奥義なのにぃ!!」

 鹿角をブンブン振り回して、ジャム姫は膝の上で跳び上がった。そのビックリ仰天な表情には、演技はまるで見当たらない……
 僕は眉の間を押さえた。
 ……あのぉ、それってH漫画やHゲームなどのジャンルでは、超々ありがちな展開なんですけど……龍族って、想像以上に単純なんだね……

「何をブツブツ呟いておるのぢゃ」
「……いやぁ、ちょっと眩暈がして……あれ?でもそんな奥義があるのだったら、なぜ今までそれをやろうとしなかったの?」
「ぎくっ」
「もしかして……忘れていたとか?」
「ぎくぎくっ……う、五月蝿いのぢゃ!!」
「はぁ……って、あれ?つまり、もしかして、ひょっとすると……僕とジャム姫で!?」
「それ以外の誰がやるというのぢゃ」

 あっけらかんとジャム姫は言ってのけた。
 ……今の僕は、さぞかしマヌケな表情なんだろうなぁ。
 ジャム姫と……僕が……ヤルの!?
 身長30cmサイズのジャム姫とどうやってぇ?……いやいや、そういう問題じゃなくって……あああ!!何だかパニクってるぅ!!

「よーするに、お主は溜まっているものを吐き出せば元に戻るのぢゃろう?わらわは精気を吸収して元の姿に戻れる。お主は欲求不満を解消できる。一石二鳥なのぢゃ」

 僕とHするという事に対して、何の感慨も無いらしいジャム姫……いや、龍族の性に関するモラルが人間とは全然違うのかな?う〜ん、やっぱり人外さんなんだなぁ。
 でも……

「でも……相手が僕なんかでいいの?」
「精気を取れるなら、誰でもいいのぢゃ」

 がくっ
 即答だったよ。トホホ……

「……えぇと……ぢゃがな……」

 ここで、始めてジャム姫は恥ずかしそうな表情を浮かべた。そっぽを向いて、顔を少し赤くしている。
 うう……カワイイ……

「お主がどうしてもイヤだと言うのなら、止めてやってもよいのぢゃ……何せ、わらわはこんな外見ぢゃからな……」

 あ、僕にも拒否権があったんだ。
 う〜〜ん、でもねぇ……

「いやぁ、そういう問題じゃなくて、ジャム姫と僕の大きさが問題なんじゃ――」
「何を言っておる。そんな事関係無かろうが」
「へ?」
「お主もはっきり言ったらどうぢゃ?こんな髪の女はイヤぢゃとな」

 自虐的な笑みを浮かべて、ジャム姫は自分の髪を乱暴に梳いた。
 肩口で切り揃えている、青味のある黒髪――え〜と、ボキャブラリーの貧困な僕には上手く描写できないけど、僕が見てきた髪の中でも、セリナさんの次――いいや、匹敵するくらいに綺麗な髪だと思うけど。
 僕がその事を正直に伝えると、ジャム姫は一瞬、ぽかんと僕の顔を見ていたけど、

「――見え透いた御世辞はやめるのぢゃ!!こんな髪の短い女が可愛いわけが無いのぢゃ!!」

 激しく僕の胸をポカポカ殴り始めた。
 へ?髪が短いから可愛くないってどういう事?

「もしかして……龍族って、髪の長さが美しさの基準なわけ?」
「あたりまえなのぢゃ!!木龍族にはそれが常識なのぢゃ!!」

 たはは……やっぱり人外さんなんだね。
 そういえば、ジャム姫って容姿にコンプレックスがあるみたいなんだよね。地元では苛められていたみたいだし。
 でもね、それなら……

「ジャム姫は可愛いよ」
「ぢゃ?」
「ジャム姫は本当に可愛いよ」
「…………」
「ジャム姫は世界で一番可愛いよ。僕が知る女性の中でも最高だよ」
「……ぢゃぢゃ……な、なんだか妙な気分なのぢゃ……そんな事言われたのは初めてなのぢゃ……はっ!?」

 小さくなってモジモジしていたジャム姫は、また顔を真っ赤にして僕を睨みつけた。

「ふ、ふん!!当然なのぢゃ!!わらわは偉大なる木龍族が第一皇女なのぢゃぞ!!」

 うんうん。それでこそジャム姫だね。
 さて、今度は僕の番かな……

「でも、本当に僕でいいのかな?」
「今更何を言っておるのぢゃ」
「さっき言ったように、僕は相手をズタズタに虐殺しなくちゃ性的興奮を得られないんだよ?つまり、僕は君を……」
「案ずるな。わらわは不死の身体ぢゃ。そして――」

 背伸びしたジャム姫は、僕の頬に両手を当てて、

「わらわは女ぢゃ。男の全てを受け入れられる存在、それが女ぢゃ。だから、そんなに苦しまなくともよい。わらわに委ねるのぢゃ。藤一郎……」

 本当に優しく、僕に微笑んでくれたんだ。
 それを見て、僕は悟った。
 僕の告白をはぐらかしてくれたのも、僕を受け入れてくれるのも、僕を慰めるためだって。
 我侭で、タカビーで、高慢で、ドジで、いじっぱいなジャム姫……
 そんな彼女は、本当に、本当に、優しい子なんだ……
 僕は瞳をぎゅっと閉じた。
 そうだね。これしか方法も無いみたいだし……できるだけ、彼女を気遣って、彼女を思って、彼女を受け入れて――
 ――彼女を壊そう。

「僕の愛し方は、激しいよ。文字通り、君の心と身体を引き裂くだろう」
「その程度、わらわには平気の平左なのぢゃ」
「本当に耐えられない時は、いつでも『本当にダメ!!』って言ってね。すぐ中止するから……たぶん、ね」
「無用な忠告なのぢゃ」

 ボリュームのある胸元に、そっと指を這わせる。
 小さな身体が、ぷるっと震えた。

「ジャム姫……いくよ」
「い、いつでも来い!!なのぢゃ……」

 ゆっくりと、僕の瞳が開く。
 御剣 刀一郎の瞳が――


※※※※※



 指をクニクニと動かすと、彼女の胸は小さな癖にぽよぽよとよく弾む。上等なマシュマロより柔らかく、それでいてしっかりとした弾力を僕に伝えてくれる。

「ぢゃ…くすぐったいのぢゃ…」

 彼女がイヤイヤをするように身体を揺らす。僕はそんなことは無視して、無言で正座をしている彼女の太股の間に中指を差し入れた。

「ぢゃぢゃ?!…そ…そこは…」
「ん?どうしたの?」
「そ…そこは、その………ごにょごにょ…」

 僕はそんな彼女を愛しげに見つめながら、中指を鍵状に曲げ、そのまま急に手を上に持っていく。

「ぢ…ぢゃ……っ!」

 突然、彼女の顔が苦痛に歪む。
 無理も無い。軽いとは言え、彼女の全体重が、彼女のスリットに浅く差し込まれた中指一本に集中しているから。
 僕の指先…いや、正確には爪先かな?そこに、彼女がまだ処女であることを示す物の感触をはっきりと感じ取ることができた。

「つ…ぅ……ぢゃ…っ…」
「痛い?…でもね、ココも良く解してあげないとね、それに…」
「……??」

 彼女は必死に両手を僕の手に突っ張らせて、何とか体重がかからない様に、と努力をする。でも、僕はそれに合わせて少しずつ、中指を立てていく。

「とっても気持ちよさそうだよ」
「ぢゃぢゃ……そんな…ことっ!…ない…のぢゃ…」
「だって…ほら、身体は正直だよ?」

 ちょっとオヤジくさい台詞かな?とは僕も思ったけど、彼女は両目にいっぱい涙をためているのに、僕の指先からはクチョクチョという音が、はっきりと聞こえてくる様になっている。

「は…ぁ……ぁ…っ!」
「ほら、きちんと支えないと…ジャム姫の処女、僕の指で貰っちゃってもいいの?……まぁ僕は構わないけどね」

 中指の先だけをクリクリ動かしながら、僕は彼女に問い掛けた…けど、彼女は答える余裕も無いのか、腕を力いっぱい突っ張らせたまま、僕の指で喘いでいた。
 華奢な2本の腕はプルプルを震え、痛みからか大粒の涙をポロポロと流しながらも、彼女は僕の責めを甘受している。それどころか、彼女の身体の震えに共鳴して揺れる、豊かな胸の先端は小さいながらもはっきりとその存在を自己主張していた。

―はぁ…あっ…はっ…―

 小さくてか細い喘ぎ声が、小さな部屋に響く。

『…感じている…』

 彼女は間違い無く、恐らくは初めて体験している快感、そしてそれを綯い交ぜにしている苦痛を同時に感じながら、明らかに快楽を感じている。

「ジャム姫…」
「な…な…ん…ぢゃっ!?」

 僕は彼女に話し掛けるのと同時に、中指をいきなり突き上げる。その拍子に彼女は飛び上がる様に前につんのめると…手近にあったものにしがみついた。

「………ぢゃ?」
「ジャム姫、何につかまってるのかな?」
「ぢ……ぢゃっ?!…こ…これは…」

 そう、彼女はちょっと前に出しておいた僕のモノにしっかりとつかまってしまったんだ…って僕にとっては嬉しい状態なんだけどね。

「ぢゃぢゃ…」

 彼女は真っ赤になりながらも、僕のモノをじっと見つめていた。

「ジャム姫…僕のを奉仕してくれないかな?」
「ほ…奉仕とな…?」
「そう、ジャム姫の口と舌で僕のモノをなめたり、咥えたりして僕を気持ち良くして欲しいんだ…できるでしょう?」
「も…もちろんなのぢゃ!わらわは偉大なる木龍族が第一皇女なのぢゃぞ!!…」

 顔を真っ赤にしながらも、照れ隠しなのか自信たっぷりに彼女は言う。

「そう…じゃぁお願いするよ…でも…」
「ぢゃ?」
「もし、僕が満足できなかったら…『お仕置き』…だからね?」
「ぢゃ…わかったのぢゃ!」

 威勢はいいものの、彼女はおそるおそる僕のモノに抱きつき、先端の尿道口にキスをする。まるで、本当の唇にキスをする様に唇を合わせ、小さな舌を差し込む。

「ちゅっ…んっ…ちゅぷっ…」
「へぇ…」

 彼女の舌使い…というか身体使いは優しく、僕を確実に喜ばせていた。

「んっ…ぺろっ……ここは…あむっ…どう、ぢゃ?」

 そう言うと、首の部分を唇で甘噛みする。

「ん…気持ち良いよ…」
「そ…そうか…ぢゃ?」

 顔を耳まで赤くしながら照れる彼女。やっぱり可愛いなぁ…でも…

「でもね…やっぱりこれくらいじゃ僕は満足できないよ」
「な…なぜぢゃ!?この木龍族が第一皇女の奉仕が気に入らないと申すか!?」
「そうじゃないんだ…十分気持ち良いよ。でもね…」

 その時の目は、どんな物だったのか僕も良く覚えていない。けど、まるで兎が猛獣に襲われたときのような、恐れと…そしてある種の期待が込められた目を、確かに彼女はしていた。

「やっぱり…ジャム姫の泣き顔を見ないと、満足できないんだ」
「ぢゃ………ひぎぃぃっ!!」

 まるでネズミを握り潰した時のような悲鳴を上げて、彼女は僕のモノにしがみ付き、爪を立てて苦痛に耐える。僕に加えられるそんな痛みも、彼女の涙を見る僕にとっては、快感のスパイスでしかなかった。

「ひぎっ……抜いて…抜いてなのぢゃ…」
「ダメだよ、それに…まだ奉仕を止めて良いなんて一言も言ってないよ?」

 さっきまで彼女のクレバスを苛めていた中指は、今度はお尻の穴に第二間接まで一気に埋め込まれていた。
 本来繰り返し拡張することで、ようやく物を飲み込めるようになるそこに、一切の調教も無くあまりにも太いものが差し込まれたため、穴の周囲の筋肉がプチプチと音を立て、皮膚が裂けていく。

「ほら、感じる?ジャム姫のお尻の穴が、僕の指をこんなに飲みこんじゃってるよ」
「んっ、んっ…ん〜っ!」

 彼女は律儀に、僕のモノへの愛撫を止めずに、舌を這わせ、口付けをしたまま必死になって首を縦に振る。
 お尻の穴の傷口から流れてきた鮮血が、僕の指を伝わり手のひらに流れる。普通なら何でも無い液体が流れる感触の他に、僕は確実に血の暖かさを感じていた。

「い…痛……いのぢゃ…」

 僕のモノにペロペロと舌を這わせながら、彼女は涙目で僕に訴える。

「うん、痛そうだね…でもさ…」
「んっ…ぴちゃ……ぢゃぢゃ!?」

 微笑みかけながら、僕は薬指を彼女のスリットに擦りつける。そこは、さっき弄っていた時よりもはっきり分かるぐらい濡れ、そこから滲み出した愛液は筋となって太股を伝っているのがよく分かった。

「ここはこんなに濡れているんだね…」
「そそそ…それは………んぎゅっ!!」
「痛くされて、気持ち良くさせられて、嘗めさせられて…感じてるんでしょ?」

 ゆっくりと、かき混ぜる様に中指を動かして、それにあわせて薬指も動かす。

「んふっ!んあぁっ!!」

 また少し、鮮血が僕の指を伝う。彼女の純真さを証明するような鮮やかな紅。
 彼女はそんな中にあって、苦痛で止めど無く涙を流しながらも全身を桜色にして、なおかつうっとりとした表情で僕のモノを奉仕する。

「ふ…不思議なのぢゃ…痛くて…苦しいのに…そなたの指がわらわの中で動くたびに…身体の奥が…」
「気持ち良いんだね、ジャム姫」
「そ…そうぢゃ…そなたの…そなたのだから…っ!」

 彼女が僕に微笑みかける。苦痛と快感で満たされた瞳で。
 それはまさに、被虐の喜びの扉に手をかけた者の表情だった。

「嬉しいよ、ジャム姫…その顔…好きだよ」
「!?…いま…今何とい…ぎぃっ!!」
「もっともっと…壊したくなる…」

 僕は彼女に微笑みかけながら、中指を根元まで押し込んだ。彼女の血で、大した抵抗も無く彼女の体温をもっと感じることができるようになった。

「あ…あぐ…お、お尻が…」
「広がってるでしょう。もっと広げてあげるね、僕のモノが入るように…」
「こ、こんなものがわらわの中に入るのか?」
「うん、今いきなり入れてあげても良いけど、そうしたらジャム姫二つに裂けちゃいそうだし…僕は構わないけど、さすがにジャム姫が可哀想だし…」
「そ…そなた…」
「それとも、入れられたくない?」

 そう聞くと、彼女は耳まで真っ赤にして、

「そそそ…そんなこと……あいや、別に嫌とかそういうわけではないのぢゃぞ…でもこんな大きいのを……そうではなくでぢゃな…」
「あははは、大丈夫。どんなに嫌がっても、入れてあげるよ……一つになろうよ」
「…………う…ん…」

 やっぱり可愛いなぁ…幸せになってくる。
 僕を受け入れて、受け止めてくれる。

「じゃぁ、僕のを入れるんだから、ここは綺麗にしないとね…」
「え…んくっ!」

 僕は彼女の中に入っていた指を、捻りながら抜くと、近くにおいてるコンビニで買ってきた250ml牛乳パックを取ると、プスッとストローを突き刺した。

「な…何をするのぢゃ?」
「こうするの」

 そう言うと、ストローの吸い口を彼女のお尻の穴に突き刺し、そのまま牛乳パックを逆さにした。

「ひぃっ!や、やめるのぢゃ!抜くのぢゃ!」
「ダメ」
「そ、そんな…?……は、はいってくるのぢゃ…」

 僕は彼女に牛乳を注ぎ込んでいく。見る見るうちに彼女のお腹は膨れ上がり、まるで彼女がお腹いっぱい物を食べたときみたいだ。

「ほら、お口と手で、もっとして欲しいな…ジャム姫にしてもらうと、凄く気持ち良いんだ。」
「ひぐ…く…苦し………ぴちゃっ…ちゅ…ぺろっ…」

 浣腸されながらも、彼女は健気に僕のモノに奉仕する。
 その間も牛乳はどんどん彼女の中に注ぎ込まれ、彼女を圧迫していく。あ、今グルグルってお腹が鳴った。

「…くすっ」
「き…聞いたなっ!…聞くなっ!笑うなぁっ!」

 泣きながら抗議するけど、牛乳のせいか迫力が無い。

「ごめんごめん、でももうちょっとだし、我慢してね」
「む…ぐすっ……ぺろっ…ぴちゃっ…ちゅるっ!」

 すると、彼女は立ちあがって僕の先端を集中して嘗め始めた。特に一番先端の割れ目に舌を差込み、そこから染み出してくる液をすする。


「あ…っ!ジャム姫!」
「わ…わらわだって…さっきからずっと嘗めていたのぢゃぞ?そなたの弱いところくらいわかるのぢゃ」

 得意げに先端を攻めつづける。

「ふふふ…それに…熱くて…こうするともっときもちいいのぢゃ…」

 そして、ちょうどくびれた部分に、彼女の柔らかい胸と固くなった乳首が擦りつけられる。

「んちゅるっ!…くちゅっ………!?…んあぁっ!」
「どうしたの?ジャム姫」
「おなかが…おなかが苦しくて…もう我慢できないのぢゃっ!」

 血の気が引いた表情で、僕に訴える。

「そう、でも我慢してね。我慢すればするほど、気持ち良くなるから」
「で…でも…っぢゃ…!」

 彼女は耐えきれなくなって、四つん這いになってイヤイヤと首を振る。

「しょうがないなぁ…」
「ひぐっ…ああぁぁっ!」

 僕はストローを抜くと、素早く中指を彼女のお尻の穴に付き入れた。こうすればどんなに彼女が出そうとしても出せないしね。

「な…何をするのぢゃ…」
「こうすれば、出したくても出せないでしょ?でも、不思議だよね…」
「何がぢゃ……ふあぁぁっ!」

 そう言いながら空いた手の人差し指で彼女のスリットを擦ると、そこはもうグチャグチャに濡れていた。

「凄く苦しいはずなのに、感じてるんだね…ほら、聞こえるでしょ?グチャグチャって、厭らしい音が」
「き…聞こえるのぢゃ……はずかしいのぢゃ…」
「でもね、足元が水溜りみたいになってるよ…」

 僕が言った通り、彼女の足元は小さな水溜りみたいになっていた。

「苦しくて…気持ち良いのぢゃ……でも、もう…」
「我慢できない?」
「そうぢゃ…何とかしてほしいのじゃ…」
「じゃ、胸を突き出してみて」
「へ?」

 激しい苦痛に耐えながらも、彼女は膝立ちになって大人しく胸を突き出す。両手で豊かな胸を奉げて、さらに胸を強調するようなポーズは、おっぱい星人を自負する僕にとってとても魅惑的なポーズだ。

「そう、絶対に動かないでね」
「…ぢゃ?」

 僕は、右手に持ったものを彼女に見せると、彼女は顔を青ざめる。

「そ…それは何ぢゃ?」
「見た通り、畳針だよ」
「な、何に使うのぢゃ?」

 巨大な汗を後頭部に張り付かせて、引きつった笑みを浮かべながら彼女は僕に問い掛ける。でも、僕は何も答えずに、針の先端を彼女の小さくてかわいい乳首に近づけていった。

「ひっ!や…やめるのぢゃ…」
「だーめ」

 彼女は恐怖に震えながらも、僕の言ったことを守って微動だにしないで胸を突き出している。
 そして、僕はそんな彼女の表情を見つめながら…笑顔で針をゆっくりと乳首の根元に刺していった。

「ひっ!!……あああぁぁぁっっ!!!!」

 パクパクと、まるで酸素が足りなくなった金魚の様に、口を明けて、痛みに耐えようとしている。そして、胸を寄せるようにしてもう一つの乳首にも。

「くうっ………!!」

 少しは痛みに慣れたんだろうか、ちょっとうめいただけで、叫び声を上げることは無かった。そして、針の両端にストッパーをつけて、針が抜けないようにする。

「痛い…のぢゃ…」

 一言つぶやくと、左目から一筋の涙を流す。僕はその涙を唇でそっと受け止めると、そのまま彼女にキスをした。大きさがぜんぜん違うものだから、チュッと軽いキスしか出来ないけど。

「………あっ!!!」
「ん?どうしたの?ジャム姫」

 何かを思い出したように声を上げると、彼女は僕を見つめて、

「そそそ、そなた、今ききき…『きす』をしたであろう!?」
「う…うん…したけど…何か?」
「い…今のはわらわの『ふぁーすときす』ぢゃぞ!」
「ふ〜ん…そうなんだ………ってえええ〜っ!?」
「どうするつもりぢゃ?責任をとってくれるのか?」

 こんな状況なのに、キスが初めてだった…っていうのもどうかと思うけど、でもやっぱり彼女は可愛い女の子だったんだ…って再確認させてくれる。

「大丈夫だよ、ジャム姫…」
「ぢゃ?」
「大事に…大切に…壊してあげるから…」

 そう言って軽く舌を出して、小さなジャム姫の唇に割り込ませる。そして、優しく彼女の唇を開かせて、中の薄くて小さい舌先に触れる。
 ほのかに甘く感じる彼女の唾液と、柔らかい舌が僕の舌と触れ合い、くすぐり合う。

「んっ…ちゅ…んぷっ…」
「ん〜っ…ん…ちゅくっ…」

 やがて、どちらとも無く離れると、二人の唇の間には、銀色に輝く橋がかかっていた。そして、お互いにみつめあうと、微笑みを交わす。

「…くすっ…」
「あははっ」
「もうだいぶ痛みが引いたみたいだね」

 僕が畳針をちょんちょんと引っ張ると、さっきまで泣いていた彼女が嘘みたいに、熱い息を吐いて反応していた。

「はっ…あっ…な…何だか、そんなに痛くは無いのぢゃが…じんじんして、熱くなってくるのぢゃ…」
「いい傾向だよ、ジャム姫…こっちはどう?」
「あっ!ひぁっ!だめなのぢゃっ!お尻は、もれそうなのぢゃっ!」

 胸責めと、キスで忘れかけていた便意を、左手で思い出させてあげる。

「そうみたいだね…でも、もうちょっと我慢してね…そうだ、これならまだ耐えられるでしょ」

―ズグッ!―

「ひっぐぅぅっ!!」

 中指だけではなく、人差し指もお尻の穴に挿し込んであげる。

「は…あっ…」

 限界ギリギリまで耐えている彼女の表情を見ながら、僕は彼女の柔らかな胸に舌を這わせる。乳首を貫いたためにできた血の筋を、丹念に…丹念に舐め取っていく。
 血の香りと、香をかすかに焚いたような香りのする汗を感じると、僕の興奮は更に高まっていった。

「はぁ…くぅ…んっ!」
「ぴちゃっ…ぺろっ…ジャム姫の血、おいしいよ…」
「ふぁ…へ…変なことを言うなぢゃ…そなたのココも、熱くて…」

 細くて、今にも折れてしまいそうな指が、僕のモノの優しく擦っていく。そして、僕の一番先端にある割れ目に軽く指を差し込むと、そこから分泌されるぬるぬるとした液を指に絡めながら、僕を愛撫している。

「ふふっ…そなたのココ、わらわと同じでヌルヌルぢゃ…」

 粘液を弄びながら楽しそうに、そしていやらしく笑うと、そのまま唇にもっていく。

「ちゅるっ…くちゅ…ぴちゃっ…不思議な味ぢゃ…身体がどんどん熱くなる…」

 その粘液を唇に擦りつけ、唇で弄ぶ彼女は、とても淫らで、そして美しかった。触れてはいけない芸術品のような…そして、たまらなく壊してしまいたくなるような。

「そろそろ…いいかな?」
「ぴちゃ…ん?なにがぢゃ……ぢゃ!?だめなのぢゃ!いま指をぬいたら…もらしてしまうのぢゃっ!!」
「うん、だから僕に見せてよ。ジャム姫がおもらしするところ…」

 僕がゆっくり指を抜こうとすると、彼女はお尻をキュッと締めて必死で抵抗するけど、牛乳で濡れた僕の指は、ヌルヌルと根元から姿を現していく。

「ちょ…ちょっと止めるのぢゃっ!」
「ん?どうしたの、ジャム姫?」
「このままでは…このままでは床にもらしてしまうのぢゃっ!」
「大丈夫だよ、ホラこれにすれば…」

 そう言って、彼女の股の間に紙コップを置いてあげる。

「そそそ…そう言う問題ではないのぢゃっ!」
「でもさ、ジャム姫?もう我慢できないんでしょう?出したいでしょ?お尻の穴、ピクピクさせてさ」

 今度は指を思いっきり出し入れしてあげる。時々、指を交差したり、捻ったり、中で2本の指を開いたり。暫くそうしていると、たまらず彼女が叫び出した。

「ゆ………ゆびを抜くのぢゃっ!もう…もう我慢できぬっ!はやく…早く抜くのぢゃっ!」
「あれ…どうしたのジャム姫…こんなところでしたくなかったんじゃないの?」
「そ…んなことはどうでも良いのぢゃ…もう…本当にがまんが…」

 彼女はもう、紙コップを跨ぐ様に腰掛けて、お尻の穴を苛めている僕を振り返り、顔を紅潮させながら僕に命令する。

「でも…何か違うと思わない?」
「な、何がぢゃ?」
「浣腸したのも僕、指を入れているのも僕なんだから、指を抜くのも僕の自由で良いよね?ジャム姫に『命令』されたって、どうしたって」

 我ながら、無茶苦茶な理論だ。浣腸だって、お尻を責めているのだって、僕が無理矢理している事なのに。
 でも、そんな言葉に絶望し、牛乳の圧力と指の刺激、そして出すところを僕に見られるかもしれないというこの現状が、彼女を快楽に堕としているのは、その表情とスリットから溢れ出す愛液がはっきりと示していた。

「はぁ…はぁ…わ、わかったのぢゃ…」
「…何が?」
「…………ぬいてください……なのぢゃ…」
「え?」
「お尻の指を抜いてくださいっ!指を抜いて、お腹の牛乳を出させてくださいなのぢゃっ!!!」

 何か、堰が切れたように僕に懇願する。

「しょうがないですね、ジャム皇女のたっての御願いとあらば」

 わざと『皇女』なんて、呼んでみる。でも、指が抜けていく感触の方が彼女を支配しているみたいで、

「ふぁっ…指の節が、わらわのお尻を広げてる…あっ…出ちゃう…でちゃうのぢゃ…」

 まるで、夢を見るような口調でつぶやいている。

「ほら、後ちょっとだ。ジャム姫、嬉しい?指抜いてもらって」
「う、嬉しいのぢゃっ!はやく…早く…」
「よっ…そ…れっ!」
「ひあっ!!ひぐっ…ああぁぁぁっ!!!」

 指が完全に抜ける直前、僕は指を捻る様にして指を抜いた。
 チュポン!とまるで栓が抜けるような音をたてて指が抜けると、すぐにホースから激しく水を出したような音を立てて、彼女のお尻の穴から牛乳が勢い良く噴き出してきた。

「ひぐっ!…んあぁぁっ……ふぁ!んんん〜っ!!」

 それは、なかなか終わることは無く、まるで永久に続くかのように思えた。
 ひたすら牛乳を出しつづける彼女の表情は恍惚とし、全身を紅潮させて、ときおり痙攣している様子から、軽い絶頂に浸っているのは明らかだった。
 でも、そんな状態ですら彼女の美しさを、より淫らに引き立たせているのもまた、誰が見ても明らかだろう。

「ジャム姫…綺麗だよ。とってもいやらしいね…」
「はぁ…」

 僕はたまらずに彼女と唇を合わせる。唇全体を包み込み、か弱くそして小さな砂糖菓子のような歯、そして舌、僕の舌先を使えるだけ使って全てを舐る。
 彼女も、呼吸困難になりながらも必死で僕に応えてくれる。口の中に浅く、舌先を差し込むと、それを口全体で吸い付き、その先端をチロチロと小さな舌で舐めてくれる。

「…ん…ちゅぷっ…ジャム姫…気持ち良かった?」
「ぷはぁっ!……………う……うむ…」

 顔を真っ赤にして頷く。

「じゃ、もっともっと気持ち良くさせてあげるね、ジャム姫の為に」
「こ…これ以上気持ち良くか?わらわが…壊れてしまうのぢゃ…」
「何言ってるの、壊すんだよ?これから…ね」
「ぢゃ…あっ!ふぁぁっ!」

 そう言いながら、僕は右手の指をジャム姫のスリットに強く擦りつけた。グチャグチャという音が部屋中に響き渡る。

「さて…と」
「ひぃっ!」

 指を跳ね上げる様に、お尻の穴に刺さっていた指を引きぬく。

「大分ココが軟らかくなってきたね」

 そう言って、スリットを擦っていた指をお尻の穴に軽く押し当てて、揉み解すように押し当てる。それだけで僕の指先が2本、軟らかくなったお尻の穴に飲み込まれていく。

「ふはぁ…くふっ…」

 拡張をしたおかげか、それとも元々素質があったのか。彼女はこころもちうっとりとした表情で、腰をくねらせて僕の指を受け入れていく。

「それじゃ…そろそろ良いかな?」
「ふぁ…あんっ!ど…どうじたのぢゃ?」

 僕は彼女を後ろ向きになせると、僕の目の前に高くお尻を上げさせる。目の前には、透明な蜜が染み出しているスリットと、小さいピンク色の、でも軟らかくふくらみかけた小さな穴がそこにあった。

「こっちは無理そうだけど…」
「ふぁぁぁんっ!」

 まるで線のようなスリットを撫で上げる。

「でも…こっちなら…」
「んあっ!…や…ひろげてはダメなのぢゃ!」

 両手の人差し指を第1関節まで差し込んで、彼女のお尻の穴を広げる。ぽっかりと穴をあけたそこは、綺麗なピンク色を見せていた。

「あっ…見るなぁ!はずかしいのぢゃ!」
「こっちなら、入るよね?」
「………え?」

 彼女が不安そうな顔でこちらを振り返る。そんな表情も可愛い。
 僕は彼女に微笑みかけながら、僕のモノをかわいいお尻の穴に押し付けた。

「ぢゃぢゃ!…そそそんなもの、さけてしまうのぢゃ!」
「大丈夫だよ、ジャム姫。こんなに軟らかくなっているし…」

 少しだけ力をこめてみる。僕のモノはジャム姫の唾液を潤滑液にして、少しだけお尻の穴を押し広げる。

「ほら、ズブズブ入ってく…がんばって軟らかくしたからね」
「くは…か……はっ!」

 指よりもさらに太いものが彼女の穴を広げる。その感覚に耐えるように、彼女は歯を食いしばっている。そのため、僕のモノの一番太い部分の前で締め上げるようにして、これ以上入っていかない。

「ジャム姫、力を抜いて。でないと、裂けてしまうよ?」
「ぢゃ…でも…でも苦しいのぢゃ…本当に裂けてしまうのぢゃ…」
「…………しょうがないなぁ…ほら、ジャム姫これを舐めて」

 そう言うと、僕は彼女の目の前に、さっきまでお尻を苛めていた人差し指を差し出した。

「…ぢゃ?」
「これを、僕のモノだと思って舐めて欲しいんだ」
「これを…そなたの…モノだと思って……」

 半ば夢を見ているような表情で呟くと、ゆっくりと舌を僕の指に這わせる。それだけで、僕の身体は熱くなり、穏やかな快感が僕のモノをより硬くしていく。

「ふぅ…んっ、ぴちゃっ…ぴちゅっ…」

 顔を上気させて、熱心に僕の指を舐め上げていく。まるで、本当に僕のモノを愛撫しているかのように。
 彼女の注意が僕の指に移るにつれて、次第にお尻の穴の強張りも無くなっていく。

「ふぁ、んちゅっ…くちゅ…」
「その調子だよ、ジャム姫。とっても気持ちが良いよ…」

 そう言いながら、僕はあぐらをかき、彼女を調度僕のモノの上に座らせるようにする。
「うむぅ!…ふぁ…ふぁひってくふぅ…」
「うん、どんどん入る…ズブズブってね。厭らしいお尻だね」
「ふんん〜!」

 彼女は真赤な顔をして、ぶんぶん首を振って僕の言葉を否定する。
 しかし、僕のモノは少しづつ、確実に飲み込まれていく。

―ズブッ、ズブ…―

「んっ…ちゅっ…ぷはっ!だ、ダメなのぢゃ!も…いっぱいで…っ?!」

―ジュプンッ!!―

「んあぁぁっ!!!」

 かくん、と一気に彼女の腰が落ちると、次の瞬間には僕のモノが半分だけ、彼女の直腸に納められていた。しかし、それ以上進むことなく、その先端は彼女の一番深い所に届いている。

「ほら入っちゃった。ジャム姫の中に入ってるの、わかる?」
「わ…わかるのぢゃ……そなたのものが…熱くて…硬い…」
「でね?こうやって…」

 彼女の腰を両手で支えると、抜ける寸前まで持ち上げてあげる。

―ズルッ、ズニュッ!―

「ふぁ…ひぁぁっ!」

 そして、離す。

―ジュプッ!!―

「ああぁぁっ!!!」

 彼女のお尻は、僕を軟らかく受け止める。そして、僕のモノをきつく締め上げる。

「んあっ!ふぁっ!…へんっ…おかしいのぢゃ…おしりがこすれて…あつくて…おかしくなる…」
「それでいいんだよ、ジャム姫、変になって。心も、身体も、魂も、全部おかしくして、壊して、溶かして…いっしょになろう…」
「んくっ!ひあっ!ふぁっ!」

 口を半開きにして、端から涎をたらしつつ、ただ喘いでいる。でも、そんな姿も可愛くて…そして美しい…本当にそう思った。

「ジャム姫のお尻、きつくて…熱くて…気持ち良いよ…」
「あんっ!…それっ…それは、本当なのぢゃ?……ふぁっ!」

 完全に快楽に包まれた表情で、彼女は僕を見つめる。

「嘘なんか言えないよ…ジャム姫…………んっ……」
「あふ……きゅんっ!!……わらわも……んっ……」

 僕は下から突き上げながら、僕のモノを支点にして彼女を180度回転させると、彼女とキスをした。軽く舌を差込み、唾液を流し込む。
 彼女もまた、舌を絡ませ、涎を嚥下して僕に応える。

「んっ…んんっ……ぷぁっ!!…わらわは……わたしは…もう!……あたまの中が、まっしろになって……ひあぁっ!」

 僕はさらに腰の動きを激しくして、より強く彼女を突き上げる。そして、それと同時に乳首を貫いている針を上に引き上げ、胸も同時に責め上げる。そうすることで、彼女の締め上げはよりいっそう強くなり、二人の快感と、彼女に与えている苦痛が激しさを増していった。

「僕…もっ!限界…だよっ……いい?ジャム姫の中に、出したい…」
「…出してっ!わたしも、あなたのがほしいっ!!」

 その瞬間、僕の頭の中が真っ白になって、全身を快感が包み込んだ。それが僕の一点に集中して、熱の塊になり、最後の腰の突き上げと同時に、彼女の中に注ぎ込んだ。

「んああぁっ!!!…………でてる……………熱いのがわたしのお尻の中に………どくどくいってる………」

 彼女は、部屋の天井を見つめながら、まるでうわごとのようにうっとりと呟いていた。僕の勢いは止まることなく、彼女の直腸を満たしていく。

―ドクッ、ドクッ……ブピュッ!―

 まだ射精が止まらないモノを、彼女の中から抜くと、彼女の顔にも精液を浴びせ、先端を唇に擦りつけた。

「はぁ…はぁ…ふぁ…んちゅぷっ…ちゅるっ…ぺろっ…」

 放心した表情のまま、彼女は嫌がることなく顔にふりかけられた精液を啜り、差し出された僕のモノを舌で清めていく。

「…………すごかったのぢゃ………」

 そう言って、僕に微笑みかけた瞬間………

 ぼわん

 ちょっとおマヌな効果音と共に、煙玉みたいな煙幕がジャム姫を覆い隠した――って、何だ何だ!?

「ジャム姫――大丈夫!?」

 さっきまで僕がやっていた事を考えると、全然説得力の無い台詞を言いながらも、慌てて煙幕をかき分けると――

「ぢゃ……」

 床の上にぺたんとお姫様座りしている、五体満足なジャム姫がいた。
 ……身長150cmの!!

「ぢゃ〜〜〜!!!やったのぢゃ〜〜〜!!!成功なのぢゃ〜〜〜!!!龍族の力を取り戻したのぢゃ〜〜〜!!!」

 ジャム姫は、まさに大喜びの極地といった感じで飛び上がって、僕に圧し掛かるように抱き付いてきた。

 むぎゅぎゅん

 ぐわっ!!ジャム姫の反則的な爆乳に顔を挟まれちゃったよ。嬉しいよーなマヌケなよーな……
 人間大の姿になったジャム姫は、基本的には30cmサイズの時と変わらない外見だけど、ちょっとだけ大人っぽくなった感じがする。髪の長さも肩口ぐらいから背中の中ほどまで届くロングにパワーアップ(?)だ。よかったねぇ。あ、ちなみになぜか例の中華テイストな着物もバッチリ着ている。いつの間に?
 そして、何よりパワーアップしているのは……今、僕を窒息死させようとしている、この爆乳!!!
 身長150cmの外見年齢18歳の華奢な体格でありながら、まさかセリナさんをも上回る特大サイズの爆乳を身に付けているとは!!サイズも3ケタは軽いんじゃないかな?しかも全然型崩れしてないし……龍族恐るべし!!
 それにしても……本当によかったね。

「……お……お…め……で……と…ぅ……」

 爆乳の谷間から賞賛の声を洩らすと、

「ううう……しかも髪までこんなに長くなったのぢゃ♪これもお主のお陰ぢゃ。感謝してやるの……ぢゃ?」

 僕に爆乳を押し付けながら感嘆しまくっていたジャム姫は――ジト目で僕の下半身を見ていた。
 え?下半身?

「何ぢゃ何ぢゃ。まだ全然……え〜と……お、衰えておらぬではないか。相当に溜まっているのぢゃな」
「…………あう」

 あのぉ〜〜これは今の嬉し苦しな状況が原因なんだけどなぁ……いや、溜まっていたのも事実だけど。

「……まだ、血の欲望とやらは収まらぬのか?」
「……正直、まだちょっと……」
「……仕方無いのぢゃ」

 ジャム姫はようやく爆乳サンドから僕を解放すると、床の上にコロンと仰向けになった。そのあまりにも可憐で無防備な姿に、僕は思わず喉を鳴らした。

「こうなったら、お主が満足するまで付き合ってやるのぢゃ。感謝するがよい……」

 ジャム姫、顔が真っ赤ですよ……うぐぐぐぐ、そそりまくり……
 うん。ここまで豪華絢爛な据え膳を出されちゃったら、食べないと男失格間違い無しだね!!!
 きっと。たぶん。そうだと言ってよ!!
 それに……人間サイズなら、もっともっと楽しい事ができるからね。
 今度はもっともっと遠慮しないよ――覚悟するんだ。

「では、さっそく……念入りに……ゆっくりと……丁寧に……たっぷりと……破壊してあげるよ」

 ジャム姫は、小さく――しかし、はっきりと頷いた。
 その美しい瞳に、被虐の光を浮かべて――
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