A:セリナ、クリシュファルスの様子を見る。

「…………」
「…………」

 しばらく、無言の時が流れた。
 正月特有の能天気なバラエティー番組を、つまらなそうに眺めるクリシュファルスは、心ここにあらずといった様子だ。時折、セリナにちらちら視線を送っては、はっとしたようにテレビに集中しようとするが……番組の内容はほとんど頭に入っていないようだった。
 セリナは掘り炬燵のヌクヌク感に浸りながら、編み棒をのんびりと――しかし目にも止まらぬ速度で動かしている。編み上げているのは毛糸のマフラーらしいが、その長さはすでに20mを超えていた。もはや自分でも何の為に編み物をしているのかわかっていないのかもしれない……
 再び無言の――そしてどこか緊張した時が流れる。

「セリナ」

 唐突な呼びかけ。

「はいです?」

 編み棒の手を止めて、にっこりと微笑むセリナを見て、

「い、いや……なんでもないのだ」

 慌ててそっぽを向くクリシュファルスであった。無意識の内に名前を呟いていたのである。いつのまにか、テレビではなくセリナの横顔に見惚れていた……

(……余は何を照れているのだ?)

 自問自答するものの、理由は何となくわかっていた。こうしてセリナと彼が2人きりになるのは久方ぶりの事なのである。それも年末から今までノンストップで忘年会&新年会のドンチャン騒ぎを繰り広げていたので、この静かな時間が益々2人きりの状況を意識させた。まだまだお子様なクリシュファルス君だけど、子供なりにセリナの事を『女性』として意識をしている。アコンカグヤはもちろん、実は樹羅夢姫も彼にとっては大事な女性だが、セリナはやっぱり特別な存在なのだ……

「クリさん……です」
「にゃ!?」

 物思いに耽っている所を、今度はセリナに呼びかけられて、クリシュファルスはちょっとマヌケな声を上げた。

「な、な、なんなのだ?」
「よろしければ、御炬燵に御一緒しませんか?です?」

 ニコニコな笑顔を見つめながら、クリシュファルスはぽかんと口を開けた。今まさに彼が『そうしたい』と思っていた事だったのである。

「え……あ……う……」
「私とおコタでヌクヌクするのはお嫌でしょうか?……です」
「そそそそれはぜったいにちがう!!!」
「まぁ、それなら……です」

 そっと手を添えられて、ドキリとした次の瞬間――

「えいっ……です♪」

 くるっと世界が回転して――クリシュファルスはセリナの膝の上に乗っていた。そのまま後ろから優しく抱きかかえられてしまう。

 むにゅにゅにゅ……

「!?!?」

 そして、着物を着ているにもかかわらず、セリナのボリュームあり過ぎる爆乳はクリシュファルスの頭を完全にサンドしていた。
 あまりに急な状況変化に、目を回すクリシュファルスの全身を、

「それでは、御一緒にヌクヌクしましょうです」

 セリナの心地良い――そしてどこか官能的な甘い香りが包む。
 クリシュファルスのロリロリ美少年フェイスは、真っ赤っ赤だった。もう数え切れないくらい肌を合わせている関係だけど、こんな甘々な状況はやっぱり恥ずかしいものがあるのだ。

「せ、せ、せ、セリナぁ……」
「おミカンいかがですか?」

 いつの間に剥いていたのか――ミカンが一房口元に当てられた。

 ちゅぽん

「あ……です」

 思わず指ごと咥えてしまうクリシュファルスであった。ミカンそのものよりも、セリナの細く柔らかい指の感触に、理性がぼうっとしてしまう……

「………んぐっ……ちゅっ…」

 クリシュファルスは反射的にミカンを房ごと丸呑みしてしまうと、そのまま指に舌を絡める。

「あっ…クリさん……です?」

 セリナは少し驚いたような表情でクリシュファルスを見ていたが、そのまま身を任せるように優しくクリシュファルスをそっと抱きしめた。

―ちゅっ…ちゅるっ―

 2人しかいない和室に猫がミルクを舐めるような音だけが響いている。

「んっ……んっ…」

 クリシュファルスは指全体に舌を絡めるだけではなく、その指を軽く吸い、さらに指の付け根に舌を柔らかく這わせていた。

「うふふ…です♪」

 柔らかな微笑を浮かべると、セリナはその柔らかな胸にクリシュファルスの顔を全て埋めてしまうように、強くクリシュファルスを抱きしめた。

「セセセ…セリナ?!」
「クリさん、もっともっとぬくぬくドキドキしましょう。です?」

 無意識のうちに夢中になってセリナの指を愛撫していた事に気付いて、真っ赤になって俯いてしまったクリシュファルスに、セリナはいつものほんわかとした微笑みを投げかけると、抱きついたまま座布団を枕にするように倒れこんだ。

―ぽよん―

 そういう表現がまさにピッタリくる感じに、倒れこんだ拍子にクリシュファルスの頭がセリナの胸をスプリングにして軽く跳ねる。
 最近はアコンカグヤも交えて身体を合わせる事が殆どだったため、改めてふたりっきりで抱き合うのは久方ぶりのことである。

「…セリナ………」

 やや顔を赤くして見つめるクリシュファルスとは対照的に、セリナは幸せそうな表情でクリシュファルスを見つめ、そのまま前に両手を伸ばしてクリシュファルスを誘う。

「………どうしたのですです?…セリナとは嫌ですかなのです?」

 セリナは少し悲しそうな表情を浮かべると、前に伸ばした手でクリシュファルスの顔を包み込んだ。
 クリシュファルスは慌ててかぶりを振ると、顔を真っ赤にしてセリナに話し掛けた。

「い…いや、そういうわけではないのだ。ただ…その、なんだ……セリナのかおをみていると…」
「見ていると…です?」

 セリナの無垢な瞳がクリシュファルスを見つめる。そしてその瞳には、無垢な輝きとともに、艶やかな色が混ざっていた。

「セリナをみていると、ドキドキするのだ…」

 そんなクリシュファルスを、セリナはぐっと胸に抱き寄せると、自分の左胸にクリシュファルスの耳を押し付ける。

「クリさんだけじゃないです…」
「…え…?」

 クリシュファルスが耳を澄ますと、その右耳にはトクトクと…小さく、しかしはっきりと速い鼓動が聞こえていた。

「セリナも、ドキドキしてますです」

 マシュマロのように柔らかいセリナの胸に耳を埋めているクリシュファルスは、そのまま上目遣いにセリナを見上げると、囁くようにセリナに問いかけた。

「もっとよくききたいのだが…いいか?」
「何を…ですです?」

 セリナはきょとんとした表情でクリシュファルスに聞き返す。

「セリナのむねのおとをもっとよくききたいのだ…」

 顔を赤くしながら、子供のように甘えるような表情でクリシュファルスは、セリナともっと触れ合うことを要求する。

「…くすくす…いいですよ、もっと聞いてくださいなのです」

 そう言うと、セリナは器用に帯を緩めて和服の胸元を大きくかき開いた。和服の作法を習ってか下着を全く着けておらず、豊かすぎるその胸がクリシュファルスの前に露わにされる。

―ふかっ―

 クリシュファルスは、セリナの爆乳に顔を埋めるように右耳を乳首に押し当てる。仰向けになっても重力を無視して美しい形を保つそれは、まるで上等の羽毛枕のようにクリシュファルスの頭の重さを全て受け止め、マシュマロのような弾力で包み込む。

「やわらかい…それに、あたたかいな……」
「です?」
「あ……しんぞうがもっとはやくなったようなきがするぞ?」
「それは…クリさんのせいですです♪」

 セリナはクリシュファルスの頭に腕を回すと、ギュッと強く抱きしめた。

「むぐっ?!…ん〜っ!ん〜っ!!」
「あら?クリさん、なにをじたばたしたばたしているのです?」

 あまりにも豊かすぎるセリナの胸に埋没したため、完全に呼吸ができなくなっていたクリシュファルスは必死の形相でセリナ必殺の抱擁がら脱出した。

「………ぶはっ!……よをころすきかっ!!……げほげほっ…」
「そんな事ありませんです……大丈夫でしたか?なのです」

 セリナはやや表情を曇らせてクリシュファルスの頭に手をやると、優しく撫でた。

「うふふ…かいぐりかいぐり…です♪」

 セリナの無垢な瞳と微笑みに毒気を抜かれたように、一瞬ポカンとした表情でセリナを見ていたクリシュファルスだったが、一瞬の後にはいたずらっ子のような笑みを浮かべると両手でセリナの双乳を、バスケットボールを掴むように握った。

―むぎゅっ―

「あんっ…」
「よをしにそうなめにあわせたばつだ、えいえいえいっ!」

 クリシュファルスは、子供がされた悪戯をやり返すように(実際人間年齢に直すと子供なのであろうが)セリナのピンク色の乳首を両方つまむと、親指と人差し指で軽くしごきあげるようにセリナを愛撫する。

「みみにあたっているときからわかっていたが、もうかたくなっているぞ?」
「クリさんに触って頂いているからですです♪」

 クリシュファルスの言葉にセリナは頬を染めて、自分の素直な感情をクリシュファルスに伝える。その言葉さえもセリナを興奮させるのか、一言、一言を発するにつれて、乳首はより硬くしこり、その存在を自己主張し、白い肌は次第に桜色に染まっていく。

「ふぁ…んっ…クリさんの指…気持ちいいです…もっと、してくださいです」
「もちろんだ。ゆびだけではないぞ…んっ」

―チュッ―

「んあっ!!」

 胸の先端に加えられる鋭い快感に、セリナは背を仰け反らせて反応する。

「んっ…ちゅ、ぱっ!…あいかわらず、ここはよわいのだな…んっ」

 胸の先端を丸ごと咥えるように大きく吸い付くと、チロチロと乳首を玩ぶと同時に、乳輪の周囲を軽く歯で刺激する。

「はぁ…っ!…んくっ……セリナ…セリナもっとドキドキしてしまいますです♪」

 クリシュファルスはセリナの反応を楽しみながら、唇を乳首から柔らかな乳房へと移していった。舌がナメクジのように乳房を這い、所々に赤いキスマークを、そして軽い歯形をつけていく。

「ふぁ…んっ……くっ!……きゃんっ♪………クリさん、上手です…」

 トロンと蕩けるような表情をうかべるセリナに、クリシュファルスは心から嬉しそうな表情で瞳をキラキラと輝かせる。

「そうか…?そういわれると、わるいきはせん……それに…」
「??…あっ……」

―クイッ―

 できる限り優しく、クリシュファルスはセリナの太股に手を置くと、そっと太股を開かせてできた隙間に細身の身体を割り込ませた。

「……やっ…はずかしい…です…」
「そうか…?そんなひょうじょうにはみえないのだが…」

 そう言葉を交わしながら、セリナの白魚のような指はクリシュファルスの顔を優しく包み込み、クリシュファルスは上質のシルクのようなセリナの太股に手を這わせる。
 それだけで、セリナはビクンと生きのいい魚のように肢体を仰け反らせて、クリシュファルスの愛撫に反応する。

「くぅ…んっ………クリさんの手…暖かくて…優しくて…大好きです…」

 セリナは仔犬のような声を洩らしながら、幸せそうな笑顔を浮かべる。

「うむ、それならばもっとすきになってもらおうか」

 クリシュファルスはそう言ってスッと指先をセリナのスリットをなぞった。

「ひゃうんっ!!」

―クチュ―

 クリシュファルスの細い指がセリナのスリットを何度もなぞるように、焦らすように往復させると、セリナのそこは既にしっとりと潤い始め、そこから染み出す愛液によってクリシュファルスの指は滑らかに滑り込んでいった。
 そして、指を軽く折り曲げるとセリナの一番敏感な部分を軽く、ノックする。

「ひあっ!んっ……ふぁ…っ!…」

 その度にセリナの中からは愛液が溢れ、身体は熱く火照っていった。セリナの肌に浮かぶ小さな汗の玉はを、クリシュファルスが丁寧に舐め取っていく。

「クリさん…とってもお上手です……ちゅ…」

 セリナがクリシュファルスを引き寄せて唇を合わせる。自然にお互いは舌を絡め合い、その感触と味を交換する。

「んっ…そうか?…よはただ…その、そなたがのぞんでいるとおもうことをしているだけなのだが…」

 そう顔を赤して視線を逸らせる。
 実際、クリシュファルスはセリナとアコンカグヤとしか肌を重ねた事は無い。しかし、その愛撫は確実にセリナのポイントをついていた。相手が感じるところを探す、この繰り返しだけで学習を重ねていたのである。
 それだけで、セリナをそこまで感じさせる事ができるようになるのか…それは才能故か…それとも、別のもの故か。

「そそそ、それよりも、そなたのここはすごくぬれているぞ……ちゅっ!」
「んぁぁぁっ!…きもちいいですっ!」

 照れ隠しなのか、クリシュファルスはセリナの視界から消えるように掘り炬燵にもぐりこむようにセリナの太股の間に頭を入れると、スリットの上に顔を出している濃いピンク色の肉芽を吸い上げた。

―クチュッ、ジュルッ、チュプッ―

「ふぁ…あっ………わたしのアソコ…クチュクチュいってますですぅ…」
「ちゅくっ…んぷぁ……そうだな、したですくえそうだぞ?」
「きゃふっ!舌が奥まで入ってきますです!」

 広い和室の中で、仔犬がミルクを飲むような音と、ピンクの色に染まっているようなセリナの喘ぎ声が響く。
 クリシュファルスはセリナの喘ぎ声をもっと引き出すように、スリットの縁を唇で甘噛みし、さらに奥深くに舌を差し込んで愛液をすすり上げる。

「んっ!……ク…クリさん……セリナは…セリナはもう…です…」
「…ん?…もう…なんなのだ?」
「えいっ!ですっ!」
「うわわわわわわっ?!」

 セリナは突然両手をクリシュファルスの脇に差し込むと、赤ちゃんに高い高いをするように自分の目の高さまでクリシュファルスを引っ張る。
 そして次の瞬間、くるりと2人の位置を入れ替えて、そのまま器用に掘り炬燵の中に潜り込んでしまった。

「うふふ…こんどはセリナの番です♪」

 そう言うと袴をグッと掴む。

「えいっ!です!」

―スポーン!!―

 という音が本当にしたかのように、一瞬のうちにクリシュファルスの下半身が丸裸にされる。

「うわわわわっ!」

 セリナの得意技『メイドの48の殺人技の1つ』、瞬間脱衣がクリシュファルスに炸裂した。不意打ちされたクリシュファルスの慌て様を全く意に介していないかのように、セリナは既に十分過ぎるほど硬く自己主張しているクリシュファルスの肉茎を両手でそっとささげ持つと、まるでハムスターやモルモットを可愛がるかのように頬を摺り寄せた。

「セリナ…?!…ううっ!」

―ゾクッ―

 それだけで、クリシュファルスは背筋がゾクゾクするような快感に襲われる。

「クリさんの…熱くて…硬くて…綺麗で……です」

 そのまま、セリナの整った鼻先が肉茎の裏の筋を根元からなぞるように先端まで、ゆっくりとくすぐる。セリナの熱く、湿った吐息が肉茎に微妙な快感を与えていく。

「いいにおいです…あむっ……ちゅくっ…」
「うぁ…あぁっ!そ…ん……ああぁぁっ!!」

 女の子の喘ぎ声と聞き紛うような高い喘ぎ声を上げて、セリナの優しく、微妙な、それでいて確実にクリシュファルスの弱点を突く愛撫に敏感に反応する。

―ちゅむっ―

 鼻先でカリの根元、柔らかな亀頭を裏からなぞり上げ、完全にセリナが首を上に上げると、鼻先からクリシュファルスの肉茎が零れ落ちる。
 セリナはそれを逃がすまいと、器用に口を開き、舌を伸ばして先端を受け止めると、たっぷりと唾液を溜めた口中に、一気に全て飲み込んでいった。

―グブッ、ジュルルッ!―

「んっ……ジュル……ずちゅっ………んぷっ…」

 こつんと、セリナは喉の奥にクリシュファルスを感じる。いくらクリシュファルスが外見年齢相当(よりはだいぶ大きいが)のものを持っているからといって、簡単に納められるものではない。
 しかし、セリナはいとも簡単に、そしてそれがさも当然であるかのように自分の喉の奥まで受け入れて舌を絡める。

「んぁっ!…セリ…ナ…っ!」

 クリシュファルスはもはやセリナの金色の絹のような髪の毛を握り締めて、セリナの頭を抱える事しか、その快感に耐える術は無くなっていた。

―チュプッ!ジュブ…ジュル―

 セリナの着物は、先程のクリシュファルスの愛撫によって胸元深くまで開かれたため、セリナ自身の激しい愛撫もあって完全に肩からずり落ち、かろうじてピンク色の乳首に引っかかっている状態である。
 そんな半分くらいしか見えない状態でも、セリナの豊かな乳房は頭の動きに合わせてゆさゆさと揺れ、その存在を主張している。

「んんっ…ちゅるっ……むぐっ…」

 クリシュファルスに掴まれて乱れた髪の毛が、汗で湿ったセリナの頬に張り付き、半分だけ覗いている乳輪が何とも言えず淫らである。

「ぐっ……セリナ!よはもう………っ!」
「……?!…ちゅぱっ!……んぁっ…クリさん、だめです…です♪」

―きゅっ―

 セリナは咎めるようにそう言うと、優しくクリシュファルスの肉茎の根元を握る。それだけで、今まさに放出しようとしていた肉茎はただビクビクと震え、粘性の高い透明な液体をとめどなく溢れさせていた。

「せ…セリナ?」
「もっともっと、クリさんに気持ちよくなってほしいのです♪」

 そう言いながら、セリナは肉茎の先端に指を伸ばし、そこから滲み出す透明の液体を指でこねるように玩ぶと、それで光る橋を作り、クリシュファルスに見せつけるように舌で舐めとる。

「ちゅ…む……んっ…ちゅぅ……くちゅ、ぐちゅ…」

 そして、自らの唾液と泡立つくらいに口の中で丹念に混ぜ合わせて、存分にその味を自分の口に染み込ませると、ゆっくりと飲みきってしまうのを勿体ぶるようにゆっくりと飲み込んだ。

―こくっ…こくっ…―

 軽く上を向いて、飲み込む時の喉の動きをクリシュファルスに見せつける。
 その間も、セリナは肉茎の根元を優しく握ったまま、ゆっくり透明な先走りを伸ばすように、パンパンになって弾力に富んでいる亀頭を柔らかな手のひら全体で撫でるように愛撫する。

「うふふ…クリさんの精液、とっても濃くって、匂いが強くって……おいしいです」

 その、あまりにも淫らすぎるセリナの表情、仕草に、クリシュファルスの肉茎は放出して力を失うどころか、より硬く、一回り大きくなりビクビクとセリナの目の前で震えていた。

「くっ…んぁ…セ…セリナ…よは………はぅっ」
「くすくす…クリさん、可愛いです…ちゅ…んっ…」

―チュッ、チュ…チュルッ―

 セリナはそう言いつつクリシュファルスの肉茎に、桜の花弁のような唇を寄せると、何度も、何度も、軽く口付けを繰り返し、未だに先端から溢れ出している透明な粘液をついばむように吸い取っていく。

「はぁ…っ…セリナ…そ…そろそろ…いれたい……のだ…」
「…くす…はいです、セリナも…もう…我慢ができないです…♪」

 完全に性欲に囚われてしまったセリナは、もはや我慢できないのか顔を真赤に火照らせて頷くと、掘り炬燵の縁に手をついて、猫が背伸びをするように上半身を反らせてクリシュファルスの唇を奪った。

「はむっ…んちゅるっ…くちゅ……んっんっ…ちゅぷっ…」

 セリナの激しい動きに、豊かな胸とその乳首でかろうじて引っかかっていた着物が完全にはだけてしまい、セリナの柔らかな胸が露になってしまっていた。しかし、もはやこの状況ではセリナもクリシュファルスも全く気にすることは無くなっていた。

「よいしょ……んっ…あは…クリさんの硬いものが、セリナにあたっていますです…とっても…熱いです…」

 セリナとクリシュファルスは、ちょうど座位の体勢でお互い向かい合ったまま口付けを交わしていた。その間もセリナは膝立ちになって、器用にクリシュファルスの先端を自らのスリットに擦りつけている。

―クプッ、チュプッ……ジュプッ!―

「ふぁ…んぁぁっ!クリさんの…入って、はいってきてますです…」
「くっ、セリナのなか、あつくて…しめつけてくるぞ…」

 既にクリシュファルスの先走りと、セリナの唾液で必要以上にヌルヌルになっていた肉茎に、さらにセリナの愛液を絡みつかせてから、セリナはゆっくりと腰を下ろしていった。クリシュファルスの体温が直接体内に感じられる。
 セリナはその暖かさだけで、身体と心が満たされていくような、充足感を感じ、その裏づけのように強烈な快感を感じていた。

―ズッ、ジュプッ!―

「んぁっ!クリさんの暖かさ…感じますです…クリさんの………んあぁぁぁっ!!」

―ビクッ!ビクッ!―

 突然、セリナはクリシュファルスに力いっぱい抱きつくと、身体を震わせながら強い絶頂感に耐えていた。

「あうっ!セ、セリナ?!そんなにきつくしめたら……くぅっ!」

 クリシュファルスはセリナのきつい締め付けを必死に我慢しながら、セリナの異変に気遣っていた。

「はぁ…はぁ…だ、大丈夫です……ただ、クリさんの暖かさを身体の中で感じたら、キュンとなってしまったのです…♪」
「む、むぅ…そちはだいじょうぶなのか?」
「くす…大丈夫です、それよりもっと動いてほしいです…クリさんの暖かさ、もっともっと感じて、もっともっと…ぬくぬくドキドキしたいのです♪」

 そう言うと、セリナは再び腰を動かしてさらに深く、そしてさらに激しくクリシュファルスを求め始めた。

―ズブッ!ズルッ…ジュプッ!―

「んぁっ!…ふぁ…よは…よはもう……セリナ……んぁっ」

 その外見だけではなく、声まで女の子のような喘ぎ声で、クリシュファルスはセリナに快感を伝えていた。それはセリナに限界を伝えるサインでもあった。

「はいっ!セリナも、もうす……ぐっ!…きて、来て下さいです。セリナの中に、クリさんの熱い精液を、たくさんほしいから…っ…です!!」

 もはや、2人は完全に快楽の世界に入り込み、ここが何処なのか、何時なのか、全て忘れ去りただお互いの身体だけを求め合っていた。お互いが接している部分、繋がっている部分、それのみが現実であるかのように。

―ズクッ!ジュブッ!グチュッ!―

「クリさん…クリさ………」
「セリナ…んぁっ……ふぁ………!!!」

―ビクンッ!!!―

『んあああぁぁぁぁっっ!!!!』

 タイミング、高さ、全てが一致したように、あたかも美しいソプラノ歌手がハモったように、2人は同時に絶頂に達し、クリシュファルスはセリナの胎内に多量の精液を注ぎ込み、セリナはそれに応えるようにクリシュファルスの肉茎を優しく、しかしその全てを逃がさないとするかのように、しっかりと包み込んでいた。

「…!!!………!!……っ……はぁっ!はぁ…ふぁぁ…はぁっ」

―ビュクッ、ビュルッ、ゴプッ―

 クリシュファルスの激しい射精は、まるで永久に続くかと錯覚するほど激しく、そして長く続き、セリナの胎内に納まりきらないそれは2人の隙間から流れだして2人の着物と畳を汚していた。

「クリさんの…たくさんでましたね…です♪」

―グチュッ―

 セリナが腰を揺らすと、クリシュファルスの精液が流れ出す。

「はぁ…なんだか、きょうのセリナはすごかったぞ?」
「そうですか?…クリさんも気持ちよかったですし……それに…あっ…」

 お互いに胸や耳やうなじにキスをしながら、じゃれあっていると、セリナは再びクリシュファルスが力を取り戻していくのを、その中で感じ取っていた。

「………っ…」
「ク〜リさんっ♪…です?」
「セ、セリナ…?うわわっ!」

―グチュ……ブッ―

 慌てるクリシュファルスを尻目に、セリナは腰を上げて肉茎を抜くと、自ら後ろの小さな穴に先端を宛がった。

「今度は、こっちにも…ください…です♪」
「し…しかし、よはもうちょっとやすませて……んんっ?!」
「ちゅ…んっ…あむっ……ちゅぷ……ぷぁっ!…」

 セリナはクリシュファルスの台詞を止めるように口づけすると、その唇に人差し指を当てる。

「クリさんの精液を、セリナは身体中にほしいのです……まだ、ここには頂いていません…」
「………………しょうがないな…しかし、よはつかれているのだ。そこをわすれるのではないぞ?」

 クリシュファルスは、「しょうがないやつだ」という表情をしながらも、肉茎に力を込めると、少しづつ、その小さな窄まりに突き入れていった。

―グブッ、ズブ…グプッ―

「ふぁぁっ!セリナ…嬉しいですぅ……」

 騎乗位で、クリシュファルスの肉茎を受け入れるセリナの表情が、まるで女神のような満ち足りた微笑が浮かんだ瞬間、セリナの全身に再び変化が現れた。
 まるで全身を蔦が這い、セリナを愛撫しているかのような痣が鮮やかに浮かび上がったのである。しかし、それは不規則なものではなく、何かを意味するかのようにセリナをより美しく彩っていった。

―グチュッ、チュブ―

 2人の交わりは暫く終わりそうに無い。それは、永久のように見えて、刹那のお互いの心の通い合い。

 ――そして、これが史上最大の戦いの前にあった、ほんの一時の蜜月であったとは、誰も知る由は無かった――
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