B:樹羅夢姫、アコンカグヤ、藤一郎の様子を見る。

 ピチャン……

 黒ずんだ石畳に溜まった水面に、濁った水滴が波紋を作った。澱んだ空気が陰鬱に振動する。
 石造りの壁面の汚れは、全て淫欲の元に堕とされた美女の血と汗と愛液だった。
 壁際に並んだ凶悪な性具――を通り越した拷問器具の数々が、鈍い輝きを放つ。
 ただ、そこにいるだけで、心の中が暗く、冷たく、そして凶暴な何かに侵食される――そんな錯覚を覚えそうな部屋だった。
 ここは、かつて腹黒氏がセリナを始めとするメイド達を責め苛んでいた調教室だ。腹黒氏がクリシュファルスによって洗脳――もとい改心されてからは、もう無用な部屋になっている筈だが……たまにセリナとクリシュファルスとアコンカグヤがHの時に使ったりするので、今もそのままの形で残っていたりする。雰囲気を味わう程度のプレイだが。

「……で、なぜ僕がそんな部屋でこんな目に会わなければいけないのかなぁ?」

 引き攣った笑みを浮かべながら、藤一郎が呟いた。
 無理も無い。今の彼は手足を大の字に広げられた姿勢のまま、壁の貼り付け台に繋がれた状態にあるのだ。これで困惑しない方がおかしいだろう。

「ふふん♪決まっておろう」

 で、彼の前には例によって感情が見えないアコンカグヤと、その頭の上に乗る樹羅夢姫がいた。相変わらず、他人を尻に敷く立場が好きらしい。

「勝手に逃げられては困るからぢゃ」
「……これから、逃げたくなるような目に会うってわけ?」

 引き攣った笑みだけで無く、額に巨大なマンガ汗まで浮かんでくる藤一郎であった。
 ――あれから、半ば引き摺られるようにこの地下室に来た藤一郎は、状況に呆然としているうちに、あれよあれよと貼り付けにされてしまったのだ。場に流されやすい性格も今回は問題だろう。もっとも、拘束してくる相手が“神将元帥”では抵抗など無意味だったろうが。

「僕、何かアンコさんやジャム姫を怒らせるような事しましたっけ?」
「いいえ、私が今から樹羅夢姫に教えるだけ」
「……教えるって何を?……こ、このとてつもなく嫌な予感はなんなのだろう」
「殿方への奉仕の仕方」

 何の抑揚も無いアコンカグヤの返答と、そのあまりの内容に、藤一郎のアゴがかくんと落ちた。

「……は?」
「樹羅夢姫に依頼されたの。貴方をもっと喜ばせる為に、男性への奉仕の仕方を教えて欲しいと」
「こ、こらぁ!!余計な事を言うでない!!!」

 真っ赤になってぽかぽか頭を叩く樹羅夢姫を無視して、アコンカグヤの話は続く。

「こういった性行為に対する指導は、セリナに依頼した方が適切だと返答したのだが――」
「あのウシ乳女に頼むなど、死んでもゴメンなのぢゃ!!ましてや藤一郎に対してなど……ぶつぶつ……」
「――という事情で、私が指導することになった」
「は、はぁ……でも、アンコさんってそういう事も教えられるんですね……」
「…………」

 アコンカグヤ、無言――まさか、実兄に調教されていたのと、連日のクリシュファルス&セリナとのHで、そのテの分野に関しては百戦錬磨だとは言えない。

「で、でも、なぜ僕が練習台にぃ?」
「龍族女性の貞操観念に関しては、以前説明したはず。貴方以外の男性を相手にするのは嫌だと――」
「だだだだから余計な事は言うでなぁい!!!」
「ででででも、なぜ急にこんな事に――」
「他にも貴方の特殊な性癖を考慮するとセリナを接触させるのは危険だと判断した。事前の承認が無かったのは三箇日中に行う新年度最初の性行為『姫始め』に間に合わせるため。遅延の原因は昨年の暮れからパーティーが連続的に継続されて時間的余裕が無かったからだ。したがって奉仕指導と姫始めを同時に施行する運びとなった。以上で状況説明を終了する。他に質問はあるかしら?」
「ま、まって、いっぱいあるよ!!」
「時間が無い。それでは――」

 んむっ――

 不意打ちのディープキス――
 視界一杯に広がるアコンカグヤの美貌と、鼻腔をくすぐる甘い香り――そして口内を蹂躙する舌の感覚に、藤一郎の意識と理性が真っ白になる――樹羅夢姫が頭上で何やら喚き散らしているのが気にかかるけど――

 ちゅぽん……

 舌同士の間を銀の糸が繋ぐ――そして、普段と変わらぬ銀水晶の美貌が――

「――講義を開始するわ」

 ――微笑んだように見えた。

「では、まずは脱がせ方からね…」

 表情は全く崩さずに、アコンカグヤは藤一郎の足元に跪く。そして、藤一郎の股間を包み込むように、ふわりと両手を添えた。

「ふむふむ…」

 樹羅夢姫は、アコンカグヤの頭に乗っかったまま、興味深そうにその行動をじっと見つめている。

「普通なら、このまま優しく脱がせて上げるのでしょうけど…」

 アコンカグヤの指先が、羽毛のように軽く肉茎の筋を正確になぞっていく。それだけでそれは熱を帯び、ズボンの上からでもわかるほど大きく、硬く、その存在を主張し始めていた。

「人によっては、手は使わないで口だけで脱がしてあげると嬉しい人もいるのよ…藤一郎さんもそういう人のようだから…」
「『そういう人』って…うっ!」

 藤一郎が反論する前に、熱い吐息が股間に直接吹き付けられる。
 アコンカグヤが藤一郎の肉茎に頬を寄せて、そのまま軟らかい頬で肉茎を愛撫し始めたからである。

「はぁ…んっ…大分大きくなってきたようね…ズボンの上からでもこんなになるなんて…」

 吐息を藤一郎に吹きかけながら、アコンカグヤは首を伸ばして唇をズボンに近付けていった。
 その時、

―ツルッ―

「うわわっ?!…きゃっ!………とと…こらぁ!急に動くでない!わらわが落ちてしまったらどうするのぢゃ?!」

 樹羅夢姫がアコンカグヤの動きについて来れずにバランスを崩して、すんでのところで髪の毛を掴んで落下を防いでいた。そして、ちょこまかと肩までよじ登ると、髪の毛につかまったまま、アコンカグヤの奉仕の観察を再開した。

「そして…あまりズボンの中で大きくなりすぎると、殿方も痛いし…奉仕する方も取り出しにくいから、程々にする…」
「ふむふむ……うんしょ………あわわ」

 どこから取り出したのか、樹羅夢姫は鉛筆でメモを取り始めていた…標準サイズの鉛筆をバランスを崩しながらも一所懸命全身で動かして。

「まずは、ズボンのボタンを外してあげるの…こう、うまく唇と前歯でズボンの端を軽く引っ張れば…」

―プツッ―

 小さな音がして、ズボンのボタンが音を立てて外れる。そして、その反動と既に大きくなっていた肉茎がチャックを少しだけ押し下げてしまう。

「次はチャックね」

 アコンカグヤはそんな樹羅夢姫の行動を考えたのか、それもと藤一郎をよりいっそう焦らすためなのか…ゆっくりとチャックの金具を唇で挟むと、そのままゆっくりと下ろしていった。

―ジ…ジジ……ジーッ―

「んっ…ん……そし、て…そっとズボンを脱がせてあげる」
「ふむふむ…」
「ちょちょちょ…アンコさん……?」

 ブリーフの上からでも藤一郎の肉茎はアコンカグヤの愛撫で大きく、硬くなり、その熱はアコンカグヤにも十分感じて取れた。

「ほら、こうやって優しく…猫を可愛がるようにほお擦りをするの。とっても暖かいでしょう…熱いくらい」

 アコンカグヤがゆっくりと、ハムスターかか小動物を可愛がるように、白く柔らかい頬をトランクス越しで肉茎に擦りつける。

「む?…わらわもするのぢゃ!」
「うわわわわ…」

 前触れなく加わる新しい刺激に、藤一郎は上ずった声を上げるしかなかった。

「ふわ…あたたかいのぢゃ…」
「くっ、あ…アンコさん?!ちょ…これ以上は本当にまずいから……」
「ここまできて拒む理由は無い気がするけど…はむっ」
「あぁぁ〜っ!ずるいのぢゃ〜!!!」

 もはや陥落宣言にしか聞こえない藤一郎の台詞をさらりと聞き流すと、アコンカグヤは口を大きく開けて唇で藤一郎のサオの部分を包み込むように咥える。
 それに対抗意識を燃やしたのか、樹羅夢姫は小さな腕をいっぱいに伸ばしてトランクスの裾に手をかけると、力いっぱいひきずりおろした。と言っても、樹羅夢姫の今の体では肉茎の先端を出すだけでも精一杯だ。

―ズルンッ!―

「ふわ……やっぱり何回見ても大きいのぢゃ…」
「はむ…んっ…そんなに見ているの?」
「ぢゃぢゃ………そういうわけではないのぢゃ!!こ…この前見たときは夢中でほとんのおぼえていなかったのぢゃし…こうやってみるのは……」
「2人とも、僕の話聞いてないんだね…しくしく…」

 藤一郎が諦めの涙を流している気も知らずに、2人はより一層その愛撫を激しいものにしていった。トランクスはもはやアコンカグヤの唾液でドロドロになり、完全に硬くなった肉茎にトランクスの布地がべったりと張り付いていた。

「はんっ…ん……じゅるっ…じゅぷ…」
「んっ…ちゅ…ちゅるっ…ちゅ、ちゅ…」

 一方樹羅夢姫はアコンカグヤの肩に乗っかったまま、唯一外に出ている藤一郎の亀頭に丹念に小さな舌を這わせる。

「ちゅ…んちゅ……んっ…ぢゅるっ…んぱっ!…うふふっ……おぬしの先からぬるぬるしたものがではじめておるのぢゃ…ちゅるっ!」

 肉茎の先端にある割れ目に、ちょうどキスをするように唇を重ね、小さな舌を差し込む。そして、ディープキスをするかのようにその中で舌を蠢かせると、自らの唾液と先走りの混ざった粘液を吸い取るように飲み込んでいった。

―ジュルルッ、チュッ、ペロッ―

「ううぅ…アンコさん…ジャム姫……お願い、もうホントまずいから…」

 壁に大の字で張りつけられたまま、藤一郎は鎖をガチャガチャと鳴らして快感に耐えていた。荒く息をついて、時折首を反らせる。

「うふふ…出していいのぢゃ、そのための…んちゅっ…練習なのぢゃから…」
「そうよ、貴方に気持ちよくなって欲しいから。たくさん感じて…はむっ………じゅるるっ!」
「僕は今でも十分気持ちいいから、それって本末転と……うあぁぁっ!」

 樹羅夢姫が藤一郎のカリを、その小さな唇でついばみ、アコンカグヤはトランクス越しに下の袋を強く吸い上げた。それが引き金で、藤一郎の肉茎から激しく精液が噴き出し、亀頭をついばむ樹羅夢姫に直撃する。

―ビュクッ!ビュルッ!ビュッ!―

「きゃっ!…んぶっ…」

 それを樹羅夢姫が避けると、2人に精液がシャワーのように降りかかり、顔、髪、服といわず、全てを白く染めていく。

「ちゅ…んっ……ちゅぶっ…藤一郎…の……精液…」
「んくっ…ちゅるっ……こくっ……これが、藤一郎さんの……ちゅ…る…」

 2人は顔や服についた精液を指ですくい、口に運んでいく。その恍惚とした表情を見ているだけで、藤一郎の肉茎は力を失うどころか、更に硬く、太くなるように見えた。

「ちゅ…藤一郎さんのも、綺麗にしてあげます」
「……!…あぁ〜っ!それは、わらわのぢゃっ!わらわがするのぢゃっ!」

 藤一郎のトランクスを完全に脱がし、まだ彼自身の精液で汚れている肉茎を見て、潤んだ表情で咥えようとするアコンカグヤを見て、樹羅夢姫が肩の上で子供のようにだだをこねる。

「…しかし、私は樹羅夢姫に奉仕の仕方を教えなくてはならないのだから…これも、その一環として」
「う〜しかし…なのぢゃ………?!」

―ポムッ!―

「?!……一体何が………」

 漫画のようにコミカルな音がしたかと思と、アコンカグヤと藤一郎の目の前に鮮やかなチャイナ服に身を包んだ、10代後半の爆乳美少女が現れた。

「樹羅夢姫…その姿は…?」
「ぢゃ?…そのとおりぢゃが…おぉ、そう言えばお主はわらわが藤一郎の血を舐めたときに変身したところしか見ていなかったのぢゃったな……まぁそれはそれとして……あむっ!」
「ジャム姫…?!…あうっ!」

―ジュプッ、ジュルッ、クチュッ―

 アコンカグヤが呆然としている間に、樹羅夢姫はスタスタと藤一郎に近づいて一気に太い肉茎を咥えて清めはじめた。

「あむっ…ちゅるっ……んぐっ………じゅるっ………んぐっ…」

 そして一通り口で綺麗にすると、アコンカグヤに向き直って、

「あの…その…なんぢゃ……次は…どうすれば喜ぶのぢゃ…?」
「あ…えっと…そうだったわね」

 アコンカグヤは少し戸惑っていたが、真っ赤になりながらも尋ねてくる樹羅夢姫を見て、優しく微笑んだ。そして、ゆっくりと和服の帯をするすると解き始める。

「樹羅夢姫、申し訳ないのだけれど、そこの椅子を持ってきて藤一郎さんを座らせてはくれないかしら」
「ぢゃ…なせわらわがそんなことをしなければならないのぢゃ!?」
「ジャム姫、僕からもお願いするよ…ちょっと脚が疲れてきちゃって…」
「む…そういう事なら、わかったのぢゃ」

 そう言うと、しぶしぶ樹羅夢姫は調教室の隅にあった椅子を持ってくると、そこに藤一郎を座らせた。

「…手枷は…外してくれないの?」
「今日は藤一郎さんは何もしなくていいの。樹羅夢姫に、殿方を満足させる方法を教えているから」
「あう…」

 完全に「諦め&状況を楽しんでしまおう」モードに頭を切り替えつつある藤一郎だった。

「うんしょ…これでいいのぢゃ?」
「ええ…それでいいわ」

 手を拘束されたままの藤一郎の前に、一糸纏わぬ姿のアコンカグヤが現れた。その肌は真珠のように美しく、そして傷一つ見られない…機械の部分以外は。

「んふふ…おぬし、まだまだ元気ぢゃのう……うりうり」

 樹羅夢姫はその間、まだ硬く先端から透明な雫を垂らせている肉茎の先端を、ぬめる液体を塗り広げるように愛撫していた。

「では…次のレッスン…よ」

―ちゅく―

「お互いが痛くならない為に…先端を濡らす」

 アコンカグヤはそう二人に話して藤一郎に向かい合うと、肉茎を跨いでその先端を自分のスリットに軽く擦り付けるように愛撫を始めた。

―ちゅく、ちゅっ―

「んっ…はぁ…藤一郎さんの、本当に熱…」
「うわ、アンコさんのも…」

 僅かに開いたスリットから愛液が染み出し、そこから滴った筋が肉茎を伝い椅子まで濡らしている。そして、その筋は少しずつ数を増やしていた。

「くちゅくちゅ音がする…アコンカグヤも、凄く濡れているのぢゃ…」
「…ぁ…先が十分濡れたら、ゆっくりと根元まで…入れる」

―ジュプッ―

 藤一郎の太い肉茎が、アコンカグヤのスリットの奥に飲み込まれていく。十分に愛液で満たされていたそこは、肉茎を飲み込むことで愛液を隙間から溢れ出させていた。

「すごい…根元まで、咥えているのぢゃ…」
「…ん…そうしたら腰を上下に動かして、中全体で藤一郎さんを愛撫する」

―グチュッ、ズチュッ―

 目の前で、藤一郎の肉茎が出入りしている光景を、樹羅夢姫は目を潤ませながら見つめていた。

「くっ…うぁ…アンコさん、そんなに激しく…したらっ!」
「ん…くっ…んぁっ!」
「きゃっ!…アコンカグヤの…顔にかかったのぢゃ…」

 あまりに近くで見ていたために、アコンカグヤの愛液が樹羅夢姫の顔に滴り落ちる。しかし、樹羅夢姫はそれを嫌がりもせずただ2人の結合部をじっと見つめていた。

「ジャム姫、見えてる?」
「ん……ぁ……み、見てるのぢゃ…出たり、入ったり…かき回したり…そなたも、こうされると気持ち良いのぢゃ?」
「…ぁ…ん…は…ぁ…」

―ジュプッ、グチュッ、ジュプ―

「んっ!…そ、そうだね…でも、されるよりは…こう」
「…んぁっ!」

―グチュッ!―

「した方が、僕としては気持ち良いんだけどね」
「…ひっ!…」

 藤一郎がアコンカグヤを突き上げると、一際透き通った…高い声が石造りの部屋に響き渡る。

「ぁ…あぁ……んぁっ!」
「アコンカグヤ…どうなのぢゃ?気持ち良いのぢゃ?」

 興味津々といった風に、樹羅夢姫がアコンカグヤに問い掛ける。しかし、樹羅夢姫の目は2人の結合部から目を離せなくなっていた。

「凄い、太いのが突いてくるから、気持ちいいわ」
「気持ちいいんだ、じゃぁもっとジャム姫に見てもらおうよ」
「え?…あ…きゃ!?」

―グイッ!―

 アコンカグヤの疑問の声を無視すると、藤一郎はあっさりと自分を拘束していた鎖を引きちぎった。そして、アコンカグヤの白く、ほどよく脂肪の乗った形の良い双球を両手で掴むと、2人の結合部分を樹羅夢姫に見せつけるように大きく広げた。

「あぁっ!広げられて、見られる…でも、何故鎖が外れたの?」
「アンコさんらしくないですよ…本気で…僕動けなくしてたつもりだったの?」
「きゃっ!つ…突き上げられたら」

―グジュッ!ジュプッ!―

「凄い…のぢゃ…」

 樹羅夢姫は2人の激しい行為に魅了されたのか、もじもじと太股を擦り合わせ、手をその間に滑り込ませていた。

「樹羅夢姫…?」
「わわっ?!…な…なんぢゃ?」
「そんなにビックリしなくても…アンコさんが凄く感じているの、わかる?」

 藤一郎がぐっ…と更にアコンカグヤの尻を広げる。

「み…見えるのぢゃ…アコンカグヤの…き…が…溢れているのぢゃ…」

 愛液で濡れそぼったアコンカグヤのスリットに、樹羅夢姫の熱い吐息が断続的に当たり、その度にアコンカグヤの身体がビクンと震える。

「そんなに、広げると…見えてしまう」
「もう見られていると思うんだけど…ほら」
「んぁぅ!」

―ポタッ―

 一際大きな雫が、樹羅夢姫の唇に滴ってそのまま口の中に流れ落ちる。

「……ぁ……こく…っ…」

 樹羅夢姫の舌に生暖かい愛液の味が広がる。

「その…なんぢゃ、藤一郎…?」
「ん…何?ジャム姫…」

 藤一郎はアコンカグヤの肩越しに樹羅夢姫を見ると、顔は赤く火照り、その表情はトロンとして2人を見つめていた。

―…ごくっ―

 樹羅夢姫がつばを飲み込む音が、確かに藤一郎には聞こえた。

「な…舐めていいのか…ぢゃ?」

 そう言うと、恥ずかしさからかそのまま俯いてしまった。

「うん、僕はなめて欲しいな…それに…」
「あぁっ!」
「アンコさんだって、なめて欲しがっているみたいだし…」
「そ…そういう事なら…舐めるのぢゃ…」
「私は、そんな事言っていない…んふぅっ!」

―チュプッ、チュルッ―

 2人の行為の雰囲気に飲まれてしまったのか、樹羅夢姫は自ら進んで藤一郎とアコンカグヤの結合部を、小さな舌でペロペロと仔犬のように舐めはじめた。

「ちゅるっ…んっ…ちゅくっ……」
「あぁっ!そんな…所を」
「ちゅ……アコンカグヤのここ…凄く熱くなっているのぢゃ…藤一郎のものが、そんなに気持ちがいいのぢゃ?」
「そんな…ぁ…事は…言えない」
「アンコさん、僕も聞きたいな…気持ちよくないなら、ここで止めるけど…」

 樹羅夢姫はアコンカグヤの蜜壷の中に舌を挿しこみ、藤一郎の肉茎とリズムを合わせて愛液を掻きだすように愛撫を繰り返している。そして藤一郎は、アコンカグヤを突き上げながら、耳たぶを甘噛みして囁きかけていた。

「あっ…抜かないで欲しい」
「僕は、アンコさんにも気持ちよくなって欲しいんだ…そうすれば、僕ももっと気持ちよくなれるし…」
「…そんな」
「アコンカグヤ…遠慮はよくないのぢゃぞ…こんなに濡らしておるくせに……ぢゅるるっ!」
「はぁぁっ!」

 2人がかりの責めに、アコンカグヤは藤一郎にしっかりと抱きついて、ただその快感に耐えるしかなかった。

「じゅるっ……あ…すごい濡れてきたのぢゃ…わらわも…なめきれないのぢゃ…」
「んぁっ!…樹羅夢姫…そんなにしたら」
「感じすぎる?」
「そ…そう」
「ジャム姫、ちょっと舐めるの止めて」
「あ…」

―チュパッ―

 樹羅夢姫が唇を離すと、アコンカグヤが名残惜しそうな声を出して後ろを振り返る。

「アンコさん、どうしたの?腰が少し動いてるよ…僕は何も動かしてないのに」
「…そんなことはない…ぁ…」

 弱々しく否定するが、その腰は僅かながら自分の意志で動いている。それは、確かにアコンカグヤが藤一郎を求めている証拠だった。

「アコンカグヤ…素直になるのぢゃ…それとも…恥ずかしいのか?」
「きゃっ…樹羅夢姫、胸は駄目だ……んっ!」

 樹羅夢姫は後ろからアコンカグヤの胸に手を回し、桜色の乳首を優しく摘んだ。それだけで、アコンカグヤの身体はビクッと震え、その身体を仰け反らせる。

「私の使命は…藤一郎さんが気持ちよくなる方法を、樹羅夢姫に教えることだ」
「それなら、さっきわかったのぢゃ…」
「…え…?」

 豊かな胸をチャイナ服の上から、アコンカグヤの背中に押し付けるように抱きついて、樹羅夢姫が笑顔を向ける。

「藤一郎は、さっき『気持ちよくなってくれれば、僕も気持ちいい』って言ったのぢゃ…それならば…」
「……あ……」
「わらわも、アコンカグヤに気持ちよくなって欲しいのぢゃ……だから…」
「な…何をするの?樹羅夢姫」

 樹羅夢姫は再びアコンカグヤの背後にしゃがむと、細い腰を掴んだ。

「だから、もっとアコンカグヤも気持ちよくなって欲しいのぢゃ…んっ…ちゅっ」
「きゃっ?!そこは、お尻の穴…あぁっ!」

 そして、小さな舌をアコンカグヤの後ろの穴に軽く差し入れて、蠢かせる。それだけでアコンカグヤは腰を跳ね上げて、結果として藤一郎に更なる奉仕を行うことになる。

「う…うわ…ちょ…アンコさん…そんなに腰を振ったら……んっ!」
「そ、そんな事言われても、勝手に…」
「ちゅむっ…本当に勝手に動いているのか…なのぢゃ?」

―ぢゅくっ!―

「ひっ!…んあぁぁっ!!」

 樹羅夢姫が舌を差し入れたまま、人差し指と中指をまとめてアコンカグヤの小さな穴に抉るように突き入れた。そして、舌の出し入れとリンクさせるように、タイミング良く指を回転させながら出し入れする。

「んっ…ちゅる……あっ、藤一郎の…が、指に感じるのぢゃ…」
「ああっ!ジャム姫の指が…ちょ…そんなにしたら、僕ももう限界…に…っ!」
「ダメッ…私も…私も、壁に2人のが擦れて…んんっ!あ、貴方のがまた大きくなって…硬くなる…んっ!」

―グチュッ、チュクッ、クチュ―

「くっ!…駄目、もう我慢できない……んっ!!」

 樹羅夢姫の指がアコンカグヤの中をかき混ぜながら、藤一郎の肉茎を裏筋から愛撫する。樹羅夢姫本人は狙って愛撫をしているというよりも、ただ感触が面白いからかもしれないが、その指先は藤一郎とアコンカグヤに確実に快感を与えていた。

「アンコさん、本当にもう…限界…っ!…このままじゃ、中に…っ!」
「あっ!…い…いいから、中に…中に欲しい…このまま…」
「で…でも………あぁっ!」

 唐突に、藤一郎の袋に暖かく、柔らかい感触が与えられる。アコンカグヤの身体で遮られて藤一郎からは見えないが、明らかにそれは唇と舌の感触だった。

「んっ…ちゅぷ……はむっ……れる…れろ……んっ…」

 樹羅夢姫のくぐもった声がする。その声に合わせて藤一郎の玉が温かいものの中でねっとりと転がされる。

「う…うわわっ?!…ジャム姫?そ…そんなことしたら…」
「構わないのぢゃ…わらわは、お主とアコンカグヤに気持ちよくなって欲しいのぢゃから…んちゅる…じゅるっ!」
「ひぁっ!…そんなに指をかき混ぜないで!」

 激しくなる喘ぎ声を聞いて更に興奮したのか、樹羅夢姫はその舌と指の動きを更に強めて、2人を追いやっていく。

―ジュプッ!グチュッ!グプッ!―

「んっ…んんっ……ちゅぷっ………んっ!!」
「んっ!!、だ…駄目だ、出るよっ!…アンコさん………んっ!!!!」

―ビュクッ!ビュクッ!グブッ!―

「あぁっ!!……あ、熱い……んんん〜っ!!!!!」
「きゃっ!指が、痛いほど締め付けられるの…ぢゃ…っ!」

 子宮の入り口を叩きつけるように打ち出される精液の熱さで、アコンカグヤは一気に絶頂まで追いやられてしまう。

「……!!!……っ……!!」

 腰を思い切り突き上げられたまま、身体の最深部に直接精液が流し込まれる。その感覚を実感すると、アコンカグヤは喉を反らせ、口を開いたまま魂が流されてしまうような快感に身を委ねて、胎内に満たされていく精液の熱さを実感していた。

「うんっ!……っ………」

 藤一郎が何度も腰を突き上げる。その度に、アコンカグヤは銃で胎内を撃ち抜かれるような衝撃を受ける。

「んぅっ!!…はぁ…ぁ……はぁ………あ…」
「ぢゃぢゃ?!…ちょ…アコンカグヤ……おもいのぢゃ〜」

 身体を反らせたまま、力なく後ろに倒れてくるアコンカグヤを慌てて樹羅夢姫が後ろから支える。しかし、かなりの身長差があるために、ほとんど押しつぶしているのと同じ状況になってしまっている。

「ふぁ…はぁ、はぁ…んっ……樹羅夢姫…?」
「シャンとせい!ずっとそなたが入れられていたら……わらわの番が回ってこないのぢゃ!」
「……さらっと、凄い事言ってない?ジャム姫…」

 藤一郎の言葉に、樹羅夢姫は『ほぇ?』という表情をアコンカグヤの横から覗かせていたが…数瞬の刻が流れた後、突然顔を真っ赤にしてアコンカグヤの背中に隠れてしまった。

「そそそ…そんな事言われても…仕方ないのぢゃ!目の前でおぬしらの痴態を見せられてみい!誰だって………って何を言わせるか〜っ!!!」
「ジャム姫…それって墓穴…」
「うるさーい!!…アコンカグヤ、どいてほしいのぢゃ〜」

 真っ赤な羞恥の表情から一変して、ウルウル瞳でアコンカグヤに懇願する。藤一郎は樹羅夢姫のコロコロとよく変わる表情を見て、どこか楽しそうな笑みを浮かべたが、そんな表情が彼女に通用するとは思えない…

「あ…樹羅夢姫……はぁ…」

―くちゅ―

 腰をくねらせて、アコンカグヤが弱く反応する。快感の波がまだ完全に引いていないのか、惚けたような返事しかできないでいた。

「うんしょ…んっ…!」

 アコンカグヤの脇に手を回して、何とか持ち上げようとするが、その小さな身体では(と言ってもさっきまでもっと小さかったが)なかなか難しいらしい。その時、

―ふわっ―

「…ぢゃ?…」
「……ありがとう…今変わる」

 樹羅夢姫が見上げると、アコンカグヤが微笑みかけながら、柔らかな手で髪を優しく撫でていた。

「……ぢゃ……」
「見て…今抜く………んぁぁっ…んぁっ!!」

―ジュッ!ズチュッ!―

 小さな瞳の目の前で、ゆっくりと肉茎を自らの胎内から引き抜いていく。

「……んくっ…」

 口から湧き出る唾液を飲み込む音が、部屋中で妙に大きく響いた。
 少しづつ、愛液と精液とがまだらになって覆われている藤一郎の肉茎が、姿を現していく。

「うっ…くっ…!」
「ああっ!また硬くなってきてる…っ!……ふぁぁぁっ!!」

―ジュチュッ!―

「ぢゃっ?!」

 最初はゆっくりと、しかし最後は一気に引き抜かれた肉茎が、反動で大きく跳ねて『ベチッ!』と紅潮している樹羅夢姫の頬を叩く。

「あっ…垂れてきた………キャッ?!…あぁっ!!」
「ちゅ…れろっ……ぢゅっ…じゅるるるっ!!」
「ジャ、ジャム姫?!」

 あまりにも生々しいものを真正面から見せ付けられたからなのか、樹羅夢姫はアコンカグヤと藤一郎との股間の間に頭を差し込むと、アコンカグヤの秘裂に多い被せるように口をつけ、舌を限界まで差し込んで愛液と精液の混合液を啜り始めた。

「じゅるるっ!…ごくっ……」
「きゅ…ぅんっ!!…そこは…感じすぎ……んぁっ!」

 熱に浮かされたように、アコンカグヤの秘裂を愛撫する樹羅夢姫に、達したばかりの彼女は再び追いやられていく。

「ちゅるっ…藤一郎の味と…そなたの味がするのぢゃ…んくっ……ふふっ…アコンカグヤ、藤一郎の精を独り占めはさせないのぢゃ…こ・れ・は、」
「…んぁ…んふっ!……んあぁぁぁっっ!!!!」

―プシャァァッ!―

「んっ?!……ぷぁっ!……」
「…ぁ……ぁ……」
「んっ…ぴちゅっ……す…ごいのぢゃ……???」
「ふぁ…ぁ……??!」
「ジャム姫?!」

 絶頂に達したアコンカグヤの噴いた潮を顔面で受け止め、それを指で拭って舐め取っていた樹羅夢姫に、再び変化が現れた。

―カッ!!!―

 薄暗く、それ故に淫靡な雰囲気をかもし出していた調教部屋に、眩い光が埋め尽くされていく。

「くっ!…これは…」
「ジャム姫?!」

―……………―

 そして、部屋に静寂が訪れる。
 突然の光に驚いたアコンカグヤは、椅子のすぐ傍で座り込んでしまっていた…ついさっきの絶頂で腰が立たなくなっているのかもしれない。
 そこには、10代前半の爆乳少女の姿は無く、30になるかならないかの絶世の美女…そうとしか言えない女性が立っていた。勿論、樹羅夢姫―大聖―である。

「……ジャ……いや…樹羅夢姫…」
「…大聖…」
『ふむ…ようやく成体に戻ったようじゃな…それに、やっとこれで…』

 長身のアコンカグヤをゆうに頭二つは超えるだろう身体を、藤一郎の前で正座させ、背を丸めてまるで猫がじゃれ付くように、端正な顔を藤一郎の肉茎に擦りつける。美貌がアコンカグヤと藤一郎の液に汚されていくが、意に介せずに愛撫を続けている。

「あっ!…うあ…樹羅夢姫…っ!」
『ふふ…やはりおぬしのものは、熱くて…硬くて…この匂いも…好きなのじゃ……んっ…あんっ…』

 親子ほど身長が違いそうな存在…存在自体を比べたら、それ以上の途方も無い格差があるはずの樹羅夢姫が、膝を付き、自らその顔を人間の精液…そして樹羅夢姫の愛撫で新しく分泌された先走りで汚す。
 その行為は、自らを限りなく貶める行為に違いない。その地位は、龍族にしてみれば奴隷など生易しいに違いないはずだが、樹羅夢姫は…

「あ…樹羅夢姫…濡れてる…」

 アコンカグヤの呟きに藤一郎が樹羅夢姫の太股を見ると、そこは既に愛液が幾筋も滴り、石造りの床を濡らしていた。

『んっ…はぁ…もう…我慢できないのじゃ…』

 顔をドロドロに汚した樹羅夢姫はそう淫靡に微笑むと、自分で虹色に輝く…いや、見ている傍から色を刻々と変化させる不思議な、そしてこの世のものとは思えない豪華なチャイナドレスの胸元を、自らのてで引き裂いた。

―ビリッ!!―

「…はぅ…」
「…………」

 藤一郎はその胸を見て溜息をつき…アコンカグヤはその爆乳を見て、床にのの字を書いていじける。
 樹羅夢姫のバストサイズ、推定200cmしかし、その形は垂れることなく正に美乳と誰もが認める美しさを誇っている。

『ふふふ…もっと大きくなったぞ…これで、ぱいずり…とやらをしてやるのじゃ…』
「え?樹羅夢姫、どこでそれを…?」
『…ひ…秘密じゃ!』

 樹羅夢姫は恥ずかしげに視線を反らせると、ユサッと胸を持ち上げてその谷間…と言うよりは隙間に藤一郎の肉茎を挟み込む。そして、そのまま身体を上下にゆすり始めた。

『あっ…んっ…』
「ううっ…わわっ!!!…樹羅夢姫っ!凄いよ…っ!」

 藤一郎は椅子の背もたれに完全に体重を預けて、樹羅夢姫から与えられる快感に浸っている。
 その時アコンカグヤは…

「……………」

 椅子の脇で、樹羅夢姫の胸を横目で見ながら床にのの字を書きつづけていた。

『んっ…はぁ……アコンカグヤ…?』
「……………」
『アコンカグヤ!』
「……あ…はっ!…な、何?」
『す、すまないのじゃが…』

 そういうと、また頬を赤らめて恥ずかしそうにしつつ、

『その…ぱいずり…を教えてはくれないか…?』
「今している」
『そ…そうじゃなく…その、もっと凄いのを知りたいのじゃ…』
「私に聞いてどうする?」

 アコンカグヤの態度がいつにもましてそっけない…と言うより、明らかに拗ねているのは誰から見ても明らかだった。多分、本人は自覚していないのかもしれないが。

『お願いじゃ…藤一郎を良くしてやりたいのじゃ…そなたなら知っているじゃろう…頼むのじゃ…』

 本来、龍族が他人に対して頭を下げることは例外を除いて殆ど無い。それは、真に身体を捧げた相手と…そして恐らく、その相手の為なる事に対してだけだろう。

「……ふぅ……了解した。私も実践したことは無いが、知識としてなら…」

 思わず『セリナの』と言ってしまいそうになるのを堪えて、アコンカグヤはかなり滞っていた奉仕レッスンを再開した。

『お願いするのじゃ』
「了解…と言っても、この状態で使えるのは口だけ…だから…」

―ぽむっ―

「う…うあ…アンコさんっ?!」
「むぅっ…んっ…ちゅ…んっんっんっ…」
『んっ…!…わらわも…少し、感じるのじゃ……アコンカグヤの舌が…胸を這って……んぁっ!』

 アコンカグヤが樹羅夢姫の爆乳に顔を埋め込むようにすると、辛うじて見えていた藤一郎の亀頭を咥えて、舌を絡める。しかし、樹羅夢姫が身体を上下させるので結果として藤一郎の肉茎に何度もディープ・キスをする結果になった。

「あぅっ!…樹羅夢姫っ、アンコさんっ…そんなに2人がかりでしたら、またこんなの持つわけない……んぁっ!!」
『んっ…あっ……ふふっ…びくびくしているのじゃ…もう、出そうなのじゃな…』
「ちゅぶっ…んちゅ…っ……んっ、んっ……先走りが…どんどん溢れている」

 藤一郎の喘ぎ声を更に引き出すように、2人は更に動きを速めていった。

「んっ…ぢゅるっ……れるっ…れろっ……ちゅっ…むっ…」
『あっ……んっ……熱い…んっ…のじゃ…』
「わわっ…あっ…アンコさん、もう駄目……でるっ……くっ…ああぁぁっ!!!」
「むっ?!……ぷぁっ!!」

―ビュルッ!ビュクッ!―

「あっ!…ふぁ…まだ、こんなに濃い…」
『んっ…熱い……それに、プルプルしているのじゃ…流石は藤一郎じゃな…ちゅっ!』
「そんな…誉められても…んぁっ!」

―パタ、パタ、ピチャッ―

 2人の美女に、胸と口で奉仕させながら、顔一面を精液で汚す。その征服感に、藤一郎は背筋がゾクゾクするような快感を感じていた。

『んっ……と』

 そう言って樹羅夢姫は精液で顔をさらに汚したまま、動物のように四つん這いになり、猫の背伸びのような格好で白い尻を藤一郎に向かって突き出す。

「…樹羅夢姫?」
『はぁ…っいれて…欲しいのじゃ…もう、我慢できないのじゃ……』

 樹羅夢姫はチャイナドレスを捲り上げ、真白な尻を見せつけるようにして腰をくねらせる。尻を高く上げているために、胸は床に押しつぶされ、樹羅夢姫をクッションのように支えていた。

「…ゴクッ…」

 藤一郎が、長身の割には細い樹羅夢姫の腰を掴むと、彼女の痴態に力を取り戻した肉茎を秘裂に宛がう。

『あっ…そっちではなくて…こっち…なのじゃ…』

 そう言うと、自ら腰を動かして秘裂の上にある小さな穴に宛がった。

「こっちで…いいの?」
『そ…そうじゃ……わらわのここだと…その…わらわの身体が大きすぎて、そなたを満足させられるか分からないのじゃ…だから…その…小さい方の穴を使えば………』

 相当恥ずかしいのか、樹羅夢姫は床に顔を押し付けて表情を見せないようにして、しかし藤一郎の肉茎の先端をその穴に擦りつけて、絶えず挿入を強請っている。
 どんなに表情を隠して恥ずかしさを見せないようにしても、全身…特に白い尻が桜色に染まるほど全身を紅潮させていた。

「分かったよ…じゃ、遠慮なく突いてあげるから」
『う…嬉しいああぁぁっ!!!』

―ズブッ!!!―

 全くの愛撫も、潤滑液も無く、いきなり藤一郎は樹羅夢姫の尻に肉茎を突き刺し、そのままピストンを始めた。

『ああっ!…んっ!…ふぁっ!…と…藤一…んぁっ!!』
「気持ちよさそうだね…だって、こんなに濡れてるんだから…」

―グチャッ―

『ふぁぁっ!!』

 問答無用で秘裂に指を4本差し込むと、そのままグチャグチャと掻き混ぜる。
 責めに回った時の藤一郎の変わり様に、傍で見ていたアコンカグヤは動けないでいた。いや、正確には藤一郎の激しい責めに身体の芯が疼いて、目が離せない。

「アンコさん」
「あ……な…何?」

 藤一郎に声をかけられて、ハッとしたように藤一郎に顔を向ける。

「アンコさんもして欲しいでしょう?」
「……は…はい…」

 彼の瞳には逆らえない。

「じゃぁ、樹羅夢姫の顔の正面に、脚を開いて座って…ちょうど、アソコが樹羅夢姫の口が付けられるように」
「え…えぇっ?」
「早く」
「……は…はい」

 アコンカグやは何かに取り付かれたように、樹羅夢姫の前に秘裂を曝け出す。
 樹羅夢姫もまた、藤一郎に絶え間なく、激しく尻を貫かれて、隠すことも無く嬌声を上げつづけていた。

―ジュブッ!グブッ!ブジュッ!―

『ああっ!!…んっ!…ぐっ!…ふぁぁぁ!!!』
「じゅ…樹羅夢姫…お願い……」
『んぶっ?!…うんっ…ちゅるっ!んん〜っ!』

 舐める、と言うよりも押し付けられる状態で、樹羅夢姫はアコンカグヤへの愛撫を強制されていた。口どころか、鼻さえ秘裂に押し込まれ、殆ど呼吸がまともに出来てはいないだろう。
 しかし、そんな状態でも樹羅夢姫は藤一郎の腰に合わせて穴を締め、腰をくねらせていた。

『んぶぅ…もう…もう……わらわはもう駄目なのじゃ…早く…そなたの熱い精液を流し込んでぇっ!!!』
「あぁっ!…樹羅夢姫の舌が…長い…一番奥を舐めて……んっ!!」

 藤一郎の腰と樹羅夢姫の尻はぶつかる音、そして樹羅夢姫がアコンカグヤの愛液を啜る音がリンクするように共鳴して、調教部屋に響き渡る。
 そして、そんな永遠に思える饗宴も、終わりが近づいていた。樹羅夢姫は力なく、ただ尻を貫かれるままにアコンカグヤの秘裂に顔を擦りつけられていた。

「ほら、樹羅夢姫、奥に出してあげるから、もっと腰を動かして」
『あ…ぁ……はぅ……んっ…』
「ふぁっ…んんっ…うんっ!!」
「しょうがないなぁ……せーの…っ!!」

―パァン!!!!―

『ヒッ?!…んんん〜っ!!!!』
「ひぁっ?!あああぁぁっ!!!!」
「くっ!締まって……っくぅぁぁっ!!」

 樹羅夢姫の突き出された白い尻に、くっきりと真っ赤な手形が残った瞬間、その衝撃で樹羅夢姫はその穴を強く締め付け、アコンカグヤの肉芽に牙を立てた。

―ドクッ!ビュルッ!ビュクッ!!―

 熱の塊が樹羅夢姫の腸を熔かすような勢いで、精液が流し込まれる。それに合わせて、樹羅夢姫の身体がビクン!と痙攣する。

『…ぁ…ぁ……』
「んっ…ん………ふぅ……」
「ふぁ……ぁ……」

 3人は折り重なるようにして石の床に崩れ落ち、気だるい快感の余韻に浸っていた。藤一郎の肉茎からはまだ、精液が間欠的に吐き出され、樹羅夢姫とアコンカグヤの身体を白い斑に染めていた。

『…んっ……ぁ……ちゅる…』
「はぁ…んっ…ちゅ…」

 やがて、樹羅夢姫とアコンカグヤがのそのそと動き出し、自分の汚れは気にせず藤一郎の肉茎をその舌で清めていく。

「うっ!…わわっ!…ちょ…2人とも、もういいんじゃないの?」

 さっきの責めは何処へやら、2人を肉茎から離そうとするが、2人がかりでは離せるわけも無く、綺麗になった肉茎は2人の愛撫によってその硬さを取り戻していた。

「………次は私……んぅ…」
『それは駄目じゃ…藤一郎には、わらわを責めて欲しいのじゃ……ちゅ…』
「ででで…でも…」
「あそこまで樹羅夢姫を責めておいて…私もしないわけは無いでしょう?」
『藤一郎こそ…まだこんなに元気ではないか…?』

―クチュ―

「分かった!分かりましたから……でも、その分覚悟してよ?」
「……もとより覚悟はしている…」
『ふふ…アコンカグヤ…壊れるでないぞ?』

 藤一郎はそんな2人を見て、いつまで体力が持つか、そんな悩みを抱えていた。しかしその悩みは、恐らく世界中の男達を敵に回す贅沢な悩みだろう。
 とにかく…

―夜はまだ始まったばかりだ―

 ――そして、これが史上最大の戦いの前にあった、ほんの一時の蜜月であったとは、誰も知る由は無かった――
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